老化防止や睡眠改善の効果があると話題の一方で、もっともらしく科学を装った疑似科学との噂も絶えない「水素水」。一体、どんな人がハマっているのか。過去の疑似科学とされるものも含め、愛用者の傾向を調査した――。
疑似科学の信者たちに科学者の見解をぶつけてみた!
疑似科学のなかでも、とりわけ美や健康を謳ったものに人はハマりやすい。そんな人たちに科学者の見解をぶつけたらどうなるのか。体の痛みを緩和させるトルマリンネックレスの愛用者だという吉田由美さん(仮名・62歳)。まずそのハマりっぷりを紹介したい。
「10年前、パート先の同僚から肩コリに効くと勧められ、近所のデパートで同じものを購入しました。『とても良い』と言われたのを信じて今でも使い続けています。はっきりと実感できたわけではありませんが、肩コリの症状は緩和された気がします。石の色も綺麗なので、洋服に合わせてファッション感覚で身に着けています」
また、吉田さんは彼女の家族にもトルマリンを勧めているという。
「今年で94歳の母は関節痛に効くと、入浴後にトルマリン軟膏を腰や脚に塗っています。また、自営でパソコン業務の多い夫はパソコンが発する有害な電磁波をカットできると、部屋にトルマリン石を置いています。『頭痛が軽くなった』と喜んでいますね」
そう語る吉田さんだが、疑似科学に詳しい明治大学の石川幹人教授は「トルマリンは肩コリや電磁波予防などに効果があると謳われていますが、疑似科学です。おそらく一度、効果があると思ったものに対し、何か調子が良くなったときはすべてこれのおかげだと思い込んでしまう『確証バイアス』だと思われます」と断言。この見解を由美さん本人に聞いてみた。
「気分的なものだから別にいいんですよ。でも、『まったく効かない』という人たちには政治的な裏を感じますね」
何が政治的かは不明だが、トルマリン輸入にはこんなエピソードがある。ある研究者が明かす。
「もともとブラジルで買った鉱山で取れた売れないクズ石のトルマリンを輸入業者が『健康効果がある』と謳って売り出したんですよ」
そもそも最初から完全にデタラメな代物だったようだ。
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