We Want The FUNK

ギターと音楽に関する雑感

CROWTHER AUDIO HOT CAKE V2

2023-08-15 | 楽器

CROWTHER AUDIO HOT CAKE V2

 

HOTCAKEについて、一部の店やサイトでは「生産終了」とうたっていますが、ネットのショッピングサイトには「V2」なる商品名でトグルスイッチが2つあるのが売ってて、もっと細かく言うと同じ商品の中でV2と3KNOBの画像が交じりながら紹介されてた時期もあり、購入時の問い合わせで「どっちですか?」と聞いたこともあります。結果はV2が届きました。

約25年定期購読状態だったギターマガジンとプレイヤーの読者を2020年に卒業してしまっていたし…新商品紹介なんか全然見てなかったから、「V2」ってその間に紹介されていたのでしょうか。

 

そもそもHOTCAKEは3台持ってて、それはここに書いていたんですけど、店頭でさっぱり見なくなったから「ヤバいな」と思ってました。

好きとはいえ基本は「OLD CIRCUIT」さえあれば事足りるので、XLFの青い個体や77リイシュー、ダブルホットケーキを買うことはなかったのに、なんでこの「V2」なるシリーズを買ったのか? という理由は、まず情報がないので確かめたかったこと、それとルックスが良かったこと。私はホットケーキのルックスが好きなんですけど、さっき書いた青い個体や77リイシュー、加えてダブルのルックスがカッコいいと思えなくて。

エフェクターを選ぶ基準のひとつにルックスがあってもいいと思うんです。

パッケージ等にはどこにも「V2」なんて書かれてません。これ、ポールクラウザーさんが手がけた本物なのか…?

という疑問もありますが、ロゴも同じだし、恐るおそる裏ブタを開けると…、

これは本物でしょう。ニュージーランドの住所、電話番号、メールアドレスもきちんと書いてありますし、以前のと一致しています(住所は一度変わっているようです)。

情報のより所として、「THE EFFECTOR BOOK VOL.50」の記事にあるシリアルナンバーの見方(と考えられると書いてある)によれば、手書き数字の最初の2文字が西暦下二桁(Year)。ここまでは明らかなので、それ以降は私の推測を含みますが、その次の2文字が月(Month)、その次が月内の生産順番でしょうか。

となると、写真の左は「2022年3月生産の29台目」、右は「2023年5月生産の75台目」と読み取れます。

 

例えば上の「220329」は、考えようでは「2022年生産の329台目」と「03」「29」を切り分けずにトータルすることも可能は可能だと思います。かつてポールさんは「一日に10台の”Hot Cake”を作れるね」と言っていましたが、それが最大値であったとして月に10日作り続ければ、それで桁が増えてしまう…。ならば4桁の通し番号の方が妥当かと思います。

 

だけどなぜシリアルの真ん中を「月」と考えたかというと、

・私がネットで注文し届いた時期から考えてこの番号が月に近いこと(計2回)

・裏に貼ってあるシールには最初の4桁まで印刷されていること

を根拠としています。4桁の印刷は別に月でなくても理論上おかしくはありませんが、1カ月に1回印刷するという方が合理的な気がするんです。

月に100台を超えるかどうかは、シリーズによって順番を変えていれば問題ないかもしれません。かつての「STD」「OLD CIRCUIT」「3Knobs」のように。

 

もちろん種類によってこのナンバーを変えているのか、決定的な根拠はありませんが、過去のものを参照します。

上は私が99年に買ったOLD CIRCUIT。「1997年11月生産の49台目」でしょうか。DCジャックはありません。エフェクターブックで紹介された個体は「1999年7月生産の11台目」と読み取れますが、それにはDCジャックが付いています。

次に下は、同じくOLDでDCジャックあり。「2012年11月生産の22台目」と推測できます。

ただ、先に書いた通り、同じホットケーキにもオールドかどうか、3Knob(s)か、時期によってはXLFか、という種類の問題もあり、それをシリアルでどう区別していたのか分かりません。下は私が所有する3Knobで、同じ公式に当てはめれば「2003年4月生産の32台目」。

 

次に、YouTubeで見つけたポールさんのインタビュー動画から考察します。

翻訳の精度はおいといて、インタビューを受けたのはおそらく2016年か2017年と考えられます。

でも、手元でシリアルを見せているのは「0402B9」。ナンバーを読み上げたとき、間違いなく「ビー」と言っていたので、アルファベットも交じっています。

これはインタビューを受けたときの最新型ではありません。なぜなら、この時は既にリニューアルしていて、ノブが高くなり、色も変化していたからです。

これはインタビュー時にクルーが撮影したものと思われますが、左側にあるホットケーキのノブが高くなっています。しかしポールさんが持っているのは以前の低いもの。ちなみに右側の「Prunes&Custard」のノブは低いまま。比べるとよく分かります。

つまり「2004年2月生産のBの9台目」?

 

ここまではクラウザーオーディオ側でしか見てこなかったですが、そもそも日本での流通にはヒューマンギアの力があったはず。以前に店頭で売っているホットケーキは、下のようにヒューマンギアのお墨付きのシールが貼ってあり(97年製には無し)、取扱説明書も付いていました。

しかしV2なるものにはヒューマンギアの影が感じられません。シールもなければ説明書もなし。

実はネットで注文した「エフェクター○○○」という店に、とても不躾ながら問い合わせたところ、以下のとおり回答がありました(前段略)。

 

>現実にホットケーキは生産終了し、ポールクラウザーさんは
>引退をされたのでしょうか?

大変恐縮ですがこちらの質問について、当店では分かりかねます。

 

>また、今でもヒューマンギアさんのページには掲載がある
>ままですが、既にヒューマンギアさんでの取り引きはなく、
>各店が直接対応されていらっしゃるのでしょうか?

大変恐縮ですが他店様のことについて当店では分かりかねます。

 

…しかしV2が本物であれば、ポールクラウザーさんは引退していないでしょうし、ヒューマンギアの件はエフェクター○○○さんの取引で経由しているかどうか、なければないと答えてもらうだけでいいのですが。

取り引きしていながら、直接じゃないからなのか? 何もかも分からないそうです。答えられない事情があるのかもしれませんね。

 

参考にした文献は

The OVERDRIVE BOOK 2006年

The EFFECTOR BOOK Vol.50 2020年

です。

The EFFECTOR BOOK Vol.50で最初の紹介ページだけ見ると、とても購買意欲を駆り立てられるものではありませんが、ま、まぁ、これが弾かれた方の本音でしょう。特徴はつかんでますしね。それぞれの考えと思い入れ、好みがあって然るべき。後はセッティング。

 

で、本題に戻ると、どうやら

「ヒューマンギアでの取り扱いはなくなっているが、機種を絞って生産は続いている」

と考えるのが妥当かもしれません(2023年8月現在)。

 

 

一部で法外な値段も付いていますが、売ってるんです。で、適正な値段のサイトで実際に買ってみたんです。

誰か、お店の方、詳しい事情を知っていたら色々と教えてもらいたいです。

ちなみに購入した「V2」、音の話題を一切出していないのですが、それは私が一切プラグインしてないから。もちろんこれから弾こうとは思ってますが、2台のうち、デッドストックとして少なくとも1台は取っておきます。

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YAMAHA THR5 (V.2)

2020-02-09 | 楽器

YAMAHA THR5 (V.2)

練習用としてBOSSの「eBand JS-8」を使い始めたとき、どうしてもギターの出音に馴染めず、ヤマハに触手を伸ばしたところ大当たりでした。

AMP=CLEAN

GAIN=MAX

MASTER=MAX

TONE=MAX

EFFECT=MIN

DLY/REV=MIN

以前はHOTCAKEをつないでいましたが、このセッティングが僕の中では一番ハマりました。余裕でサラッと歪むセッティングではなく、フルアップがかっこいいです。自宅ですからもちろんVOLUMEはマックスにはできないものの、十分にハリのある音が出ます。このセッティングなら手元で音を下げればちょうどいいクリーンにもなります。

もちろん、練習したい内容によってAMPを変えることは当然ありです。ただ、EFFECTは何も期待しない方がいいです。そもそも練習には必要ないでしょう。ルックスもいいし、自宅練習用としては完璧だと思います。

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CROWTHER AUDIO HOT CAKE

2018-01-30 | 楽器

CROWTHER AUDIO HOT CAKE

3台。時の事情で増えてしまったのですが、それほどにHOTCAKEが好きです。

 

※2023年8月15日更新

続編「ホットケーキは生産終了したのか?

 

スイッチが「NORMAL/MID LIFT」だった頃の1999年に購入したOLD CIRCUITバージョンが、私にとっての初代。

HOT CAKEに興味を持ったキッカケは、リットーさんが出した「楽器館」というムックにあったオーバードライブ/ディストーション系のコンパクトエフェクターの紹介(95年12月号の再掲載)で、葛城さんが試奏したレビューが気になったのと、レイヴォーンの「テスティファイ1曲マスター」っていう教則ビデオで、確証ないんですけど、ichiroさんの足元にチラッと映ったのがどうもHOTCAKEに見えたことでした。

 

ここで葛城さんの95年当時のレビューを紹介します。

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結構低音が"ブブブブ"言うね。これはトーンがないんだけど、音色切り替えのスイッチ(ノーマルorミッド・リフト)が付いてて、それのノーマルのままでも、わりと低域がブーミーな特徴がある。でも高域はDODのオーバードライブとかと似たニュアンスで、意外と音程感はキッチリ出てくれるね。余計な倍音でギラギラしないから、比較的ブーミーな音色が好きな人向き? 6弦を弾いたときに"ブルンブルン"ってやりたい人にはいいだろうね。1弦の方に行った時のプレイのニュアンスはわりと細かく出るような気がする。

------------

ファズっぽいニュアンスのある歪みが好きだったので、それからずっと気になっていました。それとここでも書いてますが、B'zのSurviveツアーでメインで使われたブースターとしても気になる存在でした。

使ってみると、確かに低域にファズのニュアンスがある。似たようなものとして挙げられるBLACK CATのOD-1は、HOT CAKEに比べるとよりファズに近いかな。これも良かったんですけど、結果的にOD-1は売却してしまいました。

HOTCAKEは、DRIVEを上げると中音域にどんどん集約されてムンムンで暑苦しい音になりますが、上げすぎなければブライト感が残って、とても絶妙なクランチが作れます。

ギター側のボリュームを下げると、完全なクリーントーンが作れるのが素晴らしい。オーバードライブペダルの中には、ギター側のボリュームを下げても、弱くピッキングしても、高音域にシャリシャリした歪み感が残るものもありますが、こいつは、軽くなでるように弾けば歪まず、ガーンと弾けばきっちり歪みます。

この点に関してはBOSSのBD-2に近い。BD-2との違いは、ミドルのハリというか、音の密度がね、HOTCAKEの方が濃ゆい。

ミドルがあるのでHOTCAKEのことを「太い」と形容する人もいますが、当たっているようでなんか違うような。個人的にも太さが加わることに異論はないものの、例えばガバナーのように低域がボーンと太くなるのとは違います。なので、BASSを押し出して太くしたいという人は拍子抜けするかもしれません。

この音質を利用して、HOTCAKEをブースターとして使用するのもイイ。ハイがきつくならずスムーズに抜ける音になると思います。

いまメインで使っているテレキャスの場合、フロントで歪まないようにし、リアでクランチーに歪むセッティングにしています。バンドアンサンブルの中で、クリーントーンのバッキングで少し存在感を出したいときは、HOTCAKEをオンにするわけです。

ストラトの場合、フロントでボリューム全開にしている時にわずかに歪む程度。で、ある程度歪ませたい時に前段に置いたチューブスクリーマーでブーストします。最初からそこそこ歪ませたいと思うときもあるし、ギターとピックアップの出力によってつまみをいじったり、セッティングはその都度変わりますけどね。

チューブスクリーマーは数機種ありますが、どれを使ってもHOTCAKEとの相性は抜群。メインではST-01を使ってますが、TS9(私の所有物はトニー・ブルーノのモディファイもの)がイイかな~という気もします。HOTCAKEとチューブスクリーマーだけっていう時は、TS9DXで音のバリエーションを持たせるのも面白いと思います。ボードに入れている様子はこちらをご覧ください。

で、このTS系によるブーストですが、いわゆる「ドライブ最小」「レベル最大」にはせず、ちょっとだけドライブを上げた音を、これまたちょっとだけレベルを上げて送り出すというイメージです。こうすると、HOTCAKEのドライブを上げたときのようなムンムンな音にはならず、両方の歪みが加わって、理想的な音になります。主観ですが。

で、こんなブログを見つけました。

http://ippeichan.hatenablog.jp/entry/2017/06/04/201826

これはいい音!

良い面とイマイチの面を含めて、この方はHOTCAKEの特性を完璧に理解されているように思います。ここまで書かれているのは他には見たことがないです。僕が普段出している音よりも深い歪みですが、これも私にとって理想の音の一つです。

で、上のブログでも触れられていますが、HOTCAKEの特徴として、コードを弾いて音を伸ばした時「ジリジリ」という、高域の割れる音が入るんですけど、これを是とするかどうか、好みの分かれるところだと思います。

私は…大好きなんです。

昔、いわゆるラジカセのようなオーディオ機器にギターをプラグインして音量を上げたときのビリビリした音、ボーボーに割れる音、あの感じがわずかに再現されている!って思うんです。

 

さて、この辺から非常に表現しにくい領域に入ります。

誤解されるかもしれないし、言ってる意味が分からないと思われるかもしれませんが、あえて表現すると、HOTCAKEには、自分が理想とする数種の音が詰まっているんです。

一見普通のオーバードライブだし、でも低音弦ではファズっぽいし、テレのリアかレスポールを使えばツェッペリンの初期っぽく感じるし、ストラトとチューブスクリーマーで組み合わせればレイ・ヴォーンっぽくもなる。それと、上で紹介したブログのとおり、他のペダルとの組み合わせとセッティングによっては、松本さんのようにも聴こえる。

例えば、私は別記事でフルテンダーがレイ・ヴォーンっぽいって書いたのに、ホットケーキもそうなんかい? 矛盾してねーか? ともとられかねませんが、でも、レイ・ヴォーンって、時期や、曲によって音を変えてますから。

フェンダーアンプ自体を歪ませて(これがFULLTENDERの印象)TS10でブーストする時もあるし、ダンブルを使っていた時もある。更に、TS808を歪ませてTS9でブーストする時もどうやらあったらしい。確かにそんな感じの中音域の太さを感じるときもある。で、時にはファズフェイスだって踏むのだ。

こうした色んな音の、いわば最大公約数って感じなんです、HOTCAKEが。色んな音のイメージを内在しているようなニュアンス。ただ、これはあくまでも僕が好きな数種の音っていう意味なので、好みが違えば「なに言ってんのお前?」で終わるので、難しいところです。

ちなみに、私はクリーンにセットしたMarshallで鳴らしています。現在はDSL20Cを所有。元々は自宅のValvestateで音作りをしていたせいか、スタジオやライブハウスにある真空管のスタックでもコンボでも、Marshallが馴染みます。JCやフェンダーでは作った時の音の印象が変わってしまったり、コンプ感に違いを感じるので、気持ちが落ち着きません。Valvestateはパワーアンプ部に真空管を使ってませんが、それでも「あぁ、Marshallだな」って後から気づかされました。MGシリーズのことは良く分かりませんけど…。

 

最後に、3台の違いを。

上の写真が私にとっての初代。1999年購入。電源は電池のみ。なぜか穴が開いているのにフタがされている状態で、内部回路にも外部電源供給のプラグはないという仕様。増設できるようにしていたのでしょうか? スイッチはMID LIFTにしてます。NORMALはくぐもってしまい、個人的には使い道がありません。

ボードに固定せずに持ち運びしていたので、塗装のハゲがあちこちにあります。

 

上が3KNOB。トーンをつまみで微調整出来ることと、レベルが大きくなっているので使いやすいかもしれません。音質も若干違っていて、OLD CIRCUITに比べて若干ブーミーさが薄れています。あくまでも私のは。いや、あるんだけど薄くなってる。でも、音像自体が軽くなっているわけではなく、結構しっかりとしたコシと重心があるので、これはこれで汎用性は高まっていると思います。それと、表記はNORMAL/MID LIFTからPRESENCEに変わっています。

3KNOBを買った理由は、ボードを組む都合で外部電源供給のできるものが欲しくなったということと、可変トーンがどないなもんだ?と試したくなったためです。PRESENCEつまみの位置は、だいたい2時~3時程度で、少し上げ目にしています。

それと、どうやら3KNOBには、内部のスイッチで音色を変えられるものもあるらしいですが、私の持っているものはそうした仕様になる前だったせいか、そもそもそういう仕様だったのかは分かりませんが、音色切り替えのスイッチはありません。上の写真が内部で、切り替えできる機種はスイッチが上部にあるようなのですが、見ての通り私のにはありません。

ケースや説明書にも音質変化の記載は無し。今売ってるのは「3KNOBS」と、末尾にSが付いているようなので、そこがリニューアルの境目でしょうか?

 

で、3台目のOLD CIRCUITは、レベルが少しだけ大きくなっているようですが、音質は初代とほとんど変わらず。低音が若干スッキリしているかな? でもブラインドテストしたら分からないでしょう。買った理由は、ガリがひどくなった3KNOBを修理に出した時にさみしくなっての衝動買い。なにせルックスがカッコ良くなってたので。ケースの形状とノブの高さが変わり、全体の色が白くなったんです。はた目からすると微妙な差でしょうが、個人的には大きい差! 3台目を買うとき、店員さん同士が「カッコいいよね~」と言ってましたが、まさにその通り。

今まで、いくつものペダルを買い、そして売るということを繰り返していましたが、HOTCAKEは一生ものです。

で、3台も持っていて、中古も良く見るようにしているのに、

この、いまだにHUMAN GEARのページに載り続けている個体、というかこの時期(?)の、角ばったケースのタイプを見たことがないんです。これは謎。中古で出たらコレクションとして買ってしまいそうです…。

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BOSS OD-3 Over Drive

2017-10-09 | 楽器

BOSS OD-3 Over Drive

実は先日買ったDS-1を使いこなせなくて悩みまくった挙句、97年の発売開始と同時に購入し、10年前に手放し、そして今、もう一度試してみようと思って買ったのがこのOD-3です。

OD-3って、前に持ってた時から不思議な感じがしていました。自分の感情の起伏なのかどうなのか「イイじゃんこれ!」って思う時もあれば、「なんかつまらないな」と思う時もあり、HOTCAKEとTUBE SCREAMER数種で満足して、増えてしまったエフェクターを整理することにした時に売ってしまいました。

で、今年、あるバンド用にDS-1をメインの歪みにしようと使い始めましたが、いまいち馴染めなかったことがキッカケになり、もしかして今OD-3を使ったら気に入るんじゃないだろうかなーと再び触手を伸ばしたら、大当たり!

ブースターとしてもイイんですけど、これはメインの歪みとして使うのが面白そうです。質感としては、BD-2と明らかに違います。音像全体がハイ寄りで、ドライブを上げるとディストーションとも呼べるくらい歪むBD-2に比べて、OD-3は、倍音はキレイに出るけどハイ全体がきつくはならずロー寄りで、歪みは波形がスパッと切り取られためちゃくちゃ歪むタイプではなく、目の細かい粘りのある音が特徴。特徴といっても、独特な音色かといわれるとそうではなく、目立つタイプではないかもしれません。

つまりそれこそが、この機種の独自性なのかも。

色々試した結果、これに戻ってしまったという人もいるんじゃないでしょうか? 決して僕だけではないと思います。

97年に買った個体、残しておけばよかったなー。後悔してます。

しかし、知恩院の空気を吸ったDS-1を外すことは考えられず、OD-3の前にDS-1を接続しブースターとして使うことにしました。いわゆるディストーション系エフェクターをメインの歪みにすることをしてこなかった僕には、このセッティングで落ち着きました。

メインバンド用とブルースセッション用に加え、これで3つ目のボードが出来上がってしまいました。そんなに必要ないんじゃないの?という気持ちがありつつも、DS-1→OD-3→CE-5と全てボスで固めたボードは、歌謡曲もハードロックもイケる汎用性の高い代物で使い勝手が良いと思います。

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Fender 50th Anniversary American Deluxe Stratocaster

2017-06-19 | 楽器
Fender 50th Anniversary American Deluxe Stratocaster
 
ソコソコの本数のギターを持っていてもコレクターではないと言い続けている私ですが、こればかりはコレクター意識があったと認めざるを得ない代物、それが、
Fender 50th Anniversary American Deluxe Stratocaster
です。
 
 
 
50という区切りの良さ、そしてゴールドパーツなのに落ち着きが感じられるルックスに、これは買っときたいなと物欲全開になったわけです。
 
それは2004年のこと。その後ちょっとだけ増えますが、当初発表されたラインナップは以下3つでした。
 
Fender Custom Shop Masterbuilt 50th Anniversary 1954 Stratocaster
Fender 50th Anniversary American Deluxe Stratocaster
Fender 50th Anniversary American Stratocaster
 
この時に作られた54年製の復刻版は、アッシュの木目がどれも大きくツートーンサンバーストの色が深かったので、かなりの威厳がありました。売価は70万円以上。こちらは私にとっては対象外でした。
 
発売前に予約してから購入したギターは、いまのところこいつだけ。実物を手に取らない限り絶対に買わない主義の私が、この時だけは「予約」という賭けに出たわけです。
 
Deluxeはボディがアルダーで、アッシュより木目はひかえ目。アッシュの柄が好きな僕は、アルダーであることを認識しつつ、新星堂ロックイン高崎店の店長に、
「取り寄せてください。必ず買いますから」
「そのかわり、木目がカッコイイものを選んでください!」
という無茶振りをしました。当時しょっちゅう通っていた高崎のロックインで買いたかったし、あちこちの店に行って選ぼうとも思っていませんでしたから。
 
そして待つこと1か月、ついに販売開始となりました。店長の第一声は、
「イイのを入荷したよ。絶対に気に入ると思うからすぐ来て!」
と、自信満々。
 
見てみたら、確かに完璧なルックスでした。アルダーだと木目がほとんどないような場合があるものの、これはきれいに木目が浮き出ていました。
 
 
ネックは少し平べったいので、程々に太いのが好きな僕の好みとは違いましたが、そんなに気になるほどではありません。ミディアムジャンボタイプのフレットは、エッジがすごく丁寧に仕上げられていたので、握ったときの引っかかり感が全くありませんでした。
 
当時のデラックスシリーズやベックモデルと同じようにネックとボディのジョイント部分が一部カットされていて、この点でもプレヤビリディが高い。ボディのコンターは、普通のストラトに比べてなだらかなので、ちょっとした部分ですけど高級感が感じられます。
 
 
そして各所のゴールドパーツ…見れば見るほど酒を飲みたくなります。こいつを傍らに置いてバーボンを煽るなんて最高でしょう(してませんけど)。
 
 
僕はほとんどのギターをどこかしら改造してしまう傾向があります。フレット、ピックアップ、ペグの交換、モノによってはリフィニッシュもしてしまうくらい。よって、オリジナルの状態で残っているギターなんてほとんどないのですが、こいつだけは全てオリジナルスペックのままです(弦以外は)。
 
 
2004年は、僕が人前で弾き語りを始めた年でした。大学を卒業してからそれまでの数年は、バンドを組んでなく弾き語りもしない状態。その一方でギターは増えていきましたが、そんな時に前橋のヘブンヘルというお店に行くようになり、そこで知り合った方々との交流を通じて、徐々に音楽活動をし始めました。
 
そして2006年、ヘブンヘルで知り合った方と一緒にデュオを結成して、このギターでなんちゃってジャズをやり始めました。「なんちゃって」とは、あくまでも僕のことであって、相方であり先輩は、ジョーパスをきっちり弾ける凄腕ギタリスト兼美容師なんですが。
 
この時が、社会人になってから最もギターの練習に打ち込んだ日々だったかもしれません。そもそも、相方さんがその頃ジプシージャズに傾倒していて、「ジャンゴをコピーしたいけど1人じゃできないから一緒に演ろう」という呼びかけに応じて始まったんです。
 
ジャンゴのマイナースウィングを題材に、相方さんは1937年、私は1947年のソロをそれぞれコピーし、ギター2本で聞かせられるようにすり合わせをしました。他にスタンダードナンバーも練習したので、そのコードを覚えること、スケールを覚えること、そして何よりジャンゴのフレーズを覚えることにシャカリキになっていました。週に1度、当時経営されていた美容室に私が伺って練習していましたが、個人的にも、仕事を終えてからひとりでスタジオに籠り、ひたすらスケールと運指の練習を繰り返していました。
 
その時に選んだギターがこのストラト。ジャンゴの音とは違うということは承知の上ですが、スタンダードでジャズを演るなら、イメージとしてはボディ=ホロウ、指板=ローズ、ピックアップ=ハムが定番。これはその対極に位置するボディ=ソリッド、指板=メイプル、ピックアップ=シングル。
 
なのになぜ?という話ですが、そもそもマグネットPUのついたハコモノを持ってなく、98年製レスポールは椅子に座って弾くときに違和感があったという現実的な理由もありました。
 
ただ、幸いなことにSCN(サマリウム・コバルト・ノイズレス)というピックアップが適度な太さを持っていて、フロントでS-1スイッチをオンにするとさらにその傾向が強まり、音としても個人的に納得できました。
 
それと、フラット&ワイドの指板と少し平べったいネックは、クラシックフォームで運指をするのにすごく適していて、しかも1弦と6弦の弦落ちの心配がほとんどなく、他に所有するストラトよりもジャズに向いていると感じたんです。

そのコンビでの活動が終わり、その後に参加したバンドでは、僕自身の立ち位置がVo/Guitarとなって以降、出番が少なくなってしまいました。リードギター担当者のストラト率が非常に高いので、僕はもっぱらテレかレスポールです。
 
それでも結構な割合で持ち出すことはあり、ここ数年は、同級生でプロギタリストの加茂フミヨシ君が地元に帰ってきた時にセッションで貸すことが定番になりました。加茂君に弾いてもらえて、こいつも喜んでるだろうなー。 
 
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大村憲司さんとDS-1と知恩院

2017-05-11 | 楽器

大村憲司さんとDS-1と知恩院

最近になって毎日のように大村憲司さんのギターの音を聴いているのですが、最初に意識したのは、とんねるずの番組に井上陽水さんが出ていた時。新曲だった「フィクション」を歌っている陽水さんのバックでギターを弾いていたのが憲司さんでした。

音も良かったし…細かいテクニック的なことは当時全く分からなかったんですけど、すごい人だなーと思っていました。それと、学生時代に先輩から聴かせてもらったライディーンのライブで、カッコイイギターソロを弾いていたのも憲司さん。お亡くなりになられて、ギターマガジンで特集が組まれたとき、そうか、あの時のギターソロは大村憲司さんだったんだ!と後から気が付きました。

そんな憲司さんを偲び、先日、京都の知恩院に行ってきました。

地元の楽器店「JEUGIA」さんでDS-1を購入してから、志納所に行って話をしてみたところ、確かに納骨堂に憲司さんがいらっしゃるということが確認できたので、すぐに納骨堂に行き、購入したばかりのDS-1を供え、手を合わせました。

BOSSのSD-1とDS-1は、今まで購入したこともなければ試奏したこともなかったので、まさか今になって憲司さんの影響でエフェクターを買ってしまうなんて、なんとも不思議な感じがします。単に僕の反応が遅かったってことかな?

メインのバンドで使っているボードは、4年前にほぼ完成形になったので、そこには組み込まず、別バンドで使ってみたいと思っています。90年代の憲司さんは、メインの歪みとしてMarshallのGuv'norもしくはDrive Masterを使い、後段ブースターとしてDS-1を使っていたようですが、そこまではちょっと…ガバナーはリイシューを20年前に持っていたけど売ってしまったし…ということで、個人的にはずせないHOTCAKEと、ご無沙汰だったCE-5を並べ、更にミッドブースト付クラプトンモデル“モドキ”のST54-95LSで組み合わせることにしました。

僕は憲司さんのように弾くことはできませんけど、憧れとして使わせてください。

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Pedal Board

2017-02-26 | 楽器
Pedal Board
 
このエフェクターボード(ペダルボード)は、バンドに参加することが増え始めた頃に、個々のペダルをライブ時につなぎ合わせる時間を省く目的で作りました。
 
 
ブースターとして使っているMaxon ST-01は、時にTS9(トニーブルーノモディファイ)かTS808(2003年リイシュー)か、Maxon ST9pro+に代わることもありますが、結局ST-01を使う頻度が高いです。
 
ST-01は、伝説的なIbanez ST9と同じ回路ということで、そこへのあこがれから2002年にネットオークションで落札したものです。まったくの未使用で、包むビニールもMAXONのステッカーもキレイ残っていた奇跡のデッドストックでした。
 
 
ただまあ、これには賛否があるみたいです。悪い評としては「固く冷たい」「シャーシャーしてる」などなど。しかも、この機種のミッドブーストは分かりにくくて、右に回すほど「TIGHT」左に回すほど「FAT」と、普通のミドルつまみと逆になっています。コンツァーつまみと似ているかもしれません。
 
私はこれをメインの歪みにしようとは思わず、あくまでもブースターと考えています。音がスイっと前に出て抜けてくるし、なおかつ、MIDを若干TIGHT寄りにしてシングルコイルのフロントピックアップを使ったときの「コーン!」感が手軽に作れるのが好きで、DRIVE=8時、LEVEL=12~13時、MIDBOOST=13時、TONE=12時というセッティングです。
 
ただ一般的には、TS-808で中音域を太くまろやかにブーストするのが「良い音」と考える人が多いと思いますし、私もそれに異論はないので、先述した通り入れ替えることもあります。
 
HOTCAKEは、まだスイッチが「NORMAL/MIDLIFT」だった99年に、アダプタージャックなしの電池駆動のみのOLD CIRCUITバージョンを買ったのが最初。DRIVEを上げると中音域にどんどん集約されてムンムンムチムチになって行きますが、上げすぎなければブライト感が残って、とても絶妙なクランチが作れます。
 
今ボードに入れているのは、同じOLDCIRCUITバージョンですが、アダプタージャックありです。同じ音でジャック付きが欲しかったので入れ替えました。でも実はこれが3台目
 
 
こいつの利点は、ギター側のボリュームを下げると、完全なクリーントーンが作れること。この点に関しては、イメージとしてBOSSのBD-2に近い。オーバードライブペダルの中には、ギター側のボリュームを下げても、弱くピッキングしても、高音域にシャリシャリした歪み感が残るものもありますが(ST-01がまさにそう)、こいつは、軽くなでるように弾けば歪まず、ガーンと弾けばきっちり歪む。そして僅かにブーミーさがあります。これがイイんです。
 
HOTCAKEのセッティングは、テレキャスのフロントか並列ハーフトーンにした時にギリギリ歪まないようにし、リアか直列ハーフトーンにした時にクランチーに歪むようにしています。バンドアンサンブルの中で、クリーントーンのバッキングで少し存在感を出したいときは、HOTCAKEをオンにするわけです。
 
現状、私はVocalがメインで、ギターソロはほとんど弾かない(弾けない)のですが、曲の核となるリフやメロディーを弾くことはあるので、部分的にST-01を踏みます。歪み感をプラスして抜けをよくするというニュアンスです。
 
 
次にFulltender。これに関してはこちらで紹介しているので、HOTCAKEとの使い分けを書いてみます。
 
 
フルテンダーは、歪みのきめが細かくて音の密度が高く、ちょっとハイ寄りの音が欲しい時に使います。対してHOTCAKEは、重心を中域に寄せたい時に使います。
 
バンドでは斉藤和義さんの曲をコピーしていますので、それで例えてみると、フルテンダーは「歩いて帰ろう」のコードリフと裏拍カッティング(テレキャスリア)、「ポストにマヨネーズ」のバッキング全般(テレキャスフロント)。
 
HOTCAKEは「ずっと好きだった」のボトムリフ(テレキャスリア)と「やさしくなりたい」のバッキング全般(テレキャスリア)。
 
と書けば伝わるでしょうか? 曲をご存じないとなんのこっちゃ分からんかもしれませんけど。
 
BOSSのTU-2は、発売当初に買ってからそのまま。壊れないのでTU-3に乗り換えることもありません。
 
 
BOSSのDD-5にも不満はないので、DD-6~DD-7が出ても乗り換えませんでした。歪み系に比べて空間系には大したこだわりもないし、エコーやリヴァーブ的に残響音を鳴らすわけではなく、フットスイッチを使っての付点8分ディレイでしか使わないので、本体が壊れない限りは使い続けるでしょう。私の学生時代、コンパクトディレイの最高峰はDD-5でした。いまだにその憧憬が残っています。
 
配線は全て直列で、見ての通りラインセレクターもスイッチャーもありません。もっとシンプルにしたい気持ちもありますが、今まで書いてきた通り、現状のバンド活動の中ではそれぞれの役割があるので減らしにくい状況です。
 
パッチケーブルは、DD-5とフットスイッチの接続以外は、すべてCAJのKLOTZタイプに変えました。電源供給は、最初にボードを組んだ時はBOSSのPSAを5つに分岐したコードでつないでいましたが、ノイズ低減を目的にCAJのAC/DC STATIONに変えました。ホントにノイズが減ったのかどうかはいまいち実感しにくいですが…相対的には改善された(でしょう)。
 
ボードにはマジックテープで貼り付けていますが、それだけだとすぐに外れてしまうので、硬いスポンジボードをギッチリ敷き詰めて、使っているエフェクターの形に切り抜いて当てはめています。スポンジボードも、切り抜いてない部分にマジックテープを貼り固定もしています。誰に教えてもらったわけではないですが、これしか方法が思い当たりませんでした。
 
メインの歪みとして鎮座ましているフルテンダー。これに至るまでにはしばらく時間がかかりました。最初はこの場所にt.c.electronicのVPD1 を置いていましたが、いま一つ迫力に欠ける気がしてしまい、次にFULLTONEのOCDに変えました。
 
約5年前の中心部はこんな感じでした。
 
OCDにしてからはしばらく使っていました。とにかくOCDはスムーズに音が伸びるし、立ち上がりは早いし、ヌケもいい。売れてる製品はそれなりに理由があり、今も素晴らしいペダルだと思ってます。ただ、フルテンダーを買ってみたら気に入ってしまい、後ろ髪をひかれつつも変更となったわけです。
 
速いパッセージのソロをガンガン弾く人には、断然OCDが良い。ガシガシとバッキングをするならフルテンダーが良い、という個人的印象。細かいことは別の機会に書こうと思います。
 
3つ同時にONにすることはなく、ST-01だけオンにすることもないですが、それ以外はあり。メインのバンドとして必要な機能を満たしています。
 
けど、セッションなら、手前の小さいので充分ですわな…。
 
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YAMAHA AG-STOMP

2016-05-15 | 楽器

YAMAHA AG-STOMP

YAMAHAが放ったアコギ用プリアンプ+エフェクター「AG-STOMP」


 
2006年(たぶん…)に買ったので、長い付き合いになりました。
 
弾き語りをするようになった2004年に、ローランドのエレアコ用アンプ「AC-60」を調達して、Voマイクも差し込みこれだけで全部まかなえる様にしたのですが、路上でひとりのライブをすることもなく、しかもバンドを始めてからは音量バランスを取るの難しくなってきたので、DIかミキサーに直でつなげるためのプリアンプがあれば充分だと思うようになったのが、買う目的のひとつでした。
 
もうひとつの目的は音の改善。その時メインにしていたエレアコは、OVATIONのAl DiMeola Signature 1769 ADと、Elite Textured 1868T。ピエゾピックアップの「ピヨヨ~ン」という音を、アコギのナチュラルな音にするために何かいい方法はないかなーと思って。

 

「ピエゾ臭さを消す!」
 
という目的があったので、その当時売っていたL.R.BAGGSのPARA ACOUSTIC D.I.は除外。生音に近づけるエフェクトとしてFishmanのAura Sixteenも考えましたが、プリアンプとしてのイコライジング機能がなかったのでこちらも除外。候補は、BOSSのAD-8とYAMAHAのAG-STOMPに絞られました。
 
絞ったはいいものの、両者はモデリング、イコライザー、プリセット機能等々、個人的に必要と思う機能を満たしているので、どっちにしようか悩みました。違いはコーラスの有無、キャノン端子の有無というところ。ここは、正直どうでもイイし…。
 
ふと思い出したのが、シカオちゃんのライブドキュメンタリーの映像。買ったばかりのAG-STOMPを箱から出して使い始めたところが映像として残っているんです。個人的にシカオちゃんが好きだし、他にもプロのギタリストが何人も使っているし、AG-STOMPがイイかな~と思いが傾き始めました。
 
とはいえ、音を聞き比べないと判断できません。両方がショーケースに並んでいる店を地元で見つけられず、どうしようかと悩んでいたところ、地元のバーであるライブを観に行ったら、弾き語りで、AD-8を使っている人とAG-STOMPを使っている人、それぞれを聞くことが偶然できました。
 
お2人の演奏テクニックは甲乙つけられないくらいどちらもお上手。で、出音はというと…AG-STOMPの方がアコギのナチュラルな音をクリアに再現していました。
 
AD-8を使っている方も、AG-STOMPを使っている方に、「良い音ですね」と声をかけていたし、2人がどんなセッティングにしていたかはともかく、これはもうAG-STOMPしかないなと決断しました。
 
早速、高崎の新星堂ROCK INNに行って注文しようと思ったのですが、その時既にAG-STOMPは製造中止になっていて、入荷予定はないと言われてしまいました。でも、さすがは店長、他の店に在庫があるかどうかその場で確認してくれて、他県の店から取り寄せてくれました。間一髪です。

Player ON-LINE 

音作りには時間がかかりました。

理想は、聞こえている生音がそのまま大きくなった音。

まぁ、全く同じにはならずとも、イメージとしてどこまで近づけられるか? と思いながらイジリはじめました。

AC-60のAUXインプットに差し込んだ音を基本にして、アル・ディ・メオラモデルを使いまず初めにモデリングのマイクタイプとブレンド量を選びます。DIRECTとMICとブレンドできるコントロールは、ピエゾ臭さを消すにはMIC側に全開にした方がよさそう(じゃあブレンドじゃねーだろ!というツッコミは無しで)。

マイクタイプはダイナミックの1番がしっくりきました。 なんかね、一番癖がないように感じました。

リバーブとコーラスを、使ってないんじゃないかと思われるくらい極微量にかけてから、AC-60の通常インプットにつないだり、エレキアンプにつないだり、ヘッドフォンで聞いたり、そして何よりスタジオのミキサーにつないで音を出したり、それぞれ微妙に違うニュアンスの中でイコライザーをいじりながら、最適なすり合わせポジションを探し続けました。

アマチュアですからね、現場では準備時間も少ないし、DI、もしくはそこら辺にあるアンプに繋げて音が出たら、もうそれでGO!ってことがほとんどなので、どんな場面でもそれなりにいい音が出せるセッティングにこだわりました。

今現在使っているアコギ、前述のOVATION2本に、Gibson B-25(Fishman Rare Earth HUMを後付け)の3本分を、それぞれの生音に近いセッティングとして、3パターンプリセットしています。
 
ギターテクニックは下手なままだけど、幸いなことに、音に関しては「アコギ、いい音だね」「凄く生音っぽいね」と、ライブ後に声をかけてもらうことが多いです。足元を確認しにくる方もいらっしゃいます。それだけAG-STOMPの効果は絶大だと確信しています。

難があるとすれば、チューナーの視認性。これは非常に悪いです。でも慣れれば使えますよ。個人的にはライブでクリップチューナーを使いたくない性分なので、あるものは使うというスタンスです。

 

最近、ゴダンのエレアコに FishmanのAuraSpectrumDIをつなげてメチャクチャいい音を出している人と知り合いになり、ちょっと気持ちが揺れました。プリセット機能がないという点があるものの、音は抜群だったし、AG-STOMPよりも小さくて持ち運びも楽そう…。
 
でもその方は、ギターの講師をしているプロなので、そもそも私のような腕前の人間と比較できません。憧れは憧れでそっとおきましょうか。

 

群馬県内で今も続いているバントコンテスト「オヤジロッカー」と、今はなきフォークソングコンテスト「カバコン」というイベント、どちらでも使いました。
 
頼りになるヤツです。
 
壊れないで頑張ってくれよ!

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Fender Japan ST54-95LS

2013-03-31 | 楽器

Fender Japan ST54-95LS

エレキギターのリフィニッシュを去年しました。

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めんどくさいことは承知の上で、どうしても自分でやってみたかったのですけど、人にはお勧めできません。きちんとした設備とノウハウを持ったリペアショップにお願いするのが断然いいと思います。

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Fender Japan ST54-95LS は、USAクラプトンモデルと同じゴールドレースセンサー(当時)にミッドブーストサーキットを掲載したモデルで、色々と仕様の違いはあるものの、遠目に見れば充分にクラプトンモデルに見えます。ただ、誤解なきよう。これはクラプトン仕様を流用しただけで、ヘッドにクラプトンのサインもなければ、製品名にも名は冠していないので、クラプトンモデルではありません

97年3月に石橋渋谷の中古フロアで、ほとんど弾かれた形跡のない状態で売っていたのを買いました。

その前に、クラプトン仕様のモデルが欲しいと思ったキッカケが下の広告。

0012_3

この広告、ギターマガジンでは、

「神に選ばれた白は、ブルースに染まる」

というキャッチフレーズもついていて、そりゃカッコよく見えました。

とはいえ、当時学生だった僕はUSAモデルを買える余裕もなく、黒でもイイと、中古のジャパン製クラプトンモデル「モドキ」に飛びついたわけです。

0002_4ネックには「MADE IN JAPAN」とあり、97年中に「Crafted in Japan」に変更されているので、これはフジゲン製と考えられます。シリアルナンバーから察すると、Nからはじまるのは1993年~94年製だそうです。

http://www.fenderjapan.co.jp/support.html

サポートのページに記載があったので、(ほぼ)間違いないでしょう。

塗装はポリエステルで、それをどうしてもはがしたかったことと、何年も納戸にしまいこんでいたので、復活させたいと思ったのが、リフィニッシュの動機でした。

まずはパーツをすべて取り外し、塗装をはがすところから始めるわけですが、ネットで自前リフィニッシュをした方の報告を見ると、アイロンやドライヤーで熱してはがす方や、ヤスリでガリガリ削る方もいましたけど、僕は皮スキでパリパリとはがすことにしました。

それが、やり始めたらどうにもこうにも始末が悪すぎて困りました。ボディからはがれた破片は硬いし鋭利だし、部屋中のあちこちに飛び散ってしまいます。ラップで保護しながら進めても気休め程度だったので、後で掃除を徹底することにし、マスクを装着して小部屋に籠ることにしました。

0003 0013_2

惨状。かといって、もう止められません。泣きたくなる気持ちをグッとこらえて、ひたすらパリパリはがしていきます。キャビティ内以外をはがしたところで力尽きました。

0005_4 0006_4

一週間後、キャビティ内の塗装はがしにチャレンジするも、今度は今度でまた大変。表面のようにシーラーで平らにしてあるところと違い、きちんと整地されてないところに塗装が乗っているから、こびりついててはがれにくいんです。皮スキでガリガリするもほとんど意味がなかったので、サンドペーパーでゴシゴシと削る作業に変更しました。

0007けど、全部取りきると大きさも変わってしまいそうだったので、程いい所でケリをつけました。その余勢で、全体を覆っていたシーラーをサンドペーパーで落としていきます。

もう部屋の中で出来る作業ではないので、新聞紙をひいて外でゴシゴシ、ゴシゴシ・・・。

夏だったせいもあり汗だくになりながら、でも汗はボディに落とさないように慎重に進めます。この作業中は、もはや写真を撮る余裕などありません。

こうして、ようやく塗装を待つ状態になったので、マスキングテープでぐるぐる巻きにしたネックを取り付けました。

下地処理は、塗装を木が吸いこむことを防ぐためのプライマーだけにしようと思っていたので、ラッカーのプライマーを吹いて待ちます。液がダマにならないように薄く塗り、10分おいてまた薄く塗り・・・を繰り返し、1週間陰干しします。

ただ、ラッカーは硬化してしまえば無害らしいのですが、揮発成分は体に悪いみたいなので、陰干しするにも換気が必須です。

 

完全に硬化したら、少し荒目のペーパーで表面を撫でるように擦ります。これで塗装ノリをよくするわけです。

0009色は、出来るだけ黄ばまないホワイトにしたかったので、ラッカーではなくウレタンにしました。

ラッカーでの表面仕上げは、時間をかけて何回も吹かなければならず、更にクリアをその上から同じように吹いて・・・という作業が必要になります。

この作業には、時間的、身体的、いろんな意味で不安を覚えたので、吹くのはウレタンで1日限定! と決め込んでいたんです。

ネットで調べると、ウレタンスプレーの強靱さが良い意味で書かれていました。あまりに硬すぎて鳴りを阻害するのでは? とも思いましたが、クリアーを吹かないですし、一発で薄く仕上げれば問題ないだろうと、迷いはありませんでした。

初めてのウレタンスプレー吹き!

ラッカーと同じく、慎重に薄く重ね塗りをします。

何度かやっていると、玉が出来るところもありますが、そもそも売り物として考えてないし、サンディングシーラーの工程を外しているんだし、表面がボコボコになるのは承知の上です。

表面が全て白で覆われたら、1時間ほど待ちます。

その後、段差があって少し不安なところにはもう一度軽く吹いてからストップ。薄くてけっこう。そして1晩寝かせます。

0010翌日、完全硬化する前の段階で、水を含ませたスポンジヤスリで磨きます。

3日後、においがなくなり、完全硬化したようなので、コンパウンドで磨くことにしました。

つるっとした感触でツヤは出ますが、サンディングシーラーの工程を外しているから、いかんせん表面は木の凹凸がはっきり見えます。でもいいんです。

ネックは、塗装がシーラーだけのようなので、スポンジヤスリで撫でるように擦ったら、見事にマット仕上げが復活しました。

下地が出ない程度に削って終了です。

そして組み上げに入ります。

パーツは、一部で線をぶった切っていたので、仮結びをして、金具でピックアップをコツコツ叩き、音が出るかどうか試してみました。

すると、フロントピックアップから音が出ないことが判明。いろいろ原因はあるかもしれないけど・・・配線を間違ったか、セレクターの接点不良か?

悩んでもらちがあかなかったので、リペアショップに持ち込んだところ、店長から、「ピックアップ自体が死んでるよ」と言われて呆然。セレクターの問題では無かったのね・・・。

----------------------------

【追記】

導電処理を全くしていなかったのでノイズが気になり始め、再びリペアショップに持ち込んで、配線も含め全チェックをしてもらったら、フロントピックアップは生きてました。でも、治してもらった後もピックアップ位置は以下のままにしています。

----------------------------

しょうがないので、普通に配線をしてもらい、後でセンターとフロントの位置を入れ替えました。セレクターをセンターポジションにしたときにフロントが鳴り、センターとリアのハーフトーンのポジションで、フロントとリアのハーフトーンになります。

これはこれでいいかな。ハーフトーンは絶妙なコンプ感があっていい味出してます。

肝心の生音は・・・大きい!Dscn0240_2

これまで抑圧されていた、特に4弦・5弦の音が元気に鳴っています。

コードの響きも抜群。ローコードのA7が気持ちイイです。

でも、元々このギターは、3弦4フレの「B」を弾くと、ビビっているわけではないのに倍音が強く出て、遅れて出るピッキングハーモニクスみたいな魅力的な鳴りがあったのですが、それが無くなりました。なんか、少しさみしいですけど、仕方ないですね。

 

仕上がって半年、さすがにウレタンというべきか、なかなか強靭で、はがれることはないです。

何年も経ったらどうなるかなんてわかりませんが、それもこれも全部アジです。

学生時代から慣れ親しんでいたギターのせいか、ネックの握りが一番好きなので、これから出番が増えそうな気がします。ミッドブーストも便利ですし。

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Price Guide

2012-12-09 | 楽器

数か月前に見たニュースでは、2011年は輸入エレキギターの本数が過去最高になったとか。前田敦子が持っていたギターの人気、「けいおん!」の影響、などなど。でもこれは廉価版の話で、安くても品質のいいものが増えているということは良いと思うんですが、本丸は高くなっています。

モノによって誤差はあり、仕様変更も微妙にあるので完璧な比較ではないですが、平均的な値段、そして手元で分かる範囲で書いてみます。なので、もっと高い(安い)モノもあるぞ!っていう個体でのツッコミはご遠慮願います。

Fender Custom Shop '60 Stratocaster N.O.S.
 2000年=230,000円
 2012年=300,000円

Gibson Custom Shop Historic Collection 1957 Les Paul Antique Gold
 2000年=278,000円
 2012年=328,000円

Rickenbacker Bass Model 4003
 2002年=148,000円
 2012年=228,000円

Fender Custom Classic/Deluxe Telecaster
 2009年(Classic)=230,000円
 2012年(Deluxe)=322,000円

でも、実際には今年の超円高があってのこと。N.O.Sは、3年くらい前は33万程度が当たり前でした。

Gibson LTD 1960’s B-25 AN
 2007年=220,000円
 2012年=220,000円

これは逆の驚き。2007年末に山野楽器がGibsonの代理店ではなくなってから、同種は270,000円程度に跳ね上がったんですけど、今ではほぼ同じかそれ以下になろうとしています。

結局、ギター自体は値上がりしているものの、超円高がある程度歯止めをかけているということでしょうか。私がここで結論を出すことは出来ませんが、興味のある方は調べてみると面白いと思います。

・・・しかし、今後円安方向に向かうとするとどうなるか。Custom Shop製のレスポール、もっと前に買っときゃよかったかな~。

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