アメコミとラーメン

カカオ85%のチョコの苦さの結末、Web of SPIDER-MAN 8号と9号


またまた表紙買いしたWeb of SPIDER-MAN (WSM)。大好きなアーティストの一人Charles Vessが描いたWSM 8号のその表紙を添付した。この表紙自体は大したことない。しかし、彼の1980年代から1990年代にかけてのMarvelでの作品は素晴らしいなんて一言で現せない。特に好きなのはGraphic Novelとして出版されたThe Raven BannerとSpirits of the Earth。前者はTHORの外伝、後者はSPIDER-MANの新婚旅行の話。彼は今でもサインが欲しいアーティストの一人。

さて本題。今回のレビューは1985年に出版されたWSM 8号と9号。筋書をDavid Michelinie、画をGeof Isherwood、インクをVince Colletaがそれぞれ担当。

手短に粗筋を記しておく。舞台はペンシルバニア州の小さな町。ローカルヒーローThe Smithville Thunderboltを取材すべくPeter Parkerはその町Smithvilleへ向かった。彼はローカルヒーローが子供達を火事から救っている現場に居合わせた。その一方、もう一人謎の怪力男に襲われる。

かつて何人もの人が描いたSUPERMANへのHomage作品であることは明白。町の名前はClark Kentが高校まで過ごしたSmallvilleを捩ったものだし、この町の新聞記者RoxanneはClarkの恋人Loisを意識しているはずだ。野心的なところはLoisと同じだが、心根が問題なところがこの話の味噌。

今回も気に入った台詞やシーンを書いていく。まずはこの時代の移動手段。Daily Bugle 新聞社の編集長Robbieから渡されたのは長距離バスの切符。Peterはバイクには乗るが車を持っていないからしょうがないのか。

Roxanneの台詞として、最近Thunderboltの活躍が少なくなってきていることが説明されている。(この女性がナレーターなんだね。)”He’s changed his patterns. Doesn’t fight crime much anymore.” ローカルヒーローが力を得たことを説明したプロローグから時が経過したのは理解できた。

その後SPIDER-MANが彼の正体がFred Hopkinsなる男であることを知ったコマでは、彼の髪の毛が薄くなっているのがわかる。結構読んでいてずっこけた。そして、火事の現場でSPIDER-MANを襲った男が乱入してWSM 9号は終わる。良いCliff Hungerだね。

HULK似の男に襲われたRoxanne、Thunderbolt、SPIDER-MAN。力を失ったThunderboltに助けられてRoxanneが改心し、力無くても人助けしたことに心を動かされたHULK似の男で目出度し目出度しとなると思いきや、この時代のWSMは一味違う。

助けられたRoxanneはThunderboltの正体を新聞記事として取り上げてしまう。そして、ThunderboltことFredは自殺してしまう。スッゲー終わりだなと思ったら、ここでMichelinieは終わらせない。その自殺をRoxanneはしっかりカメラに収めちゃう。カカオ85%のチョコの苦さだ。

彼女の台詞。”I told you I was going to the top. 中略 Because the top is where the real power is in the world.” Power(力)はこの話のキーワード。登場人物Thunderboltは力を失いかけていたがそれがなくてもヒーローであることを証明した。HULK似の男はその力に家族を奪われそして狂人となり、そして名声を追い、Roxanneは力を欲し手段を択ばない
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