ディズニープラスでアニメ化されたWHAT IFのコミックブック版について恐らくこのブログで初めてレビュー。WHAT IF (第二シリーズ)20号はもしもPeter ParkerがMary Jane Watson (“MJ”)と結婚しなかったらがテーマ。
1987年にこの二人は結婚している。そしてその後の1990年に今回レビューする話が発表された。皮肉なのは2007年のOne More Dayでこの二人の結婚がなかったことになってしまう。(過去に遡りね)WHAT IFの話が本当になってしまう正に大逆転展開。その後WHAT IF的なのはRenew Your Vowsという題で2015年と2016年に発表されている。別世界で二人は結婚していて、二人の間にAnnieという名前の子供が出来て的な展開に発展していった。
筋書を Danny Fingeroth、画をJim Valentino、インクChris Ivyが担当。表紙(添付画像)はValentinoに加え、Ron Frenz (?これは御用達のコミックショップの解説でも疑問符付き)、Bob Wiacekが担当。表紙はまともなんだが中身の画の品質はかなり良くない。
結婚式の真っ最中に結婚をPeterはやめてしまう。勿論現実世界ではそんなこともあるだろう。しかしだ、WHAT IFとは言え、SPIDER-MANのモットー”With great power comes great responsibility.”と真逆な態度にちょっと苛立つオイラ。
理由はMJが蜘蛛殺しロボットに殺されそうになったことに端を発したMJへの思い遣り。”You’d be in danger all the time as my wife just by being close to me.” それはそうだろう。いやそんなこと、結婚式当日に決定することじゃないよね。
さらに、ひどいのはその後。Black Catに手紙を出して二人は付き合っちゃう。(その間の時間の経過はちょっとわからないが、イメージ的には数カ月も経っていないんじゃないか。)その手紙を受け取った彼女の登場シーンで彼女が発した第一声。”Face it, Tiger. You just hit the jackpot.” これはMJの名セリフ。
この話の中ではCatは結構悪く書かれていてPeterからもらった婚約指輪をMJに見せつけに行っちゃうシーンがある。Kraven the Hunterに盛られた薬の影響で朦朧としているPeterがCatを見てMJと感違いをしてしまう場面もあって嫉妬の心が大きくなっていることはわかる。しかし、このシーンは好きじゃないな。現在の作家の方が彼女をもっと上手に書いている気がする。
MJの家の外でCatがMJに自慢しているのを覗き見ているのは、彼女のストーカーJonathan Caesarなのか。今この話を振り返って読むと面白い。
この物語の最終ページ。”First time in WHAT IF history: concluded next issue.” という言葉で物語が終わる。これ感慨深いな。長い歴史の中で続きものはないのか。もう一つ。冒頭で紹介したディズニープラスのアニメも一話完結なのだが、最終話でその全ての話が結ばれる。続きものはアニメが最初ではないのだ。