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去年買った1960年代のX-MEN 55号の続き56号を手に入れたので、早速レビュー。
筋書をRoy Thomas 55号の画をDon Heck、Werner Rothが担当。56号の画は伝説の巨匠でいまだに現役Neal Adams、インクをTom Palmerがそれぞれ担当。添付画像はAdamsの醍醐味を表紙からでも堪能できる56号の表紙。
まずは粗筋。55号は攫われた弟Alexを救うべくLiving Pharaohと戦うCYCLOPS他X-MEN。56号ではPharaohの部下の逆襲を受け、Alexを奪い返される。そして、Pharaohは巨大化し、表紙の通りLiving Monolithへと変身する。肌の色といい、ウルトラマンへのhomageか。(知らない)
今回も気に入ったシーンや台詞を順不同で書いていく。
まずは55号。HeckとRothの画はアクションシーンで結構良い部分はある。特にLiving Pharaohの大勢の部下と戦うCYCLOPSとAlexの図は好き。ただ、CYCLOPSのバイザーの描き方がどうしても好きになれない。
また、Thomasの話の進め方にはリズムがあって結構面白い。残念なのはLiving Pharaohが飛行機から身体を出してX-MENを攻撃するシーンのは大分無理がある。
55号ではPharaohに飛行機を迎撃された時のICE MANとBEASTの鰍ッ合いが面白いかな。”We’re dropping like a wounded dodo.” “And we may soon be Just as extinct, lad.” Thomasはドードーが飛べなかったって知らなかったのかな。
続いて56号。もう何といってもAdamsの画力。一コマ一コマの画の質が圧涛Iに凄い。最初のエジプトの神殿の画からド迫力。
一番好きなシーンはThomasの語りから。”As Jean Grey beginning a series of cerebral exertions impossible to describe on the printing page…” Jeanのテレパシー能力は印刷されたページでは表現できないと言っておきながら、Adamsがそれを画で表現している。上下のコマでJeanの位置を変えず、彼女を段々下に移動させながら、眼をクローズアップさせていく。そうすることで、テレパシーを使い、遠くにいるANGELと連絡しようする様を描いている。文句なし。
宇宙線を吸収することで、力を得るLiving MonolithとAlex。Alexの力が目覚めた途端にMonolithの力が弱くなるという設定は面白いな。
さて、この次の号からSentinel篇となり、前半のX-MENの山場を迎える。X-MENの品質がずーっとこの号ぐらいだったら、良かったのだが、Adamsが描かないと駄目になったりで、X-MENは悲運のヒーロー誌だった。きっとこの当時でも凄い才能をもった人が沢山いたんだろうが、漫画にはその才能が集まらなかったんだろうな。