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同人サークルA-COLORが北海道をうろうろしながら書いているブログです

CUBE2

2006-01-09 16:24:02 | 映画-2006年

「二作目はやっぱり…」

『CUBE』と一緒に借りてきました。
 何の予備知識もなく観た前作が思いの外に良かったので、続編のこちらにも期待大。

 いきなり、CUBEの中に放り出されてしまう、ってのは前作と同じシチュエーション。
 しかもCUBEの上を行くHyperCUBE(HyperCUBEってのは作中で説明有り)が舞台となっているのだから、これは期待がいやが上にも高まるわけだけど。

 二作目は外れるっていうジンクスがあるとかないとか言われているけど、こと『CUBE』に関してはジンクスどおりだったかも。

 HyperCUBEってのが、結局、何だったのか? っていうかか、そもそも、このCUBEってのはなにがしたいのさ? っていう根本的な問いに解答は不要だと思ってる。
 ところが、この作品では中途半端にCUBEの存在理由をほのめかしている。いや、ほのめかしてもいいし、謎が謎のままで終わったって良いとは思うんだ。
 これが映画の根幹でないのなら。

 この“映画の根幹”ってところが大事。

『CUBE2』では、この根幹がないがしろにされてたような気がする。
 まず、デストラップが、いかにもゲームゲームしたものになってる。
 ゲームっぽさが売り(後付けでプロモーションがそうしたのかもしれないけど)だった映画が、ゲームを売りにするのは……。
 そもそも『CUBE』の設定自体、現実にはあり得ないんだけど。“でも、もしかしたら、こんな状況になってしまうかも”っていうギリギリの現実感が、極限化での人間の心理にリアルな恐怖をもたらしていた。
 でも、“HyperCUBEってのが、こういうことを許容してしまう世界なんだ”と開き直られてしまうと、観ている方としては一気に興ざめしてしまう(それをほのめかす設定もあるみたいだが)。
 作中での発言によると、HyperCUBEってのも理論上の存在で現実にはあり得ないんだそうだけど、だからといって架空の存在でもないわけだから、そこのギリギリの現実感みたいなのがあってもよかったはずだ。
 ついでにいうと、デストラップも物理的に距離を置いていれば回避できるため、知恵を使うとか機転を利かして逃れるっていうか、そもそも、映画としての醍醐味がないのも残念。

 それと極限化での人間心理ってのも、かなり軽んじられていたと思う。
 これは前作との二番煎じを避けたつもりかもしれないんだけど、結果として、“追いつめられた”っていう恐怖がないんだ。
 おまけにデストラップも気まぐれにしか登場しないし、また登場人物たちもトラップに直面するまで気にもしてないので、“一歩進むことへの恐怖”もない。
 唯一、とち狂って暴れるオッサンがいるんだけど、コイツのおかげでもう全部台無し。
 なんつうか、くだらないんだよ、暴れる理由が。薄っぺら。こいつのせいで、この映画が本来持っているはずだった緊張感がすべて台無しになった。
 それと作中に登場するスーパーハッカーが何をしたかったのか分からないっていうか、ストーリーと無関係な厭世観がウザイかった。救いがないってのと、救いようがないってのはだいぶ違うと思うんだよね。

 と、ここまで酷評しているけど、最終的に「HyperCUBEってのはなんなのか?」っていうことが解明されれば、それはそれで、そういう映画として楽しめるんだけど。
 結局、それもなし。
 スリルもリアルもなければ、種明かしもないってことで、なんとも大雑把な映画だったなという印象が強かった。
 二番煎じを避けるために、CUBE(3次元)では終わらせなかったアイデアはすごく良かった(最後に明らかになるHyperCUBEの正体も怖かったし)んだけど、その素材を料理し切れていないのが、とてももったいなかった。

『CUBE2』(DVD)
監督:アンジェイ・セクラ
出演:ジェラント・ウィン・デイヴィス、カリ・マチェット、ニール・クローン、マシュー・ファーガソン、バーバラ・ゴードン、リンゼイ・コネル、グレース・リン・カン、他
評価:4点


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