まるでSF小説にあるような設定
"満75歳を過ぎれば『死』を選択できる"
という政策
…昔のSF小説は厭世感にあふれていて
(特にアメリカのもの)
(もちろんそうじゃないのもたくさんあるけど)
私のような考え方は「反出生主義」と呼ばれるのを知った
日本政府は"少子高齢化!"とかまびすしいが
狭い国土、稼ぎのいいのは少数の限られたポスト…
出生率が上がって、子どもがたくさん生まれてきたとしても、その子らに
充分に稼げて
穏やかに暮らしていける職場を用意してあげられない
…政治家のジジイどもの無策、ビジョンをみる先き見の能力の無さ、
…責任転嫁はたやすいが
でもさすがにこの歳になると
いまの日本を作り出した責任は一端は
私たちの世代にもあると思う
声をあげなかったから、
自分には関係ない、興味ない、と傍観していたから、
いつのまにかこんな事態になってしまった
映画の中に
老人ホーム(デイサービス?)で働く
フィリピン出身の外国人実習生らしき女性が
『お給料が15万円』って言ってた
たぶん手取り額
たぶん全国的にそんなもん(都内でも2〜3万円うわのせされるくらい)
以前見かけたマンション建設の現場でも
ガタイの良い中近東系の男性チームが入っていた
すでにこの国は
『合法的』な皮をかぶった『移民』が縁の下を支えてくれている
そしてそんな低賃金の仕事でも生命線の高齢者
この映画の主人公、倍賞千恵子演じる老女は
ホテルの清掃スタッフで生計立ててるけど
レイオフの後、夜間の交通整理員もやってる
でもさすがに身体的につらいと思われる…
周囲の同世代のようすを見て
で、ついに「プラン75」に申し込む…
プランについてくる
コールセンタースタッフ(演じる河合優実嬢、印象に残るキレイなコだなー)と毎日30分間のおしゃべりするシーン
あ、私この仕事したいわ!と思った
歳をとると話し相手がいないのが淋しくて犬猫を飼うのは男女問わず、
そして心身に健康的な影響があるけど、
もしも犬猫遺して亡くなるとその後が…
動物管理センターで"ドリームボックス"なる機械の中で二酸化炭素を充填されて息苦しい死に方をする犬猫
対して映画の中のプラン対象者は
麻酔系のガスを吸って
痛み、苦しさなく目覚めない眠りへ
この差…!
いや、こんなに身体的に苦痛なく死ねるならば
いま増えてる"死刑になりたいから犯罪を犯す"ような事件が減ると思うけど〜
(映画の中では「プラン65」へ段階的に年齢切り下げ案も出ていた
そんな事態になれば「全年齢対象」に変わるのもすぐだと思う)