YAMAHA AG-STOMP
YAMAHAが放ったアコギ用プリアンプ+エフェクター「AG-STOMP」
2006年(たぶん…)に買ったので、長い付き合いになりました。
弾き語りをするようになった2004年に、ローランドのエレアコ用アンプ「AC-60」を調達して、Voマイクも差し込みこれだけで全部まかなえる様にしたのですが、路上でひとりのライブをすることもなく、しかもバンドを始めてからは音量バランスを取るの難しくなってきたので、DIかミキサーに直でつなげるためのプリアンプがあれば充分だと思うようになったのが、買う目的のひとつでした。
もうひとつの目的は音の改善。その時メインにしていたエレアコは、OVATIONのAl DiMeola Signature 1769 ADと、Elite Textured 1868T。ピエゾピックアップの「ピヨヨ~ン」という音を、アコギのナチュラルな音にするために何かいい方法はないかなーと思って。
「ピエゾ臭さを消す!」
という目的があったので、その当時売っていたL.R.BAGGSのPARA ACOUSTIC D.I.は除外。生音に近づけるエフェクトとしてFishmanのAura Sixteenも考えましたが、プリアンプとしてのイコライジング機能がなかったのでこちらも除外。候補は、BOSSのAD-8とYAMAHAのAG-STOMPに絞られました。
絞ったはいいものの、両者はモデリング、イコライザー、プリセット機能等々、個人的に必要と思う機能を満たしているので、どっちにしようか悩みました。違いはコーラスの有無、キャノン端子の有無というところ。ここは、正直どうでもイイし…。
ふと思い出したのが、シカオちゃんのライブドキュメンタリーの映像。買ったばかりのAG-STOMPを箱から出して使い始めたところが映像として残っているんです。個人的にシカオちゃんが好きだし、他にもプロのギタリストが何人も使っているし、AG-STOMPがイイかな~と思いが傾き始めました。
とはいえ、音を聞き比べないと判断できません。両方がショーケースに並んでいる店を地元で見つけられず、どうしようかと悩んでいたところ、地元のバーであるライブを観に行ったら、弾き語りで、AD-8を使っている人とAG-STOMPを使っている人、それぞれを聞くことが偶然できました。
お2人の演奏テクニックは甲乙つけられないくらいどちらもお上手。で、出音はというと…AG-STOMPの方がアコギのナチュラルな音をクリアに再現していました。
AD-8を使っている方も、AG-STOMPを使っている方に、「良い音ですね」と声をかけていたし、2人がどんなセッティングにしていたかはともかく、これはもうAG-STOMPしかないなと決断しました。
早速、高崎の新星堂ROCK INNに行って注文しようと思ったのですが、その時既にAG-STOMPは製造中止になっていて、入荷予定はないと言われてしまいました。でも、さすがは店長、他の店に在庫があるかどうかその場で確認してくれて、他県の店から取り寄せてくれました。間一髪です。
音作りには時間がかかりました。
理想は、聞こえている生音がそのまま大きくなった音。
まぁ、全く同じにはならずとも、イメージとしてどこまで近づけられるか? と思いながらイジリはじめました。
AC-60のAUXインプットに差し込んだ音を基本にして、アル・ディ・メオラモデルを使いまず初めにモデリングのマイクタイプとブレンド量を選びます。DIRECTとMICとブレンドできるコントロールは、ピエゾ臭さを消すにはMIC側に全開にした方がよさそう(じゃあブレンドじゃねーだろ!というツッコミは無しで)。
マイクタイプはダイナミックの1番がしっくりきました。 なんかね、一番癖がないように感じました。
リバーブとコーラスを、使ってないんじゃないかと思われるくらい極微量にかけてから、AC-60の通常インプットにつないだり、エレキアンプにつないだり、ヘッドフォンで聞いたり、そして何よりスタジオのミキサーにつないで音を出したり、それぞれ微妙に違うニュアンスの中でイコライザーをいじりながら、最適なすり合わせポジションを探し続けました。
アマチュアですからね、現場では準備時間も少ないし、DI、もしくはそこら辺にあるアンプに繋げて音が出たら、もうそれでGO!ってことがほとんどなので、どんな場面でもそれなりにいい音が出せるセッティングにこだわりました。
今現在使っているアコギ、前述のOVATION2本に、Gibson B-25(Fishman Rare Earth HUMを後付け)の3本分を、それぞれの生音に近いセッティングとして、3パターンプリセットしています。
ギターテクニックは下手なままだけど、幸いなことに、音に関しては「アコギ、いい音だね」「凄く生音っぽいね」と、ライブ後に声をかけてもらうことが多いです。足元を確認しにくる方もいらっしゃいます。それだけAG-STOMPの効果は絶大だと確信しています。
難があるとすれば、チューナーの視認性。これは非常に悪いです。でも慣れれば使えますよ。個人的にはライブでクリップチューナーを使いたくない性分なので、あるものは使うというスタンスです。
最近、ゴダンのエレアコに FishmanのAuraSpectrumDIをつなげてメチャクチャいい音を出している人と知り合いになり、ちょっと気持ちが揺れました。プリセット機能がないという点があるものの、音は抜群だったし、AG-STOMPよりも小さくて持ち運びも楽そう…。
でもその方は、ギターの講師をしているプロなので、そもそも私のような腕前の人間と比較できません。憧れは憧れでそっとおきましょうか。
群馬県内で今も続いているバントコンテスト「オヤジロッカー」と、今はなきフォークソングコンテスト「カバコン」というイベント、どちらでも使いました。
頼りになるヤツです。
壊れないで頑張ってくれよ!