Uncanny X-MEN (”UX”)16号、17号についてレビュー。
筋書きをBrian Michael Bendis、画をChris Bachalo、がそれぞれ担当。添付の画像は、UX 17号の表紙で、Bachaloの手によるもの。
粗筋を簡単に紹介。UX 16号で東南アジアの架空の島、MadipoorでMAGNETOが大暴れする。(Wikipediaによれば、Madipoorはシンガメ[ルの南西にあるらしい。)悪のミュータントRavenが悪の秘密結社Hydraからこの島を購入している。ここで彼女はミュータントが安心して暮らせる場所が欲しかったのだ。UX 17号では、若きX-MENがテストのため、モンタナ州にある異次元空間Tabula Rasaに置き去りにされ、困惑し、混乱しながらも何とか持ちこたえるといった内容。
いつもの通り、気に入ったシーンや台詞を紹介。まずは、国連のスパイ組織SHIELDの工作員DAZZLER とMAGNETOの会話。MAGNETOは、彼女に本名ではなくコードネームMAGNETOで呼ばせている。ここがこの話全体のャCント。もう一つのこの話の伏線は、戦車を持ち上げることはできないけど、ナイフや弾丸を持ち上げることはできるってMAGNETOの台詞。
まず、第1の伏線。物語の最後に、Raven達悪のミュータントをMAGNETOが攻撃する。Raven達にとって、Madipoorはミュータントの理想郷なのかもしれない。しかし、MAGNETOの人生の目的は、ミュータントが支配する人類の世界であって、ミュータントが肩寄せ合ってなんとかその日を暮すような世界ではないから。前段のコードネームで呼ばせるシーンは、彼がこの目的を忘れていないという意味。その目的を実現するものには、Erikという生まれた時に与えられた名前ではなく、ミュータントとして目覚めた後の名前MAGNETOの方が相応しいからなのだと思う。深いねー。
第2の伏線は、Madipoorでの大暴れのシーン。本当に弾丸やナイフを使ってRavenやこの島に集まったミュータントをMAGNETOが襲うことになる。戦車は無理なんだけどね。
今回は謎も投げかけている。MAGNETOやCYCLOPS達がミュータントの力をうまく操れないのは、精神的損傷が肉体的後遺症に繋がったのではないかというRavenの仮説。(Psychosomaticなる難しい単語が出て来た。)んーん、Bendisの新たな伏線だとおもうが、確かにMAGNETOやCYCLOPSにこれは当てはまるが、MAGIKは当てはまらないよな。
一方、気に食わない点。またまた、クレジットが間違っているなKris AnkaがUX 16号の表紙画を描いていることになっているが、実際はBachaloだ。
UX 17号。まずは新加入のEva。仲間からCYCLOPSにいかれてるって言われただけで、もう現在の状況に集中できないのが良いな。いかにもアマチュアっぽくてね。また、彼女自身の力を十分理解していないことから自信のなさも伺える。彼女の幼さの描き方はBachaloならでは。彼女が一人仲間とはぐれてしまった時何が起こったんだろう。もちろんこれはBendisの紡いだ伏線だ。
次に新加入HIJACK。知らない土地に来て彼の取った行動は、携帯電話を起動しGoogle Mapでどこかを確認すること。ああ、如何にも現代的で面白い。今の人はこんなこと普通に考えるのかな。個人的に位置情報機能オフにしているから、おいらは思いつかないな。最後に彼の取った行動が、敵対関係にある前述のSHIELDを彼らの場所へと引き寄せてしまったのも面白い。結果CYCLOPSは彼をX-MENから追い出しちゃう。危険と常に隣り合わせのCYCLOPSの現在の状況をこの「くび宣言」が表現していて説得力がある。
前回も書いた新加入のMORPHがTabula Rasaで出会った謎の生物を懐柔しちゃうのも良いな。彼の能力を十分使っていて。もしかしたら、彼が一番最強のミュータントなのかもしれない。
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山田与作
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