蓮舫氏「政倫審の限界を感じた」安倍派キックバック復活経緯など「ゼロ回答」の世耕弘成氏に怒り
2024/03/14 12:48
(日刊スポーツ)
自民党の世耕弘成前参院幹事長は14日、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて開かれた参院政治倫理審査会(政倫審)に出席し、安倍派がキックバックを復活させた経緯などについて、自身の関与を一貫して否定した。
当時安倍派会長を務めていた安倍晋三元首相がいったんキックバックの廃止方針を示したが、安倍氏の死後に復活された。その判断に、安倍派幹部の誰がかかわったのかが最大の謎、大きな焦点となっている。
世耕氏は、立憲民主党の蓮舫参院議員の質問に、2022年8月5日に世耕氏ら安倍派幹部で集まった際のことについて「確定的なことは決まっていない」と主張。その会合以外で、自身を含む幹部が集まったことは「少なくとも私が出席した場はない」と述べ、蓮舫氏に「それならなおのこと、8月5日に決めないといけなかったことになる。だれが決めたのか」と問われると、「私もはっきりいって分からない。なんで安倍さんが『やめる』といっていたことになったのか」「私は参院の連絡役の立場だった」と自身の関与を強く否定した。
蓮舫氏が「こっちも、より分からなくなった。記憶にも記録にもないあなたの知らないところで、だれが決められるのか」と再度ただしたが、世耕氏は「8月以降に会議があったかは分からない。だれがこんなことを決めたのか、本当に私自身が知りたい」とまで主張。自身が出席した場でキックバックが決まったことは「断じてない」とし、自身がキックバック復活を了承したことも「一切ない」と繰り返した。
参院選で改選対象となっていた議員に販売ノルマ分と超過分の全額をキックバックする参院安倍派の独自ルールについても「いつからあったか、だれが決めたのかも分からない」と関与を否定。選挙活動への流用も「選挙に使うことは、基本あり得ない」と訴えた。
質問に立った蓮舫氏は、世耕氏の「ゼロ回答」対応に「肝心なことの記憶はなくして、それ以外は雄弁に語る。私は信用できない」と怒りをにじませながら質問を続けたが、世耕氏は一貫して裏金問題への意思決定への関与を否定。
質問の最後、蓮舫氏は「何の弁明に来られたのか分からない。政倫審の限界を感じました」と、政倫審は証人喚問のように偽証罪に問われないことを念頭に、くやしそうにつぶやいた。