アメコミとラーメン

この表紙見たらPUNISHERだと思うじゃない、Spectacular SPIDER-MAN 209、210号



添付画像、Spectacular SPIDER-MAN (“Spec”) 209号の表紙を見てPUNISHER再登場篇と勘違いして買ってしまった。胸のマークまで確認しなかった。なんと悪人Foreignerだった。胸のマークが髑髏だったらPUNISHERじゃん。コミコンとかのスケッチでも、大体こういう型があって、それをちょっとずつ変えて、アーティストは注文のキャラに仕上げるということを想像させられる。

1994年に出版されたSpec 209、210号を読み終えたのでレビュー。

筋書を Steven Grant、画をSal Buscemaが担当。Buscemaの画は相変わらず冴えているので買って損はしていない。

粗筋をサラッと舐める。元々Foreignerが仕切っていた組織の頭が代わり、Foreignerは追われる立場になった。SPIDER-MANはそんな悪の組織内の抗争に巻き込まれてしまった。

いつものように気に入ったシーンや台詞等を紹介。本編とは関係ないが、1994年と前回までの1990年で大きな技術的変化が現れた。彩色が無茶苦茶綺麗になったのだ。1988年にEXCALIBUR誌が登場した時、単価が高い代わりにベタっと色が塗られてこれまでのコミックブックとは違う高品質なものになった。年代が進みMarvelの他の雑誌にもその技術が採用されたのだ。当時は嬉しかったな。

Foreignerが珍しく冗談を言って、SPIDER-MANのお株を奪うシーンがある。そこそこ面白いのだが、割愛。その代わりに、悪の組織から差し向けられた追手Dead Aimの変装を剝ぎ取り正体を曝け出したSPIDER-MAN に対するDead Aimの台詞とそれに対するSPIDER-MAN の応え。”Now you and the Foreigner will both die.” ”Did I mention he and I don’t actually knew each other all that well?” そんな親密な関係じゃないから見逃してくれみたいな感じ。これこそSPIDER-MANのいつもの冗談だな。

Spec 210号でも余裕があるのかないのかのForeignerとSPIDER-MANの冗談合戦。”I can call you Fory, can’t I?” とSPIDER-MANが言ったかと思えば、数ページ後にForeignerが“May I call you Spidey?”と聞くコマがあり、油断ができない。両者とも愛称で呼んでから許可を得るというステップを踏んでいるのが味噌。

Spec 210号の最初の1頁をコマなしでSPIDER-MANとDead Aimの戦いに使っている贅沢なシーンがある。これがえらくカッチョ良い。この原画持っている人がいたら譲って欲しい。買えないだろうけど。

結局ForeignerはSPIDER-MANとの約束、①人を殺さない、②敵を倒したら警察に投降するを守る。だけど、すぐ脱走つもりだし、SPIDER-MANも馬鹿じゃないのでこれで終わりないことがわかっている。生温いかもしれないけど、これがヒーローの宿命なんだろうな。

並行して、J Jonnah Jamesonと当時の妻Marlaとの離婚話が進行している。仕事中毒のJJJに対するMarlaの不満が丁寧に描かれていて、これぞ伏線という感じ。SpecというSPIDER-MAN誌では2番手、3番手のコミックブックだからこその、本編とはあまり関係ない話の展開は好きだな。

2話目が収録されていて大好きなBlack Catが登場。なんとFlash ThompsonにBlack Catが求婚している。しかしその結末は儚い。
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