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とにかくMilehigh Comicsの安売りがすごくて年末に注文したX-MEN Classics (“XC”) 1号と昔買った2号を読み終えたので、早速レビュー。
筋書きをRoy Thomas、画をNeal Adams、インクをTom Palmer。Classics 1号、2号は、X-MEN (1963) 56号~61号の再録。
粗筋はと言えば、Living Monolithの魔の手から逃れたX-MEN達だが、その次に立ちはだかったのは、ミュータント殺しロボットSentinel軍団。かろうじてその脅威から逃れた後には、人間プテラノドン、Sauron。XC 2号までの段階ではSauronに迄MされただけのX-MEN。結局これらの話でX-MENは悪人を唐オたというより、かろうじて退けたという感じだな。それから、一つの話と次の話の間に継ぎ目がなくて、悪人がどんどん現れる。前半の話は1980年代にャbプコーン誌の中で日本語訳されたものの完全版。邦訳版は大分編集されていて結構良いシーンが端折られていたので一度読んだことのある人でも楽しめる。
いつものように、好きな台詞やシーンを順不同で紹介。やっぱり最初はこの添付画像の表紙。Mike ZeckとTom Palmerによるもの。Sentinelの頭を撃ちぬくCYCLOPSのOptic Blast(赤い光線)がかっちょ良いの一言。ただし、日本の浮世絵みたいに遠近法が変。(後ろのカプセルに入っているSCARLET WITCH達が大きく描かれ過ぎ。)
一方本編を描くNeal。Nealは、言わずと知れた天才画家。おそらくこの時代が彼のピークだと思うけど構図とかすごく良いんだよね。顎の下からのアングルがとくに良い。それからHow to Draw The Marvel Wayという本でも紹介されているBEASTが高層アパートから落ちるシーンも凄いな。 TomのインクはNealの画とすごく相性が良い。Neal自身が入れるインクより好き。
そんな二人の画のなかでもMagnetoの娘である磁力を扱うミュータントLornaが魅力的で光っている。また、彼女の性格を1970年代の女性っぽく表現している台詞も見逃せない。”I’m nobody’s ‘girl’!” (ちなみにgirlにquotationがついているのは、この会話の中では彼女の意味で使われている。)
他にも気の利いた台詞は結構あるのだが、BEASTがICEMANを敵の手にやむを得ず委ねた時の台詞も良いな。”I did the right thing.”苦渋の選択を行ったことを端的に表している言葉だ。
前半のSentinel篇での最大の見せ場は、Sentinelを操るRally Traskが実はミュータントだったというところ。彼の父親Boliverが何故ミュータントを憎んでいたかが想像できる瞬間でもある。映画X-MEN 2での敵Strikerと共通するな。
Sentinelが太陽へ向かうシーンは、月刊スーパーマンの何号かでSUPER MANの姿をしたロボットが同じことをするシーンとダブる。どちらが先なのかな。
一方のSauron篇。結構真面目な良いやつなのに、なんか道を間違えちゃったっていうよくあるパターンなのだが、彼の誕生秘話は面白いな。愛する人やその父親との会話なんか結構昔のメロドラマしていて良い。こいつミュータントなのだろうが、プテラノドンに変身しちゃうのが何故なのかはさっぱりわからない。こいつは、相手の生命エネルギーを吸収して怪物になる他に催眠術もできる。2つも能力があるのは珍しいな。それから名前の由来も面白い。彼が子供の頃読んだ指輪物語のラスボスの名前に因んでいるんだ。
Nealの描くSauron= Karl Lykosが過去の自分を語るシーンは舞台の上の役者みたいだ。前述のBEASTの台詞も結局そういうことなんだな。舞台の上で演じているみたいな演出を漫画の中で行っているんだな。
XC 2号の最後で襲われたにも関わらずX-MEN達がSauronに同情したり、信用しちゃうのは腑に落ちないと思ったら、人間に戻った姿をX-MEN達は見てないんだ。