≪第96回全国高校野球選手権≫
【3回戦】
日本文理(新潟) 6×-5 富山商(富山)
大阪桐蔭(大阪) 10-0 八頭 (鳥取)
聖光学院(福島) 2×-1 近江 (滋賀)
健大高崎(群馬) 8-3 山形中央(山形)
3回戦残り4試合。
これで8強が決まりました。
3回戦というとベスト16.
全国4,000校弱の中から激戦を潜り抜けてここまでたどり着いた16校。
各校ともに甲子園での勝利の歓喜に沸いたチームぞろい。
ここからは、
真の実力というよりも、
どこまでこの大会で勢いがついているかということが重要。
そして、
酷暑の中の激戦を経て、
選手の疲労度も試合内容に色濃く反映されてきます。
そんな中、
昨日の3回戦のうち2試合が9回逆転サヨナラ試合。
なんという激戦でしょうか。
第1試合は、
日本文理と富山商という北信越勢の激突。
このチームで、この1年間に対戦もある両校。
勝手知ったる対戦の中、
様々な駆け引きが見られて素晴らしい試合になりました。
今年1年間北信越で実績を残し続けてきた日本文理に対し、
剛腕・森田が絶好調で今大会の台風の目となっている富山商。
正直に言うと、
ここで当ててしまうのが実にもったいないと思った対戦でした。
試合は静かな序盤の立ち上がりから、
徐々に日本文理の振り切る強力打線が森田をとらえ始めて、
7回を終了した時点で3-1と日本文理のリード。
そして迎えた8回。
富山商が勝負をかけて、
8・9番に立て続けに代打を送ります。
エース森田を下げてまで、
この攻撃に賭けました。
その勝負手を打った富山商の勢いは日本文理のエース・飯塚を飲み込み、
この回一挙に6安打を集中して4点。
試合を5-3とひっくり返しました。
大音響の大応援団の声援に乗って、
ものすごい集中力と一気呵成の連打。
『この夏に賭ける思い』
のすべて詰まった猛攻撃で大逆転した富山商に、
一気に流れは傾いた。。。。。かに見えました。
しかし今年の日本文理。
力を持っているだけでなく、
実にしぶとい。
8回に1点を返すと、
9回は1死1塁から、
6番新井の放った打球は、
一直線のマッハのスピードでレフトスタンド中段へ。
大逆転のサヨナラ2ランとなりました。
ガックリとうなだれる富山商の2番手・岩城。
その横を、
歓喜の荒井の雄たけびがこだまして、
この大激闘に終止符が打たれました。
今年の北信越勢の大躍進を証明するような、
両チームのレベルの高い、
素晴らしい激闘でした。
感動しました。
日本文理は、
優勝を狙ってこの甲子園に乗り込んできたと思いますが、
これ以上ない勢いのつく勝利となりました。
新潟勢初の全国制覇へ、
視界は良好です。
さて、
富山商です。
素晴らしいチームでした。
昨年の富山第一にも感動しましたが、
それ以上の感動を富山商は与えてくれました。
最後打たれてしまった岩城くん。
その泣きじゃくる姿を見ながら、
『顔を上げてくれ!キミのせいじゃないぞ!!』
と叫んでしまいました。
剛腕の森田くんをしっかりとした守備で支えて、
この日の様にチャンスに連打でつなぐ野球は、
全国制覇まで駆け上がってもおかしくないだけの力がありました。
そしてそれを支えたアルプスの大声援。
たまたまその大声援を真横で見て、聞く機会がありました。
そろいの青の服と帽子に身を包んだ、
実に楽しげに応援する素晴らしい応援団の姿が、
忘れられません。
ブラバンのレベルが高いとは聞いていたのですが、
こんなに楽しそうに大声援を送るアルプスが、
選手に力を送っていたのは確かですね。
昨年は延岡学園の応援団が非常に印象に残りましたが、
今年は富山商に決まりって感じです、ワタシの中で。
彼ら、彼女らにとって、楽しい夏の思い出が出来たのではないでしょうかね。
その楽しさ、
友達や家族や、たくさんの人に伝えてあげてくださいね。
さて、
その後の第3試合もまた、
大激戦となりました。
驚愕の打線で圧倒する近江に対して、
地味ながらもしっかりした守備で投手陣を支えてロースコアゲームに持ち込み、
総合的な『野球力』で勝負をかける聖光学院の対戦。
近江の速く力強い打球に対して、
今泉-船迫のリレーで聖光が得意のロースコアゲームに持ち込んで9回を迎えました。
そこまで好投を続けていた近江のエース・小川でしたが、
なんとなくじわじわという聖光の重圧を感じていたのではないですかね。
『先頭さえ出塁すれば、面白い』
と思っていましたが、
果たせるかな柳沼がシブくヒットで出塁。
そこからはまさに『聖光の野球』が展開されました。
すぐさま4番の安田が絶妙のセーフティバントでオールセーフ。
しっかりと5番の伊三木が送って、
重圧をかける1死2・3塁という最高の形を作りました。
ここで成功はとっておきの代打、海老沼を打席に送りましたが、
2・3塁であるにもかかわらず、
近江は内野が何となく中途半端な位置に守ってしまい、
そこに詰まったゆるい打球が飛んでしまい、
同点となってしまいました。
近江にとっては、
痛恨の”守備のミス”と言えるでしょうね。
そして最後は、
石垣がサヨナラ・セーフティスクイズ!
リスクを回避しながら小技でじわじわ攻め立てるという、
見事な攻撃でのサヨナラ劇でした。
こういった勝ち方の出来る今年の聖光。
侮れないチームです。
『東北勢初Vは、俺たちの手で』
がここ数年の聖光学院の合言葉。
3度目の8強入りで、
今度こそ初の4強、
そしてその先に見える頂点を狙っています。
第2試合では大阪桐蔭が圧勝。
第4試合では健大高崎が2試合連続で”機動破壊”を成功させての完勝。
この両チーム、
今日の第3試合で激突します。
やや余裕を持った試合運びの両チーム。
果たしてどんな試合になるでしょうか。
それにしても、
各チームにまったく力の差を感じられない今年の選手権。
大団円に向けて、
どんどん進んでいきます。
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