図書館ボランティア最終日。
いつものように電車を降りて
真ん前の公園の中を歩いていく。
午前9時台は人影もまばら。
グランドゴルフを楽しむ
シルバーたちの横を抜け、
石垣に沿った緩やかな段を
ゆっくりと登って図書館へ。
いつもの活動開始までの手順も
これが最後なんだと思うと
変に意識して行ってしまう。
今日担当した書架は、
私の好きなモノが
たくさん並んでいた。
美術館発行の展示の図録や
地元作家の絵本、
それに続いて
「タカラヅカ」関連の資料。
その後の「スポーツ」の棚には
「タイガース」関連も並んでいる。
この手の書籍は、
背表紙やタイトルを眺めるだけで
楽しい気分にさせてくれる。
色々思いあぐねながら
今日はちょっとスローペースで
「請求番号」より背表紙に
目をやることにした。
そうしたら、
1ミリほどの厚さの資料が
他の資料に押されて
奥に追いやられているのを見つけた。
良かった。
ここの図書館の来館者は
他館に比べると多い方ではないから
見つけてあげなかったら
何ヶ月もあのままだったかも…
書架をこうして整理すると
一冊一冊の資料が
まるでひとりの人間のように
見えてきたりする。
背の高さや厚さ
古さや装丁、材質の違い、
カラフルだったり
地味だったり、
高額だったり
安価だったり、
人気があったり
あまり読まれていなかったり。
図書館ボランティアで
一番良かったことは、
自分の興味の外にあった資料と
出合うことが出来たこと。
世界が凝縮された「世界」が
そこには存在して
背を眺めているだけも
自分の可能性を広げてくれる
そんな不思議な気分になる。
「いろんなキミたちに
ココで出合えて良かったよ。」
別れの瞬間、
館内を見渡して心の中で呟いた。
図書館員のみなさんに
簡単な挨拶をして図書館を出た。
公園の中心に向かって歩くと
桜がちらほら🌸
咲き始めているのに気がついた
まだこの程度の咲き具合なのに
既に花見客が弁当を広げている。
今日も肌寒い天気だけれど
「春だもんなぁ」
と思わず微笑んでしまう。
数枚写真を撮って
公園をあとにした。
もう毎週ココに
通うことはないのだ。
4月からはグッと
生活リズムが変わるな。
また来るけど
いつ来るかなぁ。
あの気になる本が
読みたいなぁって思ったら…
それにしても、
たくさんの素敵な資料があるのに
何で皆んな来ないのか…
何でもっと「人寄せ」しないのか…
また来るよ。
その時には
もっと人が集まる場所に
なってたら良いなぁ。
もっとキミたちを
喜んで迎えてくれる
そんな人たちに
出合えていたら良いなぁ。
