うちのペッピーノさんはもう車歴18年の旧車なので…
2年ごとの車検なのですが、車検でだけ整備するなんて言っていたらだめです。ご老体なんだから…
というわけで、法定12か月点検のため、マエストロのガレージに送り届けて来ました。
いや本当はどんな車だってそのぐらいのインターバルで健康診断は必要なんですよ。
だからこそ「法定」12か月点検というものが設けられているんです。
ペッピーノさんだって、毎日の使用でどこも悪いところは感じられなくて、絶好調なんですけど。
人間だって、病気になって倒れてから医者に搬送されるより、元気なうちに健診を受けたほうが…
経済的側面からみても合理的でしょう?それと同じことです。
で、私は父の介護や母の用事(施設訪問とわがままの対応)で毎日車を使うので…
マエストロが代車を無料で出してくれました。
こちらダイハツのタント。かなり古い型みたいですけど。
真夏の猛暑日にアイドリングのまま無茶な使い方をして、バッテリー上がりを起こした時…
マツダの「フレア」を代車に出してもらいましたけれど…
それよりもさらに古い感じ。
ペッピーノさんから乗り換えたときに注意しなければならないことは、フレアと同じで…
まず何より、ブレーキの問題。
ペッピーノさんは軽く踏んでやれば、ギューッと強く効くブレーキですが、こちらはもっと…
感覚的に手前から、しっかり踏んでいかないと、効きが悪くて慌てることになります。
同じ感覚でいると危ない。
あとはハンドルの回し方で、ペッピーノさんはクイックなステアリングのギア比なので…
曲がり角などでも、手の位置を持ち換えて1回グイっと切るだけで曲がれましたが…
代車では、グルングルンと盛大に回さないといけない。
ペッピーノさんの感覚でいると、左折のときなど対向車線にはみ出しそうになります。
その代わり、最大切れ角は大きいので、車庫入れなどは驚くほど容易ですが。
アクセルも、特に少し急な上り坂では、思い切り踏んであげないと登って行かない。
などなど。まあ慣れなのですが、こちらに慣れると、またペッピーノさんに乗ったとき…
ブレーキ、アクセル、ハンドルなどの反応が敏感過ぎる気がして、びっくりします。
まあ、10分も乗ればまた元に戻るのですけれど。
それよりも、困ったことがあります。
運転感覚がどうこうより、ずっとずっと深刻な問題です。
実は、真夏に代車を使ったときよりも父の足がさらに衰えていて…
軽自動車の座席に「よじ登る」のがさらに困難になっていたのです。
前も書いた通り、ペッピーノさんに乗るとき父は、まずシートにストンとお尻を落として…
それから足を一本ずつ引っ張り込むような形で、自分ひとりで乗り込めたのです。
ところがタントのシートは、座面が高すぎて父がお尻を落とすことができない。
仕方なく、ドアのしきいをまず足でまたいで上がらなければならないのですが…
軽自動車の車高でも、足を上げることがなかなか難しいのです。
まず手を添えて介助してあげて、やっとこさ足を上げてしきいをまたいでから…
今度は足に力を入れて「よじ登る」ようにして乗り込むのですが…
それも、力をいれて後ろから押してあげないと、登れない。
それ以上に大変なのが下りるとき。あの程度の高さでさえ「怖くて下りられない」というのです。
仕方なく、抱えるようにして介助して、ゆっくりゆっくり下ろすことになります。
ところが、後席がスライドドアだったフレアと違って、このタントは普通のドアです。
狭い駐車場で隣の車との距離がないと、この作業が困難を極めるのです。
これだけで、父も私もお互いに疲れてしまう。
こういう状態になったら、本当は車いすを使って、車いす対応の自動車を使うべきかもしれません。
でも、杖をついて、なんとかよちよちと、カタツムリのようにでも前に歩みを進められるうちは…
自分の足で歩いた方がいいと、リハビリの先生からも言われていて。
車いすになったら一気に体力が衰えて、足だけでなく、全身状態が悪くなる可能性もあると。
なので、まだペッピーノさんになら自分一人で乗り込めるのですから、もう少し歩いてもらおうかと。
というわけで、なるべく早いペッピーノさんの復帰が待たれるのですが…
軽自動車や、ワゴン車(ミニバン)SUVのような、シートの位置が高い車だって…
お年寄りが乗り降りしやすい、特別な仕様を作ることは可能だと思うんですよね。
たとえば、海外の低床式の路面電車とかバスにあるみたいに、ドアが開くと…
2段ぐらいのステップが自動的に出て来て、上りやすい仕組みになるとか。
日本人は、工夫してそういう細かい機構を作るの、本来得意なはずだと思うんですが。
これからますます高齢化が進んだとき、必要になる機構だとも思います。
「年寄りは諦めてさっさと車いすに乗って、車いす用の車を使えよ」というのは違う気がする…
のですが、どうでしょうね。
メーカーには、弱者の立場に立った車づくり、もっと考えてもらえないでしょうか。
お年寄りの割合が世界一高い「老人の国」日本、そして今後さらに高齢者率は高くなるのですから…
そういった、国内向け特別仕様車があっても良いのではないかと。
代車の使用で四苦八苦しながら、そんなことを考えました。
今の日本「弱者に優しい」仕組みが、かつてに比べて大分整備されてきているとは思うのですが…
(たとえば駅のホームや歩道橋にエレベーターを設置することとか)
超高齢社会に向けて、さらにもっと、工夫と投資が必要だと思います。
あとは、人の心の問題もあります。
社会的弱者優先のエレベーターを、お年寄りや体の不自由な人、妊婦さんなどのために譲らずに…
健康な壮年が、我先に乗り込むようなのは、やめてほしいです。
狭い通路やエスカレーターの乗り降りなどで、お年寄りや小さなお子さんがいて…
もたもたしていると、露骨にイライラした感じで舌打ちするおじさんがいたり。
そういう人のために、少しだけ待ってあげることもできないような…
そんなギチギチな時間の使い方、働き方、暮らし方は、もうやめましょうよ。
今年のGTPがドイツに抜かれて、世界4位になる見込みだと、IMFから発表があった日本。
今後近いうちに、インド、インドネシアなどにも、次々とGDPで追い抜かれて行く見込み。
円が弱いことや、海外のインフレ率が高いこともあります。
旧態依然とした年功序列の職場の仕組みや、時間ばかり長い非効率な労働の仕方…
働く人の賃金を上げようとしない、必然的に、物価もむやみと上げられないなど…
改めるべき点が、多々あるのも確かでしょう。
でも、少子化で人口そのものが減り始めている今。この流れはもはや止められないと思います。
同時に高齢化で、生産できる世代、働ける世代の人口が減りつつあります。
無理やり高齢者を働かせるとしても、IT革命による急激な労働の内容、労働環境の変化もあって…
それでは、生産性が落ちることが、どうしても避けられません。
職場で「老害」「爺さん婆さんなんか使えねえ」と文句を言われながら働く高齢者も悲惨です。
こうなったのですから「外国に負けるな!」「世界に冠たる日本の〇〇」という考えは捨てて…
人口も経済規模も小さいけれど、持っているものをシェアし合って、老いも若きも平和に暮らす。
競争社会でなく、共生社会をめざす。
少ないパイでも、みんなで分かち合う。
そんな国になる、という風に、発想の転換をしたらどうでしょうか。
GDPで他国に抜かれて行っても「どうぞお先に」と、トラックの後ろに書いてある標語みたいに考えて…
マイペースで、ゆっくり安心して走る社会に変えて行く。
明治維新から「西欧列強に追いつけ追い越せ」「負けるな」で、150年以上駆けて来た日本。
ここらでそろそろ、根本から国の在り方、人々の考え方生き方を、見直した方が良いのでは?
いろんな社会現象を見ていても、もう限界なんじゃないか、と思えます。
「富国強兵」の続きを今後もやっていたら、逆に滅びへの道をまっしぐら、になる気がします。
あくまでもこのまま突っ張って、戦争や災害にもあって、一旦国としてめちゃめちゃになってから…
ゼロからの「解体的出直し」をする、というのは、あまりに犠牲が大きすぎます。
私やあなた自身や、その大切な子や孫が、無事に生き残れず無残な最期を遂げるのは悲しいでしょう?
それよりは、プライドを捨てて、考え方を改めて…
弱者にも優しい、分かち合う社会を目指す。
本当の意味での「和」の精神で…
経済先進国から優しさ先進国へ
一旦滅びてからの、ガラガラポンでもう一度出直すという、ハードランディングよりは…
ソフトランディングで出直した方が、みんな幸せなんじゃないでしょうかね。
少なくとも私は、そちらを選びたい。
どうでしょうか?