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同人サークルA-COLORが北海道をうろうろしながら書いているブログです

少林サッカー

2002-12-08 14:27:00 | 映画-2002年

「これが真のブルース・リーへのオマージュだ!」

 公開当初から観たくて観たくてしょうがなかったのだが、先行ロードショウにも行けず、再上映にも行けず……
 ふと年末で仕事が一段落したと思ったら、すでにDVDとなって発売されていた……
「ええい、こうなったら!」
というわけで、DVDを買ったわけである。

 そして、見終わった後の感想は……今年度、マイ・ベスト・ムービーに決定!
(とはいえ、エピソード2も観てないんだけどさ……)

 いや、とにかく面白かった!
 何が面白かったって、シンチーが登場する場面。
 いきなり、あの髪型で、タンクトップだもんなぁ~、さすが香港ブルース・リー・ファンクラブの名誉会長!
 もう、ここでオイラのハートは鷲掴みにされた。

 でも、ブルース・リーをリスペクトしているにもかかわらずシンチーは、あえて「リー役」を「魔の手」ことチャン・クォックァンに譲っているところも感動した。
 そして、チャン・クォックァンもイカしてた。
 あの初登場のスーツ姿。あれだけで、もう爆笑!
 そして、トラックスーツを着ての登場にも爆笑!
 なおかつ、敵の強烈なシュートを受けても、半身に身体を構えてのリーステップに爆笑!
 で、最後の担架で担がれるシーン……なんで、グラサンなんだよ! っていうか、「死亡遊戯」かよ!? 超爆笑!
 もう、ここまでやってくれたら、ただのパロディじゃないよね。
 シンチー自身は何と答えるか分からないけど、これは、もう明らかにブルース・リーへのリスペクト以外のなにものでもないと思う。

 っていうわけで、これだけでも十分に堪能できた。
 クォックァンのリー特集だけでも、この映画は十分に価値がある。

 でも、この映画の面白いところは、ここだけじゃない。
 前評判の高かった、サッカーとカンフーを融合したシーン。
 これは、もう、あえて何も言うことない。
 アイデアの勝利。
 そして、カンフー映画好きの私としては、こういう形でカンフーにスポットが当たっただけでも、大満足。

 それよりも興味深かったのは、なぜシンチーが「喜劇王」と呼ばれるのか、ということについて。
 ギャグやネタのツボは、人それぞれだから、そこに笑えたとか笑えないっていうのは、あんまり意味がないと思う。
 私なんかは、旋風脚だけで5分は笑っていられるんで。
(ちょっと話は逸れるが、『ウォーターボーイズ』の玉木宏のアブドゥル・ジャバールばりのアフロだけでも笑えるんで、私は)

 そういうネタとかじゃなくて。
 シンチーはあえて、「サッカーに向かない人」にサッカーをやらせている。
 しかも、彼らはみんな「少林寺拳法」に否定的。
 そして、ティン・カイマンを除くと、全員が社会に適応できていない、いわば恵まれない人々……
 これって誰かに似てるよな~……そう、チャップリンの作風に似てるんだ。
 みんな貧しくて、苦しくて。
 だけど、「少林寺拳法」で勝利を掴み、金持ちの鼻をあかす。そして、ヒロインの女の子も救われて、みんながハッピーエンドになる。
 スクリーンに映るギャグだけじゃなくて、そのギャグってる人たちの背景を透かしてみると、「ああ、これがコメディ映画の原点だよな」と納得してしまう。
 まあ、チャップリンと違って、シンチーの場合は最初から拳法の達人だった、ってところはご愛敬だけど。

 というわけで、カンフー映画という観点から観ると8点ぐらい。
(もうちょっとカンフーシーンがあっても良かったかも)
 コメディ映画として観ても、8点ぐらいはつけられるこの作品。
 平均値を取ると8点なんだけど、シンチーのブルース・リーへのリスペクト度が∞点なので、この映画の私なりの評価は最高の10点になる。

 というわけで、本場香港で撮られたCGカンフー映画に、ハリウッド産カンフー映画『マトリックス・リローテッド』が、どのような反撃をするのか?
 早くも来年の映画が楽しみな、私だったりするのである。 

『少林サッカー』(DVD)
監督:チャウ・シンチー
出演:チャウ・シンチー、ウォン・ヤッフェイ、モク・メイラム、ティン・カイマン、チャン・クォックァン、ラム・チーチョン、ヴィッキー・チャオ、ン・マンタ、パトリック・ツェー、他
評価:10点!


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