厚生労働省のがん対策推進協議会(門田守人会長)は10日、「がん対策推進基本計画」(2012~16年度)の中間評価報告書をまとめ、がん患者の部位別死亡率の推移を明らかにした。肝臓がんは05~15年の間で約5割減る一方、子宮頸(けい)がんは微増する見通しであることなどが報告された。
協議会は、基本計画の取り組み状況を客観的に評価するため、医療体制の実態に関するデータをとり、患者約1万4000人を対象に聞き取り調査(回収率55%)を実施している。
報告書によると、05~15年の間で肝臓がんと胃がんによる死亡率は減る一方、大腸がんや乳がんなどは微減にとどまる見通しとなった。一方、子宮頸がんは5.9%増で、1995~2005年の間でも3.4%増加しており、増加傾向に歯止めがかかっていない。報告書では、これらのがん対策に重点的に取り組む方針が盛り込まれた。
一方、がん患者を対象にした聞き取り調査では、体や心の苦痛を和らげる緩和ケアについて、42%のがん患者が「家族に負担をかけている」と回答。治療や生活に関する悩みを聞き、解決策を探る「相談支援センター」の利用経験者は7.7%、知っている割合は49%で、知名度の拡大が課題になっていることなどが報告された。
このほか報告書では、進学や就職と治療時期が重なる若年世代のがん患者への対策や、在宅医療の体制整備などを今後取り組むべき課題として挙げた。【下桐実雅子】
◇がん患者の部位別死亡率の推移
(2005~15年の推計値、かっこ内は1995~05年分)
肝臓がん 47.9%減(32%減)
胃がん 30.8%減(31.1%減)
大腸がん 9.1%減(10.2%減)
肺がん 7.5%減(9.4%減)
乳がん 0.1%減(13.7%増)
子宮頸がん 5.9%増(3.4%増)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150610-00000085-mai-soci
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