向島じゃ ちょいと評判の小唄の師匠も
ひねもす猫と日向ぼこしているようじゃおしまいだね。
毎日のように稽古に通ってきた琉球堂の兄ーさん
お仕事が忙しくなって来られないんだって 結構なことじゃないか。
猫屋の玉吉さん 猫が増えすぎて世話がたいへんだ なんて言って
あれっこり稽古に来なくなったけど どんな猫だろうね。
房州やの旦那 はんこを彫る細かい仕事の後には
声出すのが一番だ なんて言ってよく通ってくれたっけ・・・
今はどこで声だしているんだい。
男はね 若い女がいいんだって! お前だけだね いつまでも
あたしのところにいてくれるのは・・・