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同人サークルA-COLORが北海道をうろうろしながら書いているブログです

バトル・ロワイヤル

2003-01-19 14:40:00 | 映画-2003年

「これがR-15?」

 まずは深作欣二監督のご冥福をお祈りします。

 で、深作監督の遺作となった、この作品を観たわけであるが、まず観終わった後に感じたのは「この程度でR-15指定?」ってこと。
 まあ、もう、昔のことだから今さら蒸し返すのもかったるいけど。
 公開当時は、このバトロワの残酷描写が物議を醸して大騒ぎになったものである。
 んで、今、こうやってバトロワを観てみたのだが。
 深作監督、緻密だよ。
 昔の「仁義~」シリーズのテイストを残しつつ、生理的嫌悪感が残るような死体の描写をしてないもん。
 それともあれかね、『プライベート・ライアン』並に木っ端微塵に吹き飛べば、R-15でもアカデミー賞獲れるんでしょうかね?
 とにかく。俺的には全然、許容範囲。
 バトロワ公開反対派のオッサン達は、もうちょっと勉強しましょう。

 さて、映画本編だけど。
 面白かった!
 これだよ、これ! これこそが痛快娯楽作品!
 中学生や高校生は、これを観てどう思うのかは知らないけど。
 俺的には、ホント、面白かった。

 まず最初に、私語をする生徒にナイフを投げつける先生。
 スコーン! と刺さってました。
 その次がカマ! カマで人殺しちゃうんだよ? カマだよ、カマ!
 鎖ガマだったら、どうしようと思っちゃった。
 それに安藤政信が山を駆け上がってくる人間に対して、きちんと土手っ腹を狙って弾丸をぶち込むところ!
 そうだよ! 基本だよ! っていうか、アイツは軍隊経験者?
 その点、他の生徒達は銃の扱いがヘタでした(当たり前だ)。
 他にも面白いところがいっぱいあるんだけど、書ききれないので割愛。

 んで、映画全編を観て思ったのは、やっぱり「友情」なのかな?
 と思わせつつ、実はガキどもの友情なんてのは、上辺だけという物凄く恐ろしいところを暴いているところ。
 特に、灯台での仲間割れのシーンは、あまりにもリアルすぎて鳥肌が立ちそうになった。
 っていうかね、ハジキをぶっ放し合って、全員が同士討ちってのが凄かった!
 これぞ「仁義なき戦い!」
 タランティーノだったら、絶対にパクるだろうな、と思わせる衝撃シーン。
 みんな、2001年以降のタランティーノ映画はチェックしないとダメだぞ!(笑)

 それとキタノ先生こと、ビートたけしの状況。
 あれだけアホなミッションの管理者でありながら、家では虐げられているという、これまた真実味を帯びた残虐性。

 そう。
 この映画がホントに残酷なのは、殺戮描写なんかじゃない。
 むしろ、表面的には機能している人間社会の裏側に潜む、脆さと危うさを暴いている点なんだと思った。
 一応、冒頭で架空の法制度の元に産まれたBR法ということになっているけど。
 でも、架空の世界でありながらも、描かれているのは本音の日本社会だった。

 ラスト間際。
 ビートたけしが「バカヤロー!」って娘から掛かってきた電話を、ハジキで吹っ飛ばすシーン。
 このシーンが、この映画の中でもっとも残酷なシーンだなと思った。
 バトロワ反対派の父兄どもよ。
 映画批判をする前に、テメーのガキの心配をした方が256倍建設的だぞ。

 最後のオチに関しては……
「まあ、いいんじゃないの」
 と意外と冷淡。
 いや、なんかね。
 実質的にゲームに参加しなかった二人が、ルール違反で生き残ってるっていうのが、ね。
 汚えな、と。
 まあ、でも、人気のアイドル二人が生き残ったんだから、それはそれで良いのかな。

 ああ、最後に。
 山本太郎。メッチャ格好良かったよ。
 アサルトライフルの構え方からして、堂に入っていた。
 そして、最期のシーンは美味しかった。
 くわえタバコのまま死んでいく……ジーパンかよ!
 役者なら、やっぱり、ああいう死に方したいだろうなぁ~、と思った。

 というわけで、この映画は深作監督の遺作として、その名を刻むには十分な作品だと思った。
 惜しむらくは、『新・仁義なき戦い』のメガホンを深作監督が握ることが永遠にない、ということだろうか……

 追伸
 バトロワオネーさん、スゲー、ツボにハマりました。
 ミヤムー、サイコー!

 追伸2
 原作は、もっと過激らしい。
 原作も読んでみたいけど、競馬四季報並の厚さが手に取ることを躊躇わせる……

『バトル・ロワイヤル』(ビデオ)
監督:深作欣二
出演:藤原竜也、前田亜季、山本太郎、柴咲コウ、安藤政信、ビートたけし、他
評価:8点


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