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電車内で「前リュック」はマナー違反なのか

2024-04-24 10:32:42 | ニュース
電車内で「前リュック」はマナー違反なのか 鉄道会社も配慮する“リュックは前に抱えるな派”の言い分© AERA dot. 提供

 電車内でこんなアナウンスを耳にしたことがある人は多いだろう。「リュックサックなど大きなかばんをお持ちのお客さまは、手にさげてお持ちになるか、座席上の荷物置きをご利用ください」。学生のみならずビジネスシーンでもリュック利用者が多くなり、電車では「リュックは前に抱える」のがマナーとして定着しているかと思いきや、そのような案内はない。不思議に思い、鉄道会社に話を聞くと“前リュック”にNOを突きつける利用者が一定数いるのだという。SNSでも論争が巻き起こる、「電車内での正しいリュックの持ち方」を考えてみた。

*  *  *
 混雑した電車内でリュックを背負ったままでいると、背後の通路をふさぎ、他の利用者にぶつかるなどしても気づきにくいため、一般的には前に抱えることがマナーとされている。記者は通勤の電車で、周囲のリュックユーザーの様子を観察してみたが、大半の人は乗車時にリュックを背側から腹側に回していた。だが、前述のように鉄道会社はリュックを「前に抱えてください」とはアナウンスしていない。もしや、最新の常識では、“前リュック”はNGなのか?

 そこで、冒頭のアナウンスを流していた東京メトロに放送内容の意図を聞くと、「お客さまのそれぞれのお手荷物の持ち方を否定するものではなく、混雑する車内を快適に、また、一人でも多くの方にご利用いただくための放送であることをご理解いただければと思います」と返ってきた。

電車内で「前リュック」はマナー違反なのか 鉄道会社も配慮する“リュックは前に抱えるな派”の言い分© AERA dot. 提供

■アンチ「前リュック」派の言い分
“前リュック”をマナー違反とは考えていないそうだが、それではなぜ、「手にさげて持つ」と「荷物置きを利用する」という2つだけを案内しているのか。
 実は2023年度に同社に寄せられた、65件もの「車内でのリュックのマナーに関するご意見・ご要望」のうち、「前に抱えるのではなく手に持つように周知してほしい」という意見があったのだという。

 前に抱えることで、一体どのような問題が起きるのか。Xをのぞくと、数々の“アンチ・前リュック”コメントが散見された。
「電車内でリュック前背負いしても面積変わらないからおろして足元に置くか棚に置いてほしい」
「前にするの関東圏にきてよくみるのよね。前に抱えて肘張ってスマホだから、邪魔」

「リュックを前に抱えて電車に乗る人、背後には気遣うくせに目の前の人間にはぶつかり倒すのなんで…」

 なかには、“前リュック”をしたくてもできない深刻な事情を抱える人もいるようだ。
「(妊娠によって)お腹がますます突き出てきて、通勤電車でリュックを前に抱えるのが苦しくなってきた」

「私は心臓が圧迫されるのがヤバい病気なので、リュックを前に背負うことができない」

「私は満員電車でもリュックは背負ったままが多いです。理由は痴漢対策。前は自分で見えるし手で防ぐこともできますが、何も背負っていない背中は正直無防備な状態です。痴漢の多い車内で自分を守るために背負っています。少しは理解して頂きたいです」

電車内で「前リュック」はマナー違反なのか 鉄道会社も配慮する“リュックは前に抱えるな派”の言い分© AERA dot. 提供
■「手持ち」だと痴漢疑いリスクも?
 なるほど、“前リュック”が必ずしも万能でないことは理解できた。ではアナウンス通り、リュックは手にさげて持つか、荷物置きを利用しよう。
 こう結論が出れば話は早いのだが、実はこの二つにもそれぞれ「デメリット」があるようだ。まずは、手にさげられない/さげたら逆に迷惑になると訴える人々の声を紹介する。

「重いからリュックにしてるのに手提げは無理」
「手に持ってたら、前の人の膝カックンの刑になりそうじゃない????」
「手で持ち続けると電車内で汗かく要因になるし、満員電車だと自分の足に当たって痛い上に普通に蹴飛ばされるから有り得んわ」

 とりわけ男性陣から目立ったのは、犯罪者認定されるリスクにおびえる声だ。

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「リュックは降ろした場合、持つ手が大体お尻の当たりに来るので痴漢扱いに注意」
「痴漢に間違われないようにリュック前にしてリュック上に手を置いてますよ」
「混雑で手に持つと痴漢疑いリスクだけじゃなくて盗撮疑いリスクも生じるんだよね」
 続いては、“アンチ・荷物置き”の言い分を見てみよう。「混雑時は出し入れが難しい」「重い荷物の場合、落下リスクを考えるとかえって危険」「防犯の面で不安」といった問題のほかに、こんな事例もあるそうだ。

「電車で網棚にリュックとか荷物を置く時、ほんと気をつけてほしい 座ってたら目の前で網棚に荷物を置こうとした人、リュックの紐?が顔面に思いっきり当たったのに気づいてないのか謝りもしない 地味に痛かったんだけど‥」

■持ち方に「正解」はあるのか
 電車内のリュックの持ち方に、もはや正解は存在しないのか……。帰宅ラッシュの車中で悶々と考えていると、偶然近くにいた3人の乗客がヒントをくれた。

 背骨を何かかたいもので小突かれ、振り返った先にいたのは、ヘッドホンをしてスマホの画面を見つめる若い男性。“前リュック”姿だったが、そのリュックから伸びた折り畳み傘の柄が、前にいた記者の背を押していたのだ。スマホゲームに夢中の彼は、まったく気づいていない様子だった。

 10分後。今度は膝裏に一定のリズムで何かが当たるので、ちらりと後ろを見ると、至近距離に目を閉じた中年男性の顔があった。仕事終わりで疲れているのか、立ったまま船をこいでおり、体が揺れるたびに手にさげたビジネスバッグが記者の足に当たっていたのだ。彼については、荷物が当たることよりも背中に密着されていることのほうが気になった。

 そして最後に隣り合ったのは、70代くらいの高齢男性。荷物は持っていなかったが、小脇にポテトチップスの袋を抱え、すごいスピードでポテチを口に運んでいた。空腹に耐えかねていた様子だったが、そばにいた若い女性は明らかに顔をしかめながら見つめていた。

“ちょっと迷惑”な彼らが教えてくれたのは、「荷物をどう持つかよりも、周りの様子に目を配るほうがずっと大切」ということ。マナーの本質である思いやりさえ忘れなければ、“前リュック”でも“手さげ”でも“荷物置き”でも正解だし、逆もまた然りなのだ。
(AERA dot.編集部・大谷百合絵)

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「まさかこれが助かってくれるとは」がれきから出てきたものは

2024-04-24 10:03:48 | ニュース
「まさかこれが助かってくれるとは」がれきから出てきたものは
2024年4月24日 6時00分 令和6年能登半島地震
倒壊した珠洲市の自宅。

ボランティアにお願いして、貴重品や思い出の品を探してもらいました。

出てきたのは大きな箱。中はきれいな状態のままです。

飾る時期は過ぎていますが、「宝物」が見つかったことが少しだけ前を向かせてくれました。
被災地の状況について、こちらから情報をお寄せください
「立ち止まりたいけど…」
廣田寿子さん(63)は地震で珠洲市宝立町の自宅が倒壊。

一緒に住んでいた夫の均さん(65)と義理の母親の咲子さん(93)を亡くしました。

被災後、いったんは県外で暮らす子どものもとに身を寄せていましたが、珠洲市内にある実家から自宅に通い、少しずつ片付けを続けています。

廣田寿子さん
「この現状を見ると、ほんとにあんまり変わってないので。あっという間だったし、これから先もまだまだ続く。長いので、本当に1つ1つ私にできることをやってきました。

1つずつこなしていかないとなかなか決着がつかないことが多いので。立ち止まりたいけど、立ち止まれないっていうのが現実なので」
「まさかこれが」
倒壊した自宅は、解体することが決まっています。

3月末、寿子さんは専門の知識を持ったボランティアに依頼して、自宅の中にある貴重品や思い出の品を探してもらいました。
がれきの山から見つけ出した大きな箱。

開けてみると、中には3段飾りの、昔ながらのひな人形が入っていました。
寿子さん
「こっち見ていいですか?ああ、全然大丈夫でした。めっちゃきれいです」
お内裏さまにおひなさま。

三人官女も1つも壊れていませんでした。

女の子の孫が多く、春になると娘や孫のために飾ってきたものです。

寿子さん
「全然ぬれていない。まさかこれが助かってくれるとはびっくりです。宝物を見つけました。見つからないと諦めていたのが見つかるのはうれしいですよね。解体するときは見つけるといってもできんよね、そこまで」
ひな祭りの時期はもう過ぎています。

それでも家族で大切にしてきた「宝物」が見つかったことが、すこし前を向かせてくれました。
「ちょっと落ち着いたら、時期はずれのおひなさま出そうかな。それぐらいしか楽しみないし。本当にありがとうございます」
ほかにも出てきたものがあります。

亡くなった義理の母、咲子さんが詠んだ短歌の冊子です。
短歌を愛した咲子さんが手書きでつづった、大切なものでした。
「見つけてもらって本当に喜んでいると思います。なんせ短歌が趣味なので、短歌の詩集であったりとか、見つけるのは本当に諦めていました、全部」
「私だけが生かされた」
寿子さんは、亡くなった均さん、咲子さんと同じ家の中にいました。

今でもふと当時のことを思い出すと、つらくなります。

1月、2月、3月と過ぎました。

今はとにかく、1つ1つできることを続けていくしかないと考えています。

寿子さん
「動けるかなと思って動き過ぎるところがあるので、子どもたちからは『ちょっと休め』と言われています。でもね、『主人の分まで頑張らないと』という思いもあったりして。『私だけが生かされた』っていうところもあるので。胸が痛くなるときもあるんですけど、能登の女の人は強いですから、頑張るしかないです」

(金沢放送局 記者 園山紗和)

政治資金規正法改正に向け 自民案まとめる 野党は不十分

2024-04-24 06:37:32 | ニュース
政治資金規正法改正に向け 自民案まとめる 野党は不十分と批判
2024年4月24日 4時39分 政治資金
政治資金規正法の改正に向けて、自民党は議員に収支報告書の「確認書」の作成を義務づけることを柱とした案をまとめました。

立憲民主党など野党側は企業・団体献金の禁止などが盛り込まれておらず不十分だと批判し、それぞれの案の実現を迫る方針です。
派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、自民党は政治資金規正法の改正に向けた独自の案をまとめました。

議員の責任を強化するため、収支報告書の「確認書」の作成を本人に義務づけた上で、会計責任者が虚偽の記載などで処罰された場合、内容を確かめずに「確認書」を作成していれば、議員の公民権を停止することを柱としています。

案のとりまとめにあたった党の作業チームの座長を務める鈴木馨祐氏は「議員が『知らない、秘書がやった』という言い訳はできなくなる。『連座制』と言われるものには近いと思う」と述べました。

議員の責任強化をめぐっては、公明党や野党の各党がいわゆる「連座制」の導入などを主張していて、今後、与野党による協議で議員に罰則を科す具体的な要件などが検討される見通しです。

一方、立憲民主党の泉代表は「これだけ大きな不祥事を起こしながら、自民党は改革案を小さく出している。『裏金問題』が免責されるものではなく、まったく国民の期待に応える内容ではない」と述べました。

野党側は自民党の案には企業・団体献金の禁止などが盛り込まれておらず、不十分だと批判していて、24日の参議院予算委員会の集中審議などで、それぞれの案の実現を迫るとともに、岸田総理大臣の責任を引き続き追及する方針です。