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トップをねらえ!&トップをねらえ2! 合体劇場版

2006-11-11 18:35:00 | 映画-2006年

「なぜならば、心にトップがあるからです!」

 OVAの『トップをねらえ!』と『トップをねらえ2!』の二本立て劇場版。
 ネタバレしてない人のために注釈つけるなら『トップをねらえ!』上映後に、『トップをねらえ2!』が上映となってます。
 単純にリリース順になってるだけじゃんという気もするかもしれないけど、OVAで両作を観てる人なら単なる同時上映ではなく、“合体”である意味は分かるでしょう。

 劇場版といっても、ようは両作のダイジェスト版ってことになってます。
 なので、あんまりトップに思い入れはないけど、とりあえず全部観たよって人なら、それ以上でもそれ以下でもないと思う。
 だって、ぶっちゃけ『トップをねらえ!』にいたっては20年近く前のモノなので、まあ、それはその程度のモノでしかないわけなのだから。

 ただ、トップに対して思い入れがあるなら、ダイジェスト以上に何かを感じてしまうものがあるかもしれない。

 前半の『トップをねらえ!』パートは、1~4話の泣かせどころというか感動シーンをダイジェストで繋いでいく。 その煽りを喰らってか、カシハラさんやユングは、ほとんど出番無し。
 むしろ、スミスの方が出番があったぐらい。
 んで、泣かせ所ってことで5~6話は、ほぼそのまんま。ユングは、だいぶいい人ってカンジになっちゃってます。
(ノリコと海に行くシーンもなかったから余計かも)

 この『トップをねらえ!』パートを観ていたら、「ああ、おいしいところばっかり編集で上手く繋いでいたな」ぐらいカンジでしかなかったんだけど。

 続く、『トップをねらえ2!』パートは、徹底してラルク視点になってる。これはいろんなところで再三指定されてるけど、第1話の最初のモノローグと第6話の最後のモノローグがラルクのモノだったんだけど。劇場版だと、より“ラルクのモノローグ”だった意味が分かりやすくなってる。
 わかりやすくといえば、ストーリーも時間軸に沿ってすっきりまとめられてるんで、OVAを観たときよりわかりやすくなってると思う。
(そのぶんチコをはじめ、その他のトップレスの存在は物凄く薄い)

 んで、ラルク視点で、この『トップをねらえ2!』パートを観ていて気付かされたんだけど。
 そもそも、ラルクは「お姉様」と呼ばれていたけど、実はノリコのような“普通の女の子”だったってのことに気付かされて。それと同時に、ノノもラルクも“孤独は嫌だ”っていう気持ちをお互いに持っていて、そこを分かり合うわけなんだけど。
 改めて、合体劇場版として見直してみると、実はノリコも孤独に抗っていたってことに気付かされる。
 お姉様に見捨てられそうになったり、スミスがいなくなった宇宙空間で独り怯えたり、戦闘から外されて独りで死を待っていたり……こういう苦境に対して、ガンバスターに搭乗して立ち向かっていったわけ。
 でも、ガンバスターに載ってるってことは亜光速空間で戦うことを意味して、地球にいる人たちとは一緒の時間を過ごせない=一人だけ取り残されていく。
 それが分かっていながらも、最後はブラックホール爆弾の起動をするために12000年も時間がずれてしまう。
 で、その12000年後の世界には、地球を守り続けてきた“孤独に抗った普通の女の子=ラルク”が、すでに記録の中だけの人物になってしまったノノリリ=ノリコたちの帰還を待っていてくれる。
 この二人の普通の女の子たちが、期せずして似たような戦いをしていた(それも12000年の時を超えて)ってのが、この合体劇場版なのかな。
 OVAを全作観ておきながら、今さらながら「ああ、そういうことだったのか」を気付かされたような気がする。

 なお、こういう風に解釈しなくたって良いモノは良いし、昔のアニメっていっちゃえば、まあそれだけのモノなんだけど。
 ってなわけで、この映画に関しては、なかなか平等な判断ができないので点数は付けません。
 オレ的には、すごいおもしろかったけど。

『トップをねらえ!&トップをねらえ2! 合体劇場版』(映画館)
http://www.gainax.co.jp/anime/top_movie/index.html
監督:鶴巻和哉
出演:日高のり子、福井裕佳梨、他
点数:-(あえて点数は付けません)


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