アメコミとラーメン

その後の展開と全然辻褄が合わない、X-MEN、DEATH OF X



DEATH OF X (“DoX”) 3号~4号が到着していたので、年賀状が落ち着いたところで、読了、そしてレビュー。筋書をJeff Lemire、Charles Soule、画をAaron Kuder、インクはJay Leisten他がそれぞれ担当。

Inhuman族は、人類の中に潜むInhuman族の覚醒を促す化学物質Terrigen Mistを拡散した。しかしその霧はミュータントの一部にとって致命的な影響を及ぼしていた。それを知ったX-MENのリーダーCYCLOPSは元凶である霧を無力化しようと企む。そして、Inhuman族はそれを阻止しようとする。話の展開にダラダラ感はなく、最後に書くこと以外は、話としてはそんなに悪くない。

気に入ったシーンや台詞等を紹介。まずは、今回も表紙から。添付画像はDoX 3号の表紙。DoXに関しては全てVariant coverを手に入れることができた。今回は1982年のMarvel Graphic Novel 4号。New Mutantsの誕生秘話の表紙へのHomage。かつ描いているのは、当時も本編および表紙を担当したBob Mcleod。DoX 4号の表紙はUncanny X-MEN 94号の表紙へのHomage。面白さでは断然3号のものの勝ち。

日本人のInhuman、「だいすけ」に仲間がコードネームを自分で付けることを促し奨めているシーンは楽しいな。仲間に無理やりつけられた別のInhumanがその名前を嫌っているってのも良い。

その「だいすけ」、MAGIKに忘却界に連れ去られてしまう。一連の戦いが終結後の忘却界での「だいすけ」とMAGIKの会話は良いな。だいすけ”I feel like I was lied to.” MAGIK “前略 Sometimes I feel the same way.” この台詞が非常に重要。

最終シーンでの裏切られ感は好きだった。上記のliedは、CYCLOPSの病死をEmmaが隠していたと解釈するのが、普通だろう。まるで、武田信玄が死んだ後も、それを隠して武田軍が戦い続けた史実のよう。しかし、それだけなのかな。

さてその納得のできないことを書きたい。過去1年のX-MEN各紙では、CYCLOPSの取った行動が、ますますミュータントへの差別(嫌悪)を煽ったかのように語られてきた。しかし、彼(の意志を引き継いだEmma?)が行ったことは、ALCHEMY の力を使ってterrigen mistを無力化したことだけに過ぎない。それとも彼の取った行動とは、それまでのテロ行為を指しているのか?

SUNFIREに至ってはALCHEMYをmistの上まで運んだだけだ。しかし、その後の話では完全に裏切り者扱い。え?

最終シーン。Blackboltの声で吹っ飛んだかに見えたCYCLOPS。死体はない。そしてその死に疑いを持つ彼の弟HAVOK。Emmaは彼にCYCLOPSの病死した死体を見せる。それでHAVOKは納得したのか?Blackboltでさえ完全に騙したEmmaだよ。前述のMAGIKの台詞は、これさえも嘘なのだと示唆していないか。

最初の壮絶なCYCLOPSの死、そしてその前に病気で死んでしまったこと。読者を二度死に目に合わせるってことは、CYCLOPSは、死んでないね。Superior SPIDER-MANでDan Slottが使った二段階でのPeterの死と語り口がそっくりだ。
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