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大好きな画家Charles Vessが表紙を描くSPIDER-MAN がまだあったようなので、まとめて購入。1冊ずつレビュー予定。まずはWeb of SPIDER-MAN Annual 1号。Vessの画は本当に良いな。この表紙なんて1回限りの使い捨て悪人をVessに描かせている。勿体ない。だけど、ちゃんとした美術品レベルの画になっちゃうんだよね。もう1回SPIDER-MAN描いて欲しいな。短編でも良いから。
筋書きをAnn Nocenti、画をTony Salmonsが担当。Salmonsは知らなかったけど、大ベテランの画家らしい。インクも自分で入れている。デッサンがしっかりしている印象。80年代半ばなのにコマ割りは結構大き目。それをしっかり活かしたアクションシーンが印象的。好きなコマは銃弾を使い尽させるため、左から右に飛ぶSPIDER-MANのシーン。人物描写はベテランらしいオーソドックスな方法。Peterの画なんかRomita Sr.へのHomageな素晴らしい出来。
粗筋。空き巣が入った宝石商。目撃したSPIDER-MANはそれを止めようとする。犯人はロボットの群れ。さらに合体して1体のロボットに変身。神経が壊死していく病気にかかった黒幕である少年と知り合いになったPeter Parker。そして少年を利用してひと儲け企むケチな詐欺師も揃ったところで物語は佳境に向かう。
12ページも使って、この使い捨て悪人との戦いが描かれている。勿体ない。SPIDER-MANの悪人なんて沢山いるのにな。
決して全体の話は悪くない。天才少年と隣人とのロマンス何か応援しちゃったよ。こんな少年がマシンガンとかミニミサイルまで搭載されたロボットを作れるかよと思ったが、インターネットで情報はいくらでも手に入る現代ではもしかして可能かもしれないなとも思える。
ロボットを作った悪人に対してのPeterの台詞。”Too bad the guy’s a thief. ‘Cause I sure am jealous of the mind made this.” 犯人でさえ思い遣るPeterの気持ちがこもった台詞が好き。それから、この間紹介したASM 290号でも描かれているが、SPIDER-MANとしての人生ではない、Peter自信の人生が空虚であるという解釈がここでも使われているのが興味深い。
このケチな詐欺師。ちょっと面白いのは、人格が次々と変化していくところか。演劇のクラスを受講していたようだ。鋳?シ人の笑いながら怒るオジサンを思い出した。