バンコクでロングステイ始めました!

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仁魚(プラーニン)物語

2024-04-09 22:00:00 | ロングステイ

2カ月間のロングステイ中、「どうしても和食が食べたい!」と、日本食の禁断症状が出た日は幸いにしてなかったが、私は根っからの魚喰いであるだけに、週1回は何らかの魚料理を口にしたい派である。バンコクには和食の店や日本居酒屋は数あるのだが、日本以上に値段が張ることが多い。また、スーパーマーケットの鮮魚売り場を覗いてみても、購買意欲を刺激するような品にはなかなかお目にかかれない。そんな私の欲求に応えてくれるのが、屋台で気軽に買えるこのナイルティラピアの塩焼き。

口から香草を詰め込んで、大量の塩をまぶし、炭火でこんがり焼いたものが、付け合わせの野菜付きで140バーツ(約580円)前後。塩がびっしりこびりついた皮を剥がし、身だけを取り出して、付け合わせの野菜でくるみ、辛い緑色のタレを付けて頬張ると、脂の乗った白身のうまさが口中に溢れます。淡水魚にありがちな臭みもなく、ビールとの相性も申し分ありません。また、そこそこ大きいので、一人では二食分相当となり、お財布にも優しく、私のバンコク生活の大きな味方です。

さて、このナイルティラピア、タイ語ではプラーニン(仁魚)と呼ばれています。もともとタイにはいなかった魚で、タイの食糧事情の改善にと、1960年代に当時の皇太子である明仁親王(現上皇陛下)がプーミポン国王(ラーマ9世)に50匹を贈ったのが始めとされ、その後、宮殿で数を増やしたナイルティラピアは、タイ全土で養殖・放流されました。以来、50年以上の長きに亘り、タイの貴重なタンパク質源として大きな役割を果たしてきたと言えます。ここまでは事実。

このタイ-日本の繋がりを記念して、明仁親王の「仁」の字を取り、プラーニン(仁魚)と名付けたという心温まる話があります。日本人には嬉しい限りですが、他方、「ニン」は黒い宝石を意味する説やナイルのタイ語読みという説も存在します。私としては、白黒つけるのは無粋であり、和歌のように掛詞として捉えた方がロマンがあると思うのですが、如何?

 



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