小樽・花銀通りと寿司屋通り角の文学カフェ「魁陽亭 越治(かいようてい こしじ)」。伊藤整や小林多喜二などの文豪や芸術家たちが集った喫茶店「越治」があった場所にオープンした店です。“小樽の歴史の1ページを垣間見られる空間を作り、世界へ、また未来へとはばたく若者達に言の葉を起こしたい”との想いからとか。大正ロマンあふれる空間で道産食材で作るカフェ・メニューとスイーツがいただけます。
本日は【紅葉めぐり2022〜小樽/天狗山~】時のランチに「魁陽亭 越治(かいようてい こしじ)」です。某雑誌の紹介でプロレタリア文学の小林多喜二氏や「火の鳥」の作家・伊藤 整氏などの文豪が集う喫茶店を同じ場所に再現した店だとか。大正ロマン感じる店内が魅力だそうで今回の小樽散策のランチに選びました。場所は「寿司屋通り」と「花銀通り」が交差する角にあります(地図)。
「魁陽亭 越治(かいようてい こしじ)」の外観。正面が「寿司屋通り」で右側が「花銀通り」です。
建物の角が「魁陽亭 越治(かいようてい こしじ)」の入口になります。
店は2階にあり階段を上がります。階段途中の正面にはステンドガラスの装飾があります。
店内に入ったところ。趣のあるスペースです。
店内から逆に入り口方向を見たところ。右の壁に掲げられた古い写真に注目。
こちらがその写真。昭和2年(1927年)頃の「越路商店」を撮影したものだそうです。この建物2階に喫茶「越路」があったとか。橋の上で佇むのはニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝氏の妻リタさん。
建物の壁に「KOSHIJI」の文字が見えます。現在のものとほぼ同じ位置です。
入店したのは11時5分頃。11時開店だと思ってやってきたのですが実は開店は11時30分。たまたまマスターが看板を出しに入口に来たのに出くわし「注文はお待ちいただきますが店内にどうぞ」と案内されました。「店内をご覧になってお好きな席をお選びください」とのご厚意で店内を観察させていただきました。
まずは入口から見て最も左奥のエリア。通路に2人用テーブル席×2と和室×2があります。
和室は「魁陽」と「越路」と名前が付けられています。
それぞれ小樽ゆかりの作家が万年筆を片手に多くのすぐれた文学作品を生み出した部屋をイメージしたとか。懐かしさも感じる雰囲気です。
中央の黒塗りの廊下には「文学の路」の標識があります。
その奥には宴会個室「海陽の間」があります。2間をつなげると客席12席。
この部屋は道内最古の料亭と言われる「開陽亭」の宴会場をイメージしているそうです(写真は店のウェブサイトから借用)。ちなみに「魁陽亭」は創業当時の店名だとか。
最も右側のスペースが「文学の杜」と呼ばれる喫茶室です。
本棚には小林多喜二、伊藤整、石川啄木といった北海道や小樽に所縁のある作家の作品が500冊以上並んでいます。
ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝氏関連の書物もありました。
店内を興味深く見ていると店の方が「本棚の一部が隠し扉になっているのですよ!」と教えてくれました。宴会個室「海陽の間」につながっています。
それではメニューでです。ランチメニューの注文でドリンク類は半額になります。
ランチメニュー。
そしてデザートです。
新作のデザートメニューもありました。
「太田ファーム卵のデミグラスオムライス」税込み1,080円。濃厚デミグラスのカフェメニューを超えた洋食シェフの料理です。
「越路のミートチーズナポリタン」同1,080円。
「ガトーショコラ」(同580円)と「ブレンドコーヒー」(同540円の半額で270円)。
「ガトーショコラ」はメレンゲ添えのバニライス、コーヒーゼリーとフルーツなどが盛り合されたパティシエ渾身のスイーツでした。
「ブレンドコーヒー」のカップはBavaria Winterling(ババリア・ヴィンタリンク)社製。ドイツの中でも有名な陶器会社が集まるババリア(バイエルン)地方の古参社のものです。
「ココア」(600円の半額で300円)。見た目良く味良いココアです。
カップはWEDGWOODでした。
カフェ・メニューもデザートも洋食シェフとパティシエの技が感じられる良い味わいでした。大正ロマンに郷愁を感じる人もそうでない人も趣のあるカフェで穏やかに時を過ごせる感じでした。歴史ある小樽らしいともいえる良い店です。ご馳走様でした。
「魁陽亭 越治」
小樽市花園1-60 134-61-7682
営業時間:午前11:30〜午後8:00(L.O 午後7:30)
定休日:年末年始のみ
(2022.10.15訪問)