いよいよMultiverseの最終回。12話もあると中盤の進行の遅さが気になったが、10号ぐらいから一気に話が進んだ感じがする。そして、より複雑怪奇になってきたか。
筋書をMoorcock、Rose von Bekの話の画をSimonson、Sir Seaton Beggの話の画をMark Reeve、Elricの話の画をJohn Ridgwayがそれぞれ担当。12号はほぼSimonsonが描いている。
今回の添付画像は11号の表紙。Simonsonの描くGaynor。Facebook でSimonsonが紹介したこの表紙がこの本を買うきっかけになったからな。キャラとして魅力的だが、Simonsonの画が一層その魅力に輝きを与えている。
粗筋をサラッと紹介。西暦1000年。Elric、Rose等は、竜に乗りサハラ砂漠を脱出する。一方、年代は知れぬが、この次元のRoseとSamはGaynor the damnedと対決。同時に混沌と法の戦いがいろいろな次元で展開されている。
第一話目の話。法と混沌の戦いは観念的でよくわからないのだが、西暦1000年のElricの話は非常にわかりやすい。11号での種明かし。顔を隠した娘の目は猫の目だった。他の話でも喋る猫Niphurが登場していたが、一足先に途中から登場していたのか。前半でElricを助けた虎は彼女だったんだね。
また、第一話目では遂にElricがOliphant(運命の角笛)を吹く。”The first will free us to change the multiverse.”と目的を明確に訴えている。
12号ではSilverskinとElricの戦い。Silverskinは永遠のチャンピオンの全ての部分。Elricは自分自身と戦っている。黒の剣はまたもや永遠のチャンピオンを殺すことになる。この辺はお約束だね。
その結果が、Creating an unrepeatable moment of absolute harmony…と観念的な言葉の繰り返し。Simonsonの画はすげー。
最終ページは再びRidgwayが描いているが、このページの中でElricの女性の化身の存在が示唆されている。画ではアルビノなのだが、それはRoseのことなんだよねと思う。しかし、一体本当のところどうなんだ?
第二話目。Silverskin、Seadon Begg、Count Zodiacの合体したものは第三話目に行っているので、Beggの同僚のつまらない話のみ。
第三話目。Roseを助けるべくGaynorに立ち向かうSam。彼を止めるRose。曰く彼女とGaynorは”Game of time”の最中。第三話目は難解。最後まで何だかわからん。わかっているのは作者Moorcockのみでは。
ここでも猫は大活躍。第一話もそうなのだが、この猫、身体を大きくしたり、人間に変身したりとただものではない。そしてここでも秘密が詳らかになった。この猫、Jackの元カノColindaだった。驚き。
11号でのファンサービスはここで終わらない。最終ページは黒い剣の餌食となったMoonglumが生き返っている。なんじゃそりゃ。だけど楽しい。
12号で終わっているはずなのに、次の話の題名が出ているのは笑える。