平成の最後となる2018年。
東京オリンピックを2年後、
そしてラグビーワールドカップを翌年に控え、
スポーツ界は活況を呈した年になりました。
今年は「4年に一度」の冬季オリンピック、そしてサッカーW杯も行われ、
多くの人が思い描いたよりも、
日本のアスリートたちはまばゆい輝きを放ってくれました。
そして国内でも、
高校野球の夏の選手権大会が100回を迎えて、
今までにないほどの盛り上がりを見せてくれました。
いろいろなことがあり、
社会情勢の不安定さや災害の多さなど、
”負”の側面で語られることも多かった今年ですが、
スポーツは一時すべての嫌な感情から解放されて、
どっぷりと勝負の世界にハマれるという”正”の面を人々に与え続けたのではと思っています。
「そだね~」のカーリング女子日本代表の面々に癒され、
小平選手のものすごいパワーに驚き、羽生選手のケガをものともしない気迫あふれる滑りに人々は感動しました。
6月には「大迫ハンパね~」と叫び、まさかのカウンターに涙して虚脱感を感じ、
8月の暑い夏は日本全国に吉田輝星が”熱さ”と”さわやかな風”を運んできてくれました。
そして根尾、藤原をはじめとする大阪桐蔭が、
今まで見たこともない凄さを見せつけてくれました。
9月の広島、西武の快進撃をあざ笑うように、
10月には「本物の強者」がはるか後方からまくり勝ちを見せてくれました。
そしてその合間合間にも、
様々な輝けるアスリートたちが、
コーフンを、そして驚きを与えてくれた1年でした。
そんな今年のスポーツの1年を、
極私的に振り返ってみたいと思っています。
◇2018年 スポーツこの1年
まずは番外編から。
【番外編】
≪選外≫ 大学スポーツの持つ凄み。箱根4連覇の青学大、ラグビー9連覇の帝京大。
大学スポーツの代名詞といえば、最近はこの両校を置いて他にはないでしょう。圧倒的な層の厚さで箱根駅伝4連覇を飾った青学大と、大学ラグビーの世界で9連覇という前人未到の高見まで上り詰めた帝京大です。両校に共通していることは、どちらもしっかりとしたチーム作りの”思想”と”メソッド”を持ち、それを部員全員で共有していることだと思います。そして強いチームすべてに言えてることだと思いますが、「やらされている」というチームとは対極にあるということです。「やらされている」チームが結果を出してもそれは長続きせず、学生がしっかりとした自覚を持って取り組んでいるからこそ、群雄割拠の大学スポーツ界において長きにわたり王座を明け渡すことがないのだと思います。そういうチーム作りをした指導者には、感服します。しかしながら、「絶対王者」が君臨すれば、それを倒そうとする勢力もまた登場するわけで、これからはますます大学スポーツが面白くなっていくように思われます。それにしても帝京大のラグビー。日本のあらゆるメジャースポーツの中で、”アンタッチャブル”ともいわれる巨人の9連覇に追いつきましたねえ。今年はいよいよ10連覇がかかる大事な大会です。今年は久しぶりに対抗戦Gの戦いで明治に敗れ、昨年までのような「絶対的な戦力差」はないといわれている帝京大。そんな声を覆して10連覇を達成するのか否か。年明け早々に、注目の大学選手権の戦いも佳境を迎えます。
≪選外≫ 初優勝力士繚乱。栃ノ心、御嶽海、そして貴景勝に賜杯
今年の大相撲界。年間90日の本場所すべてに「満員御礼」の垂れ幕が下がり、大相撲ブームといってもいいような状況にあります。しかしその一方で、ネガティブな話題にも事欠かず。貴乃花親方のことや、横綱の休場、そして暴力事件などがありましたが、そんな「嫌な空気」を取り払ってくれたのが、横綱・大関より下の力士たちの奮闘でした。初場所で”遅れてきた大器”栃ノ心が初優勝。勢いに乗って大関昇進を決めてくれました。その次に出てきたのが御嶽海。まさかの初優勝を飾って将来の大関候補の地位をがっちりと手にすると、九州場所では貴景勝も初優勝を飾り、何と今年6場所で初優勝が3場所と、何ともフレッシュな年になりました。彼らは確かに実力者ではありますが、裏を返せば横綱・大関陣がいかに情けなかったかということの証左にもなります。横綱・大関の上位が下の者たちの挑戦を受けるというのが、大相撲、そしてファンにとって一番興奮するシチュエーションであろうと思っていますので、上位陣には来年こそは奮闘してもらいたいと思っています。
≪選外≫ 日大の悪質タックル事件。こんなことで、フットボールが久しぶりに注目を集めた。。。。
初夏の日本列島を騒がせたのが、このアメフト、日大の悪質タックル事件。その監督、コーチのあまりの非道ぶりにワイドショーが騒いで・・・・・・という図式でしたが、結局は監督と指示したコーチが辞任して、選手は戻って一件落着、となりました。ワタシはこのことについてはいろいろと思うところもあるのですが、それにしてもワイドショーの凄まじいばかりの「あることないことのあぶり出しぶりがひどかった」というのが最大の印象です。日本のアメフト、大学フットボールなんて普段はほとんどの日本人が見もしなければ話題にすることもないのに、あの頃は知った風にみんなあーでもない、こーでもないとやっていましたよね。そして事態が鎮静化すると、またぞろ元の姿に戻って、フットボールの試合なんか見もしない。。。。。ああ、やっぱり良くも悪くも、日本人だなあ。。。。そんな感じがします。マスコミ報道にあまり踊らされるのは、考え直しませんかねえ。
≪選外≫ 「本物の実力者」SBは最後にキッチリと仕事をする!
終わってみれば「やっぱりな」感が強かったのが、このSBの「日本一」ですね。今年のペナントレース。圧倒的に強いだろうといわれていたSBが夏を迎えてもまだ浮上してこないというのは、プロ野球ファン、特にパ・リーグファンにとっては、一種の驚きでした。特に上をいく西武のファンにとっては、「いつかSBが来るはず」という「追われる恐怖」との戦いの毎日でした。そして8月からそれが現実のものに。SBはそこからようやくエンジンをかけ始め、8月、9月とそれはもう、ものすごい勢いで勝ちまくりました。9月のペナントレース天王山では西武に敗れるも、「それもまた、10月に向けての撒き餌なんだよ!」というささやきが聞こえてきそうな10月、ついに「本気の本気」を出したSBは、ま~強かった。CSファイナルの西武との戦い、そして日本シリーズの広島との戦いでも、圧倒的な強さを見せて「ほらっ、本気出せば、こんなもんよ」という感じであっさりと連続の日本一をつかみ取っていきました。どこまで続く、この強さ!
【次点】
≪第13位≫ Jリーグは川崎の連覇。鹿島アントラーズはACLを制覇し、クラブW杯でも勝利!
サッカーの世界では、川崎フロンターレの活躍が目立ちました。W杯が行われたためJリーグの日程も中断の時間が長かったりでなかなか難しかったと思いますが、前半戦でロケットスタートを決めた広島がW杯明けの後半戦にずるずると後退。この間隙をぬって浮上したのが連覇を狙うフロンターレでした。終盤あっという間に広島を抜き去った後は悠々と独走態勢を築いてゴールテープを切って連覇。リーグベスト11に7人も送り込む安定感抜群の優勝と成りました。一方ACLでは、川崎があっという間に敗れ去ったのを横目に鹿島が躍動。悲願のACL制覇を成し遂げました。そしてクラブW杯でも北中米王者を破り、2年前と同じくレアルに果敢に挑んでいきました。結果は残念でしたが、また鹿島の「クラブ史」の1ページを飾る、輝ける年となりました。
≪第12位≫ 星野仙一堕つ。そしてあの鉄人・衣笠祥雄も……
プロ野球界では、1月にあの”闘将”と言われた星野仙一氏が亡くなり、春先には”鉄人”衣笠祥雄氏も亡くなりました。両人ともに、球界の「タフガイ」の代表のような位置づけのひとでしたので、まさかまさかということで、多くのファンの涙を誘いました。特に衣笠氏の逝去には、ワタシもとてもショックを受けました。あのデッドボールを受けようが骨折しようが、涼しい顔で2000試合以上連続で出場し続けたという記憶があるだけに、病気に屈してしまったとの報は本当にショックでしたね。ワタシの大好きだった「あの頃のライオンズ」の名選手である片平晋作氏も亡くなりました。昨年の「左殺し」永射保氏に引き続いての『西武黄金時代の仕事師たち』の逝去に、寂しさを禁じえませんでした。あの南海のスタンカ投手も亡くなり、何か時代の移り変わりを感じる1年になってしまいました。
≪第11位≫ 山中慎介リベンジならず 涙の現役引退
ショックといえば、この山中慎介のネリとのリベンジマッチも衝撃的でした。およそボクサーとしての信義も心意気も全く持ち合わせていない”ドーピング王”メキシコのネリを相手に昨年の8月に12度防衛したWBCバンタム級のタイトル防衛に失敗した伝説のチャンピオン・山中。その山中が「引退」という決断を先延ばしにしてこの「正義の戦い」に挑んだ3月1日の両国国技館。しかし前日、ネリはあろうことか今度は体重超過で失格。前回のドーピングによるものから、さらに悪行を重ねて上がったリングは2階級も上のウェイト。こんな「くそボクサー」を『俺たちのチャンプ』がボコボコにしてくれるのを心待ちにしていた我々ファンだったのですが、結果はあろうことか2回TKO負け。こんなひどい決着で、山中は静かにリングを去りました。この試合について、言いたいことは山ほどありますが、山中チャンプが黙して語らず、去り際にも潔い「さすがはチャンプ」という姿を見せて去っていったので、ワタシももうグチグチと言うのをやめました。振り返るにはまだ早すぎる、衝撃の3.1両国の夜でした。
【ベスト10】
≪第10位≫ 男子マラソン 日本新記録ラッシュ 大迫・設楽・服部 箱根の精鋭たちが覇を競う
長く低迷していた日本マラソン界が、本当に久しぶりに活気づく年になった2018年。まずその先陣を切ったのは東京マラソンでの設楽悠太でした。前年の福岡国際で大迫傑が2時間7分台の好記録を出してその固い殻を破ると、設楽は後半ぐいぐい追い上げてなんと16年ぶりの日本記録を達成。2時間6分11秒という見事な記録で、陸連からの報奨金1億円もゲット。そしてそれを見ていた大迫は、ボストンマラソンでなんと2時間5分50秒という、「日本人夢の5分台」という日本記録をたたき出しました。アメリカを拠点にプロランナーとして研鑽を積む大迫は、「彼は他の選手とはちょっと一味違う」という凄みを感じさせてくれましたね。そして12月の福岡国際では、「遅れてきた大器」服部勇馬も見事な走りを見せて優勝。この3人に井上を加えた4人の”箱根ランナー”達による共演で、日本マラソン界は一気に東京五輪に向けての視界が良好となってきています。来年9月のMGCによって東京五輪の代表が決まりますが、お互いけん制することなく「世界で戦えるレース」で覇を競ってほしいと思っています。ようやく箱根駅伝が「マラソンには悪影響しか及ぼさない」なんていう風評を吹き飛ばしてくれそうな「有名箱根ランナー」たちの競演に、ワクワクが止まりそうもありません。
≪第9位≫ 最後の最後まで、輝きを放てなかった横綱・稀勢の里。そして貴乃花親方も土俵を後にする。
今年の大相撲界。昨年11月に起きた日馬富士の貴ノ岩に対する暴行事件の決着もつかない中で幕を開けましたが、「土俵の充実」こそがすべての基本ということで注目が集まっていました。いくつもの悪い出来事はあったものの、大相撲人気は爆発して連日の大入り満員。しかしそんな中、日本人の期待を一身に背負っているはずの横綱・稀勢の里の元気な姿は、最後の最後まで土俵上で見ることはできませんでした。昨年負ったケガの影響が色濃く残り、8場所連続休場という不名誉な記録を作ってしまいました。夏場所までの4場所で、稀勢の里が上げた勝ち星はたったの1勝。進退がかかっているといわれた秋場所は初日から出場すると、ヘロヘロな取り口ながらなんとか負けが込むことを拒否して10勝5敗。ファンは安どしたものですが、「完全復活」をかけた九州場所はまた0勝で休場。この1年は最後まで「相撲を取る」ことができない1年となりました。来年の初場所に進退がかかります。そして何かとお騒がせだった貴乃花親方は、9月にまさかの引退(退職)を発表。部屋をたたんで、さっさと角界とおさらばしてしまいました。そしてその弟子であり、今回の騒動の”被害者”だった貴ノ岩は、師匠の引退で拠り所を失い、付き人に暴行してこちらも協会の裁定が出る前に、あっという間に引退届を提出して角界を去ってしまいました。『大人気』の陰でため息をつくことも多かったなあ・・・・・・・そんな印象の大相撲の1年でした。
≪第8位≫ 世界最高峰へ 井上尚弥 村田諒太の戦い
ボクシングの世界で「日本のツートップ」といえばこの二人、井上尚弥と村田諒太でしたが、この二人の明暗がくっきりと分かれてしまいました。井上は「バンタム級のすべての団体のチャンピオンが集まる最強決定戦」であるWBSSに参戦。もとよりWBAのチャンピオンであるマクドネルを1Rで”ぶっ倒して”バンタム級に参戦してきた井上は、このWBSSの初戦でも、世界で名前の売れている元世界チャンピオンのパヤオを1R,一撃で”ぶっ倒して”世界に衝撃を与えました。今や世界のボクシングファンは、この『東洋のタイソン』に熱視線を送っていて、世界のボクシング界の話題の中心に
躍り出てきました。 一方の村田。「日本人には土台無理」と言われていた”世界最激戦区”のミドル級のチャンピオンとなり、彼の夢である「超強豪とのスーパーマッチ」に手をかけるところまでそのステージを上げていました。しかし10月、ラスベガスで行われたWBA世界ミドル級タイトルマッチで、まさかの伏兵、ブラントに大差の判定負けを喫してしまい、一歩一歩踏みしめながら歩いてきた階段が、ガラガラと音を立てて崩れ去ってしまいました。村田は今月現役続行の意思を示しましたが、GGG、カネロら『世界の超ビッグネーム』との対戦は、よほどのことがない限り難しくなったといわざるを得ないでしょう。彼が現役続行して、いったいどこにモチベーションを置くのか、そのあたりをワタシは心配しているところです。いずれにしても、ワタシにとっては二人ともが”特別なボクサー”であることに疑いはありません。2019年が彼らにとって、輝ける年になるよう、祈っています。
≪第7位≫ 西武ライオンズ ド迫力の『山賊』達が猛威を振るい、10年ぶりにリーグを制覇も。。。
プロ野球では、まさかが多い年だったと思います。そんな中、ディフェンディングチャンピオンであり絶対王者と言われていたSBが開幕から何か乗り切れない戦いを続ける中、開幕からロケットスタートを決めて突っ走ったのが西武ライオンズ。その戦い方は、「打て、とにかく打って相手を粉砕しろ」というもの。その強力打線には『山賊打線』なるあだ名も付けられました。とにかく長打力がずば抜けていて、それがここという時につながっていく野球は見ごたえ満点。勝ち負けということをも超越して、見るものに驚きと興奮を与えたことは疑いがないでしょう。4番に座った山川は47本塁打に120打点と見事に「4番の仕事」を果たしてMVPを獲得。”稀代のヒットメーカー”である秋山から、”新鉄人”源田、”キャプテン”浅村、山川を挟んで森、栗山、外崎、そして復活した中村らが連なる打線は、本当にどこからでも得点が取れるド迫力の打線でした。一方の投手陣では、何と言っても「阪神から開幕前にやってきた」榎田の大車輪の活躍が秀逸。そこに最多勝の多和田や菊池などが絡んで、層の薄さを指摘され続けながらも、何とかやりくりが付いた1年でした。9月の戦いはまさにファンを興奮のるつぼに叩き込んだ戦いでしたね。SBとの天王山を5勝1敗、そして逆転満塁弾とか、サヨナラとか、とにかく毎日が劇的な試合ばかりで、昨年の最初のころまでは「元ファン」という立ち位置で冷ややかにチームのことを見ていたワタシにも、かつてのコーフンを思い起こさせてくれました。しかし、打撃のチームの悲しさか、CSでは投手陣が滅多打ちされて、「優勝したのに日本シリーズなし」で終わってしまいました。しかもシーズンが終わると、毎年恒例の「それ急げ、チームから脱出するのは今だ!」とばかりに主力が何人もチームを去るハメに。来年はどんなチームになっていくんだろう。。。。。苦難を力に変えることができれば、辻監督は森監督を超えることができるんだけどなあ。
まあでも、本当に今年の戦いを見ているのは楽しかった。久しぶりに西武の野球にどっぷりとつかった年になり、個人的にはとてもよかったといえますね。
≪第6位≫ 「大迫ハンパね~」W杯日本サッカー。歴史に名を残した。
「4年に一度のお楽しみ」サッカーのワールドカップが開かれました。その日本代表ですが、大会が始まる1か月半ぐらい前までは、頭の上にドよ~ンという黒雲がかかっている感じの雰囲気でしたね。昨年後半から、全く機能しないチームと低いモチベーション。「本当にW杯、大丈夫なの?」と言われていましたが、そこで協会が大ナタを振るってハリルホジッチ監督を解任。西野監督を後任に据えて「最後の賭け」に出ました。そしてその賭けは見事なまでに大当たり。日本は前回大会でボコボコにされたコロンビアとの初戦でまさかの勝利。第2戦のセネガル戦も見事な戦いでドローに持ち込みました。「大迫ハンパね~」が流行語化してくる中迎えた第3戦。日本はおよそ今までの日本代表では考えられなかった「引き分け狙い」という戦い方に終始し、見事に予選リーグを8年ぶりに突破したのでした。この戦い方には賛否ありましたが、な~にいつもは『日本代表にはマリーシア(ずるがしこさ)が足りない』なんてさんざん言われてた中で決断した西野監督の胆力に、ワタシは感服しました。そして迎えた決勝トーナメント1回戦。相手のベルギーには「日本戦は楽勝」と思われていたようですが、どっこい素晴らしい戦いぶりで2点を先取。ベルギーの顔面を蒼白にする見事な戦いは、世界に「日本強し」ということを植え付けたことでしょう。そこから反撃にあって同点にされ、そして最後はカウンター一閃。優勝候補の底力を見せられて一敗地にまみれましたが、こんなにコーフンするワールドカップは、今までありませんでした。見事な戦いぶりは、日本がまた一つ殻を破ってことを現していましたね。そして新たなチームでの船出。全く新しいメンバーが、生き生きと動き回って日本のサッカーを新たな地平にいざなってくれそうです。今年はサッカー界にとっても、本当にいい、輝ける1年になりました。
≪第5位≫ 平昌五輪 輝ける日本のアスリートたち
様々なスポーツの大イベントが目白押しだった今年2018年ですが、年明けから冬場は、冬季オリンピック一色でしたね。こちらもまた素晴らしいアスリートたちが、日の丸を背負って生き生きと世界にその力を見せてくれました。オリンピック後に国民栄誉賞を受賞したフィギュアの羽生選手の鬼気迫る演技は、世界のフィギュアファンを魅了しました。すでにスピードスケート界ではアンタッチャブルな存在になっている小平選手は、圧倒的な強さを見せて金メダルを獲得、女子パシュートの高木美保選手も素晴らしかったし、お姉ちゃんが金メダルというのも良かったですね。金には届かずとも、ジャンプの高梨沙良選手や複合の渡部選手なども素晴らしかったし、スノボの平野選手は圧巻でした。さらに人気に拍車がかかり今年の流行語大賞にも選ばれた「そだねー」のカーリングの日本チームの選手たちのさわやかすぎる笑顔に、期間中ずっと癒されていた気がします。こうしてみると、やっぱりオリンピックというのは、本当に大事なイベントなんだなあと思います。掛け値なしに国が一つにまとまる瞬間って、普段はなかなかありませんからねえ。こんなに「スポーツの力」を感じることはなかなかないだろうから、やはり次の東京オリンピックにも、期待しちゃいますね。すべてのオリンピックアスリートには、「ありがとう」の言葉しかないです。
≪第4位≫ 大谷翔平の世界挑戦 二刀流はもはや「世界標準」
昨年から待ちに待った大谷翔平の「MLB二刀流挑戦」は、春に始まり素晴らしい成果と少しの心配を残して1年目の幕を閉じました。大谷のポテンシャルを信じて疑うところはなかったワタシですが、それでもバッティングであれだか素晴らしい成果を収めるとは思いませんでした。バッティングは完全にMLB仕様に作り変え、MLBにアジャストしていった大谷という選手のすばらしさには、本当に舌を巻きます。よく言われる「まっすぐという球種はない」という微妙に変化するMLB投手の球を、よくもあれだけ見事にとらえ続けましたね。主にそのバッティングで大谷は、アメリカ中の野球ファンをうならせることに成功しました。一方165㎞/hの速球を操る投手としては、懸念された通りひじに故障が発生してしまいました。これはもう、日本の投手がMLBに挑むときの「お約束」になってしまっているかのようなもので、致し方ないですね。環境も違い相手も違い、マウンドも、ボールまでをも違う中での投球となりますから、最初からビュンビュン行くよりも、しっかりとリハビリをしてアメリカに慣れて、そこからまたギアを上げて行ったらいいと思います。しかしアメリカのファンは、大谷が海を渡る前は「2刀流なんて、成功するわけないだろう。ここはアメリカだぜ」と言っていたもんですが、いざ大谷が涼しい顔でその凄さを披露すると、「投げて打って、野球の原点を見る思いだ」と手のひらを返し、その面白さに気付き始めたということのようです。来年は投手としてはマウンドに立たず、バッターとして1シーズンを過ごすようです。実はワタシ、「大谷がバッターとして1シーズンを過ごしたら、いったいどんなことになるのだろうか?」と日本にいるときから思ったりしていたので、そういう点において来季はとても楽しみになってきました。またまた「大谷さ~ン」とアナウンサーに敬意を込めて呼ばれるシーンが多発することを祈念して、来季も応援に熱を入れたいと思います。しかし、エンジェルス自体は今、どうしようもないぐらいダウントレンドになってしまっていますね。メンバーを見ただけでもとてもワールドシリーズは狙えないなあとため息が出ちゃうことしきり。大枚が飛び交うアメリカでチーム作りを誤るとこうなるということを、如実に見せつけられているようです。まあ逆説的に言えば、サラリーキャップを制度化すれば、チーム作りに失敗すれば自分(自チーム)でそのツケを払わねばなりませんので、そう簡単に「こいつも獲って、あいつも獲って・・・・・」とはいかなくなるってことですよね。日本も導入、いかが? 数年は我慢しますので、エンジェルスも何とか大谷が在籍しているうちに優勝を。。。期待しています。
≪第3位≫ 大坂なおみ 全米オープンを制覇!
ここ数年、日本のテニスファンの注目は、すべて錦織圭の一挙手一投足に注がれていました。それはそうですよね。全米オープン準優勝をはじめ、グランドスラムのタイトルも手に届くようなところで日夜戦っていますから。その全米オープン、錦織が順調に勝ち進んでいるのと並行して、新しいスターもまた、快進撃を続けていました。そう、大坂なおみ選手です。とにかくそのストローク、サービス、ボレー・・・・、見事なまでにパワフルでキレがあって、「こりゃあハマったら、すごい選手になるな」と言われてはいたものの、まだまだメンタル面でむらがあって1大会を完璧に戦いきるというところまで自分を高めてはいませんでしたが。。。。。。今年の全米オープンで、彼女はその自分の殻を見事に破って、決勝ではあの”女王”セリーナ・ウィリアムスを破って見事に優勝を遂げました。一気に世の中に飛び出したライジングスター。彼女のその戦いぶりは、日本中に熱狂の渦を巻き起こしました。とにかくこの全米での彼女の戦いぶりはまさに「スーパー」という言葉以外形容のしようがないほど完璧でしたね。サービスゲームは完全に安心して見ていられましたし、リターンゲームでも「いつあのバズーカのようなリターンが炸裂するか」とワクワクしていました。そして勝った後のチャーミングなインタビューっぷり。そりゃ、人気も出ますよ。まだまだ彼女は21歳になったばかり。彼女の前には大いなる明るい未来が広がっています。いったいどれだけ大きな選手になってくれることでしょう。『世界がひれ伏す』そんな選手になるという未来も、夢想してしまいます。またまた来年からも、”深夜の絶叫”が日本全国で響き渡ることでしょうね。その回数が多ければ多いほど、彼女が決勝のあと高々とトロフィーを掲げる姿が、増えるんじゃないでしょうか。そして錦織も復調気配。今期の朝ドラじゃないけど、二人のスポンサーである日清食品、すごすぎるんじゃないの?
≪第2位≫ 史上最強! 甲子園は、大阪桐蔭のためにあるのか?!
やはり今年も甲子園は熱かった。史上最強レベルに”暑かった”甲子園で輝いたのは、大阪桐蔭以外にはありません。あのPLでも中京でも、はたまた海草中でも和歌山中でも成し遂げられなかった2度目の春夏連覇という大偉業は、甲子園100回大会という節目の年に、現代高校野球最強の絶対王者・大阪桐蔭によって成し遂げられました。昨年は春の選抜を制し、そして夏も有力視されていたもののまさかの逆転サヨナラ負け。涙で甲子園を去った大阪桐蔭。今年のチームは、旧チームから根尾、中川、藤原、柿木らキラ星のごとくスーパースターが残り、この”夏の悔しさ”からチームが出発しました。「こんな選手の力量の高いチームがよくここまでまとまって戦うものだな」ワタシはいつも、大阪桐蔭のすばらしさをかみしめて試合をみています。大型選手が揃った強力チームは数年に一度ぐらいの頻度で甲子園にやってくるのですが、甲子園で最後の最後まで勝ち切るなんてことはまずありません。どこかで足元をすくわれるものです。しかし大阪桐蔭は、勝ち切れる。 その戦い方を見るにつけ「リスクの管理もきっちりやっているしモチベーションも高い。やはり並みの高校チームではこの大阪桐蔭というチームは倒せないな」と思います。それでも今年の大会、こんな死角のないチームでも危機を迎えたことはありました。それが北大阪大会準決勝のライバル・履正社戦。今は高校野球の予選も動画配信されているので見た人も多いのではと思いますが、9回2死まで追いつめられた戦いでした。とにかく履正社が「あっぱれ」という乾坤一擲の試合っぷりを見せてくれて、「あの大阪桐蔭がまさか敗れるのか……」と、ドキドキの試合でしたね。しかし追いつめられてから、涼しい顔で逆転を見せ見事に勝ち切った。。。。。そこにこのチームの『強さの真価』を見た思いがしました。 そしてこの試合を超えた後は、決勝も甲子園でも、全く行く手を遮る敵は全く現れることはありませんでした。この地方大会準決勝のライバル対決を超えたことで、チームは2段階ぐらい強くなったんじゃないでしょうか。そしてまさに「完ぺき」と言える甲子園での6試合を戦い抜き、彼らは栄冠にたどり着いたのでした。大会が終わると、ファンのお楽しみでもある「高校野球史上最強のチームはどこか」がそこかしこで議論されていました。「なるほどなあ・・・・・」という見解を出すファンも多くワタシもいちいち楽しんでそれを見ていましたが、ワタシが言うとするならば、高校野球史上最強のチームは、トータルで見て今年の大阪桐蔭で間違いないのでははないかと思います。それは「力と技」だけではない「層の厚さと精神的なたくましさ」が他の強かったチームと比べても1段上回っているとみるからです。中川・藤原・根尾のクリーンアップの破壊力は、高校生レベルではほぼどんなピッチャーでも打ち崩すことができると思います。しかも彼ら自身が走ることもできるため、相手投手は長打警戒だけではなく、塁に出したくもないという選手だということは大きいですね。そしてその3人を支えるバイプレーヤーたちのレベルの高さに、3人キッチリそろった投手陣。さらに彼ら自身が「過信ではない自信」を持って試合に臨んでいる。。。。。。。。もうこれは、相手にとってはどうしようもないチームだと思います。大阪桐蔭というチーム。さすがに”今年がピーク”なのではないかとワタシは考えていますが、これからどんなチーム作りをするのか、また楽しみでもあります(今年以上のチームが作れたら、それは本当にすごいことですが。)。しばらくは「絶対王者」の地位は譲りそうにない大阪桐蔭ですが、果たしてライバルたちはどう彼らを阻止する策を練ってくるのでしょうか。決して1年だけでは終わらない「壮大なストーリー」こそが高校野球を見る面白さ。さあ、これからも。。。。。。
≪第1位≫ まさに名は体を表す。吉田輝星と金足農業が、100回目の夏に輝く星となった。
同じ高校野球の100回目の夏の大会。大阪桐蔭は本当に「強さ」というものを強烈にファンの心に焼き付けてくれました。しかし。。。。そのファンが心の底から「がんばれ」と叫んだチームの存在もまた、忘れることはできません。「古き良き高校野球」の姿と重ね合わせてみたファンも多かったであろう金足農業の快進撃は、今年の100回大会の華であり、長く忘れることのできない姿だったのではないでしょうか。何しろ秋田県代表の県立の農業高校。それを聞いただけで、失礼ながら「甲子園での活躍は無理じゃないの?」という反応をしてしまうようなバックグラウンド。もちろんかつて甲子園を沸かせ、当時”史上最強”と言われたKKコンビようするPL学園と激闘を演じたチームではありますが、それから30年以上の時を経た今、当時とは比べ物にならないほど公立校が甲子園で活躍することは難しくなってきました。しかも秋田県代表。秋田県といえば、数年前までは夏の甲子園で連敗街道をまっしぐらの『野球後進県』というありがたくない異名を頂いていた地区。そんな地区代表の公立校、彼らの大会前の評判は、決して高くありませんでした。ただ注釈として、「エースの吉田は大会屈指」という評価をされていたのは確かでした。しかしながら投手も野手も、何しろリザーブがいない”9人野球”で勝ち進んできたチーム。「そんな数十年前の野球で勝ち進めるほど、最近の甲子園は甘くない」という評価が一般的だったと思います。ワタシも「強豪校は早い段階で吉田投手と当たるのは嫌だろうなあ」というぐらいの評価。ひょっとすると吉田次第では8強進出の目もあるのでは・・・・・それがMAXぐらいに考えていました。その吉田投手は、初戦の鹿児島実戦で「お披露目の好投」。見事な投球で強豪を完璧に抑え込んで「大会NO1」という評価を不動のものにしましたが、これはまだほんのプロローグでした。2回戦を快勝して迎えた3回戦の相手はあの横浜。県大会では選抜4強の東海大相模に完勝して甲子園に乗り込んできた「東の横綱」に近い評価を受けるチームでした。そしてやはり金足農は吉田の疲れもあって不利な戦いは否めず終盤まで劣勢を強いられます。しかしここで金足農の「一つ目の奇跡」が起き、2死1・2塁からまさかの大逆転3ランが飛び出して横浜をうっちゃり。このあたりから、世間がざわざわとし始めました。そして準々決勝。投打にバランス抜群の近江が相手。そしてその試合で金足農は「2度目の奇跡」を起こしました。1点ビハインドの9回にまさかの『サヨナラ2ランスクイズ』が決まって連続のうっちゃり勝ち。もうこうなると世間が彼らをほっておくはずがありません。ものすごい「金足農業フィーバー」が巻き起こり、金足農はエースの吉田が疲れを押して熱投。チームは準決勝で日大三を破って見事に決勝に進出したのでした。この決勝進出、秋田県勢にとってはなんと、第1回大会での秋田中以来99大会ぶり2度目。なんとなんと、吉田輝星がチームを引っ張り、全員がまとまって大舞台を戦い抜いての快進撃で決勝であの”絶対王者”大阪桐蔭と相まみえることになったのでした。と、ここで物語は終わりです。あだち充さんがよく描く、「最後の戦いはさらっと飛ばして、その結果を示唆するようなシーンで終わる」という手法で、この物語を締めると、余韻が残りますよねえ。決勝のことはあえて触れませんが、この夏、最も輝きを放った一番星、それは≪吉田輝星と仲間たち≫金足農業でした。もうワタシも、大会期間中ずっと、彼らの戦いにワクワク、ドキドキが止まりませんでした。いい夏でした。そして、いつまでも心に残る夏でした。
ということで、振り返ってみると実にいろいろとあった今年のスポーツ界。
取り上げることはなかったことでも、ラグビー日本代表の大活躍や広島カープの輝けるV3もありました。卓球やバドミントンの選手が、世界No1まで上り詰めていくということも、目にすることができました。
来年は冒頭でも触れたとおり、ラグビーのワールドカップが9月20日から行われます。 日本代表が夢のベスト8をつかみ取ることができるのか。
そしてオリンピックに向けて、11月には『新たなる日本のスポーツの聖地』新国立競技場もいよいよ開場します。果たしてどんな年になるのでしょうか。
海外で活躍する日本の選手たちでは、大谷の2年目はどうか、大坂なおみや錦織の活躍は?おっと忘れていた、浮上を狙う松山英樹にも注目しています。とにかく見ることがあふれていて、本当に飽きるということがないのが、スポーツの良さですね。
ワタシのブログは11年目に入ります。
最近はブログというのもSNSの中では横っちょに置かれるようになってきていてツイッターやインスタに押され気味ですが、
ワタシはこのブログというものが好きなので、
まだまだ続けて行こうかなあと思っているところです。
スポーツだけにフォーカスしているこのブログも、
通算で書いた記事の数は3000を超えるということになってきました。
他のブログを合わせると記事数は8000を超えてきました。
ワタシはとてもこのブログに記事を書くのがとても好きで、
やっぱりスポーツがワタシの人生の大きな部分を占めているんだなあと、
実感していたりします。
来年もやっぱり、
たくさんコーフンを隠し切れずに、
PCに文字をたたきつけられると嬉しいなあ。。。。
そんなことを思う年の瀬です。
スポーツのチカラ
今年もこの言葉がワタシのキーワード。
来年もこの言葉を、ワタシは信じてやみません。
それでは穏やかでよい年の瀬を。