なかにし礼
聞き慣れない「陽子線治療」の病院に朝一番で電話した。食道がんはこの治療の適用対象に明記されていなかったが、面談した主治医は「完治をめざしましょう」と言ってくれた。
まず、心臓病の主治医の病院と連携して抗がん剤治療を行い、食道の腫瘍を半分に縮めた。この後の陽子線治療は1回30分。初めの25分は食道の動きなどの計測が行われ、最後の5分間、患部に陽子線が照射された。これを6週間で計30回。
全工程が終わり、1か月後の検査で腫瘍が消えたのが確認された。2012年秋、半年ぶりに仕事を再開、コメンテーターを務めるテレビ番組にも復帰した。
「夢の治療」といわれるが、実施施設は全国で約10施設。普及しないのは理由がある。医療機器が1基約80億円で、健康保険の対象にならない先進医療のため、患者の自己負担が約300万円かかる。欧米ではこの倍近い負担だという。
「多くの人が高いと言うが、自分の命に値段をつける気にはなれない。この治療を早く健保適用にして、実施病院を増やすよう、国が努力すべきです」
がんから生還し、我が国の行く末がいっそう気になってきた。言うべきこと、書き残すべきことを、きちんと次の世に伝えていこうと誓っている。
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=101575&from=yh
レギュラー出演しているラジオ番組で6日、食道がんが再発したことを明らかにした作家で作詞家、なかにし礼氏(76)。番組では「私の健闘を見守ってください」と、ファンにメッセージを送った。今回は背中を大きく切る手術に踏み切ったが、一部切除できなかった部分もあり、今後の治療に期待がかかる。当面は活動を休止し、治療に専念する。
「恐れていたがんが再発しまして…手術をいたしました」。なかにし氏はこの日、パーソナリティーを務める文化放送の音楽番組「なかにし礼『明日への風』」(金曜午後7時半)のラストでこう告白した。
関係者によると、1月下旬、3カ月に1度受けている定期検診で、食道の横のリンパ節にがんの再発が見つかり、東京都内の病院に入院。心臓への負担を抑えるため、手術時間を最大4時間とし先月25日に切除手術を行った。
日刊スポーツによると、当初は体に負担の少ない胸腔鏡手術を予定していたが、がんのある部分を考慮して、背中を約25センチも切る手術に変更したという。しかし、時間制限のため、一部のがんは取り切れなかった。
なかにし氏は2012年2月、最初に食道がんが見つかった際、持病の心筋梗塞への影響を避けるため、病巣のみに効く陽子線治療を受けた。その結果、がんは消滅。約7カ月後にはテレビのコメンテーターとして復帰していた。
この日の放送は、いつもの歯切れの良さはなかった。手術後の今月4日に収録されたもので、声も出しにくそうで弱々しいが、「手術はしたけれど、生きて帰ってまいりました。一日も早く番組に復帰したい。どうぞ私の健闘を見守ってください」と復帰への思いを込めた。
関係者も「退院はいつになるか分かりません。前回と同じく本人は治療に専念すると思います」と語っており、同番組出演を当面見合わせるなど活動を休止する。
http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20150307/enn1503071700017-n1.htm
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