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ギターと音楽に関する雑感

MICHAEL JACKSON Part4【歌え!マイケル INSTRUMENTAL VERSION COLLECTION】

2024-04-14 | 音楽

MICHAEL JACKSON Part4【歌え!マイケル INSTRUMENTAL VERSION COLLECTION】

 

マイケルの曲をカラオケで歌える、というフレコミで1988年の秋に発売されたコンピ。ミックスの表記は数種類あって、なぜか「THRILLER」収録曲にはコーラスが入っていて、「BAD」収録曲はコーラスもなく完全なインスト…かと思いきやBADには終盤で普通に声が残っている不思議な編集。バージョン違いの解説はアマゾンのレビューに細かく載っていますので、そちらを参照してください。

 

当時中学生だった私がこのアルバムとどう向き合ったか、その結果として洋楽と邦楽の違いを知るキッカケになったことを書いてみます。

 

うちの中学校では、給食の時間に校内放送で曲を流すことになっていて、「歌(Vocal)なし」「激しくないこと」という条件を満たせば、放送部員の判断で好きな曲を選ぶことができました。放送部にいた女子から使えそうな曲はないか?と相談されたので、マイケルに夢中だった僕はこのアルバムを渡しました。

 

「BILLIE JEAN」「THRILLER」「BAD」はVoが入っているので除外。間違いなく使えそうだったのは「MAN IN THE MIRROR」と「DIRTY DIANA」の2曲ということで、数日おきに何回か流してもらいました。初めて流した日は再生をストップすることを忘れて「ANOTHER PART OF ME」が流れてしまい、ド頭とキメのオーケストラヒットが派手だったせいか、担当の先生の基準を超えたらしく、職員室から放送室に「うるさい!」と駆け込みで怒鳴られたそうです。ごめんなさい。

 

邦楽でカラオケバージョン、もしくはインストになっている曲を聴いていると、イントロやリフがあり、そのリフが終わると「サン、ハイ!」で歌い始めて、バッキングは無くなるか単純になる。コード進行も変わる。場合によってはVoのガイドトーンがうっすら入ってる。それが当たり前と思ってました。

 

ところが洋楽を聴き始めたら、リフの上に歌が乗っかるタイプが多いことに気がつき始めて、それを明確に意識できたのがこのアルバムでした。自分自身で入りを確認してないと、どこで入っていいかわからない。それを意識しているのか、歌詞カードには丁寧にカウント数が書かれています。全部数える人なんていないでしょうけどね。

 

その後、特に高校時代は狂信的な「洋楽至上主義者」になってしまい、邦楽に一切興味を示さなくなりましたが、この根源的な理由はここにあると思っています。メロやリフの上に別のメロが重なる、この「バンドアンサンブル」が自分の好みのようでした。ヴォーカルが入ってなくても、インストで曲が成り立っているという感覚。

 

特に「THRILLER」「BAD」は、ベースのリフが、コードが変わっても展開してもサビまで同じということに気がついたときは、マイケルがいかにJames Brownと「FUNK」が好きであるか、ということを再認識しました。どう考えても、ワンコードのファンクなんて日本ではなかなか受け入れられないし、アメリカでも完全なポピュラリティを得ることは難しい。それでもファンク臭を残すのがかっこいい。

 

これは、どっちの優劣が…ということでは全くなく、もちろん洋楽だって歌が始まったらコードやリフが変わる曲もあるし、邦楽だってその逆もあります。あくまでも割合としての問題です。

 

ただ、例えばある人と話をしていて「洋楽が好きです」って言われて聞いてみると、邦楽的な展開の曲やそういう曲が多いアーティストが話題に上がることもあり、「あぁ、根本的には邦楽が好きなのね」って思ってしまう、ちょっと嫌な分析癖が。これは何度もあって、経験上ほぼ間違いありません。

 

重ねて言いますが、優劣ではありません。どんなものだって好きに聞けばいいんです。邦楽を見下していたのは見識が狭すぎた恥ずべき高校時代だけ。大学に入ったら様々な先輩から様々なジャンルの音楽を教えてもらい、洋邦問わず聴くこと、弾くこと、そのすべてに意義があると今は思っています。

 

さておき、マイケルは様々なジャンルを網羅しているような…いや、「MICHAEL JACKSON」というジャンルを確立した、なんて言われ方もしますが、その根底にはFUNKがあることを、このアルバムを聴けばよく認識できると思います。

 


第1話 MICHAEL JACKSON Part1 【グレイテスト・ヒッツ】
第2話 MICHAEL JACKSON Part2 【DANGEROUS WORLD TOUR IN JAPAN】
第3話 MICHAEL JACKSON Part3 【HIStory JAPAN TOUR 1996】


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