先ほど上げた記事を受けて、角度を変えて、ちょっと違うことを書いてみます。
きつくて汚くて報われることの少ない、誰もが嫌がる仕事は、家族(の中の多分女性)に押し付ける…
それでも足りない手があるだろうから、低賃金の外国人を雇う必要がないぐらいに、貧しい日本人を大量に生み出す。
そうした「鬼畜の政策」と先ほど書いたものが実を結ぶよりも前に…
この国は戦争に突入して…もしくは、未曽有の(みぞうゆうではない笑)天災に見舞われるのをきっかけにして…
崩壊して行く可能性が高いです。
騙すものも、騙されるものも、もろともに。露の如く、風の前の塵の如く…
とはならず、本当に国が危うくなったら、特権を持った人たちはさっさと逃げ出すのでしょうけれど。
(でも、どこに逃げてもろくな死に方は出来ないよう、呪ってやりますよ)
そして、あとには何が残るのか。生き延びた人たちは、どんな目に遇うのか。
滅びの予感、一つの時代の終わりが違づいている予感、そこから来る、なんとなく不安で寂しい気持ち…
実は、多くの人の心の奥に、あるような気もします。
平安時代の後期以降、日本人の心の中に根差してきた、無常観。
ちょっと話がズレますが、それに近いものが、実は西洋にもあるのですよ。
とくに、日本人が、近代化の過程であまり学んでこなかった、地中海沿岸の土着民や、北欧の原住民など…
もともと多神教を信仰していた人々の中にある「はじめ」と「おわり」の感覚。
「神」たちにも情動があり、葛藤があり、彼らも生まれたり死んだりするのだという発想。
形あるものも、ないものも、いずれは滅び去り、移り行き、変容するのだという世界観。
そうした感覚を持った、欧州の原住民たちのもとへ…
後から、中東地域(おそらく淵源はいまのシリアあたり)で生まれた一神教が伝わってきて…
その影響が強かった地域では、古い感覚は意識の下層に押し込められている。
宇宙の初めから存在し、永遠に存在し続ける絶対的な神の存在、という概念に表層を覆われている。
滅びゆくものへの哀惜や、そこに美学を見出す感性も、ギリシャ神話などを見ているとよく見られます。
それに対して、天皇を絶対無謬の存在とし、正面から「現人神」として崇め、皇統を永遠無窮の存在のようにみなす…
こちらは、日本人の思想としてはかなり新しいものであって…
それが「メジャー」になったのは、明治期の近代化以降に、キリスト教の「神観念」をまねて…
というか、それに対抗しようとして、普及させたものだと私は思っています。
「西洋人の神だけが不滅なんじゃないぞ。おれらのカミだって恒久不滅だ!」ということで。
でもね、繰り返しますが、それは借り物の、付け焼刃の考え方なんですよ。
後付けの「思想」なんかじゃなく、神話(もちろんフィクションです)の原典を見てください。
カミたちも絶対的で不可侵な存在ではなく、過ちをおかしたり、拗ねちゃったりもするし、生まれたり死んだりする。
そしてすべては生生流転する、相対的で、有限な存在なんだという考え方が…
古来、この島々に住んできた人々の、オリジナルの考え方、感性なんじゃないでしょうか。
そうした感覚に立ち戻って、静かな心で今の世界や、この国を観察してみると…
やはり確実に、ひとつの「時代の終わり」が近づいていることを感じます。
感じませんか?
繰り返しますが、みんな心の奥底でそれを感じているから…
なんとなく不安だったり、そこはかとない寂しさを感じているのでは?
そんな心の奥をあえて見ないように、目をそらすように努めて、日常の仕事や楽しみにかまけるようにしている。
そうではないですか?
そしてこの国では、来月か、再来月あたりに、衆院の解散総選挙があるのではないか…
という憶測が流れています。
個人的には、それが「日本の終わりが始まる」選挙になるのではないかと思っています。
関心とか投票率とかが、低くても高くても、どちらにしても。
具体的には、現在、衆院で野党第一党の立憲民主党は、壊滅的な大敗を喫することが避けられないでしょう。
壊滅した結果、分裂し、二つの小党になるか、一方は保守系政党に合流するかになると思います。
代わりに、日本維新の会が躍進するのではないかと。
その結果を受けて、まもなく大きな政界再編が起きる予感がします。
維新の勝利の度合いによるかもしれませんが、選挙後には、維新の会が自民党に寄り添い協力する形になり…
結局は、自民党とともに連立与党の一角を占める可能性も、かなり高いのではないかと思います。
強い改憲志向、排外主義、サヨクへの憎悪、人権に対する嫌悪…などといった、基本的な属性で…
維新と自民党右派は共通しますから。
安倍晋三氏の死によってリーダーを失った自民党右派を支え、補完する役割を、維新が果たすのではないでしょうか。
そうして「大連立」が完成したなら、日本は改憲への道を、加速して走ることになるでしょう。
歴史が大きく動くとき、そのスピードは、安定した社会に暮らしていた人々の想像を、はるかに超えるものになります。
たとえば、ヒトラーが初めてドイツの首相になったとき…
連立内閣の閣僚に、ナチス党員はたった3人しかいませんでした。ナチス党の国会の議席占有率は、30%台でした。
それからわずか2か月後に、ドイツを独裁国家へと導くことになる「全権委任法」が成立し…
6か月後には、ナチス党以外の政党が非合法化され…
10か月後には、内閣の閣僚も国会議員もすべて、ナチス党が独占することになったのです。
歴史はしばしば、いったん動き出すと、増水して奔流となった川のように速度を速めて行きます。
こんど衆院の解散総選挙があったら、それがトリガーとなって、思いもよらぬ速さで国が動きそうです。
その先にある社会の危うさを、先日参院法務委員会で行われ、大変な物議をかもした…
梅村みずほ議員(維新)の質問動画を、切り取りや編集のない形でお見せすることで、知っていただきたいです。
梅村議員はこの質疑が問題化して、身内である日本維新の会から、超速で法務委員を解任されましたが…
翌日から代わって委員になった、同じ維新の会の音喜多駿議員は、梅村議員のように感情を爆発させないだけで…
言っている内容は、事実上、全く変わらないものでした。
梅村議員は問題になった発言について、今のところ、ひとことも謝っていませんけれど…
音喜多議員も、梅村氏の発言を「不適切でした」と一応言いながら、全く同じことを話しています。
要するに、感情に流された部分だけが不適切で、話の中味は全くもって正しい、という姿勢ですね。
本当にヤバいです。維新。
おそらくさらに力を持ったら、自民党右派よりヤバくて、道理も理屈も何もなく、めちゃくちゃをやるであろうと。
そもそも、候補者、そして当選した議員にもズブのしろうとが多くて…
新しく候補者に立てる人たちに対して、政治家とは、議員とは何なのか、基本を説明するセミナーを催すぐらいです。
その政党が参加した政権ができたとしたら、自民党右派だけの政権よりも悪魔的にヤバいですよ。
あっという間に、こんなブログを書くこともできなくなるかもしれません。
梅村議員の発言、フル動画をご覧いただく前に…
一種の説明を、書いておかないといけないでしょう。
でないと、彼女がこの発言をすることになった事情を、基本的に分からない方もいらっしゃるでしょうし…
梅村氏の扇動的な態度に圧倒され、彼女をヤバい人と思わず、雰囲気だけで共感してしまう人がいると思われます。
背景の事情を簡単に説明すると…
名古屋入国管理局に、滞在許可が切れているということで収容されていた、スリランカ人女性…
ウィシュマ・サンダマリさんという人がいました。
語学留学生として来日したものの、日本で同居していた同国人の男性からDVを受けて、逃げる中で…
学校を休みがちになり、家族からの仕送りも受けられない状況になってしまったため、学費も滞り…
学校を除籍になり、同時に滞在許可が取り消されて、不法滞在状態になってしまいました。
DV加害者の男から逃げれるため、交番に駆け込んだところ、名古屋入管に送致、収容されることになりました。
一般的に、DVが原因で不法滞在となった人物に対する入管の内規として、次のようなものがあります。
「DV被害者本人の意志に配慮しながら、人道上適切に対応しなければならない」
「DV被害者が配偶者からの暴力に起因して旅券を所持していない時は、在留資格を交付する」
これに従わず、長期収容となったこと自体に、そもそも問題がありました。
当初、ウィシュマさんはスリランカに帰国することで、DV男から逃れたいと希望していました。
しかし、帰国のための旅費を工面することが、実質上不可能な状態であったこと…
(出入国在留管理庁の見解です)
またパートナーから、帰国したらスリランカに連絡し、現地在住の彼の家族や仲間から「罰を与える」と脅されたこと…
そして、日本で保護をしてもらえる支援団体がみつかったことから、在留して保護を受けたいと考えるに至りました。
そのうちに、入管の収監房内で病を得て、体調が悪化したウィシュマさんでしたが…
繰り返し「病院に連れて行ってほしい」と訴えたにも関わらず、拘留を続けられて…
しかも、監視カメラの映像から、入管の管理者や看護師たちから、人権無視の虐待を受けていたと判断され…
最終的には、外部の医師の診察で、外の病院での詳しい診察及び点滴等の治療が必要、という判断がなされた。
にも関わらず、拘留が継続され、ついには死亡に至ったという事件です。
この事件が、改正入管法の審議の材料として取り上げられたのに関連して…
維新の梅村議員は、ウィシュマさんの病気を…
「実は、ウィシュマさんの詐病(仮病)だったのではないか」と。
(死ぬまで仮病を使い続ける人、続けられる人がいますかね?)
「それは、支援団体の人物が『病気になれば在留許可が出る』とウィシュマさんをそそのかしたからだ」
と、参院本会議で主張したのです。
ちなみに梅村議員、ウィシュマさんが支援団体関係者の入れ知恵で「詐病」を行った、という主張のほかに…
「死の原因は、実はハンガーストライキだったのではないか」とも口走っていました。
ハンガーストライキというのは、ある事象に抗議するために、その抗議の意思を公に掲げて食を断つ行為です。
「詐病説」と「ハンガーストライキ説」は全然違うのに、ごっちゃにしゃべっているのがそもそも滅茶苦茶なのですが。
ハンガーストライキだというからには絶対に必要な、ストライキの目的の公表は、どこにも記録がない。
詐病に関しても、何の証拠もなく、民間の支援者と会った翌日から病気が始まったという、ただそれだけの事実から…
詐病ではないかと決めつける。
ウィシュマさんはあくまでも詐病(仮病)が原因で死んだ。悪いのは、そそのかした支援団体ではないかと。
はっきり言って想像、憶測と、言葉の定義についての無知と、無理無体なこじつけの果てのいいがかりです。
要するに、入管法改正には賛成。
問題が出た人は全部、有無を言わさず強制送還させてもらう。
日本の入管の体制や法律にも、その時点での間違いはなかった。
だから、もっと厳しい法規定を作って、不法滞在者は速やかに強制送還すべきである。
問題があるのは、そうした入管収容者に対して、拘留中におかしなことを吹き込む、支援団体なのだ。
というのが彼女の主張。
それに対して野党や世論から、あまりにひどい暴言だ、と轟轟たる避難の声が上がり…
立場が危ういと思った梅村議員が、法務委員会で自己弁護をする形で行った質疑が、この動画になるわけです。
ここでひとつ、この質問と、それに対する官僚や法務大臣の答弁を聴く際に、大前提としてわきまえておきたいこと。
それは、国会というのは法律を作ったり、それにまつわる「行政の運用について議論する」場であるということ。
あくまでも国会議員は、立法と、行政サイドの法の運用状況について、質問し議論する人たちであるということ。
民間の支援団体の言動や、あり方がどうこうというのは、法務省や大臣、国会議員が議論する範疇のことではない。
(その民間団体が、行政と正式な業務委託契約を結んでいたりする場合は別ですが)
国会や行政の側から、民間の個人や団体の行動を監視・規制するというのは、現在の法体系の中では…
あまりにも明白な越権行為であり、言論や結社の自由への、重大な侵害につながります。
従って、梅村議員が国会の場で、法務大臣にしつこく「支援団体のあり方についてどう思うか!」と詰め寄るのは…
お門違いも甚だしい所であって、そういう話は国会ではなく、自分の講演会か何かでするものだということ。
なので、さすがに自民党の法務大臣も、その場では答えようがなくて…
下手に、民間人の行動に介入するようなことを言わずに済むよう、慎重に答弁をしています。当然です。
それでも、泣いたかと思うと、急に怒鳴りつけて脅したり、我々には「免責特権があるんです!」などと…
国会議員は制限のない権能を持っているかのような、デマだかミスリードなのだかわからないことを言い立てています。
「敵」すなわち人道支援団体には、どういう事を言って入れ知恵をするのか、そのあり方を問題にしろと主張し…
「味方」つまり自分のような愛国的国会議員には、タブーなく発言する権利があると、主張する。
敵なら問題で、見方ならいいという、典型的なダブルスタンダードじゃないですか。
私たち国民は、国会議員にあらゆる権能を与え、全権を委任したわけじゃないですよ。
それこそ、ナチスの全権委任法じゃあるまいし。
要するに梅村議員は、激しい感情をあらわにすることで、なんとか自己弁護をしたかったというのと…
国会の場を利用して、人権擁護などする「サヨクな」団体は、断固攻撃しなければならない、ということで…
ネトウヨみたいな人…ネットなどの言論空間の野犬を駆り集める「犬笛」を吹きたかったのでしょう。
ちなみに本会議でした梅村議員の質問は、音喜多議員も党を代表して、原稿を見て了承したもの。
つまり、維新の会として、容認した発言だったわけです。
国・行政が、いち民間団体の行動まで監視し、コントロールするような社会に、日本をしたい、すべきだと考えている。
それが彼ら、維新の会の基本的な姿勢なのですね。
ちなみに梅村議員は、先の日本維新の会の代表選挙の、候補者になったほどの有力メンバーです。
国家が、民間の発言や行動まで細かくチェックして、そこに介入して行く。
言うことを聞かない個人や団体は、権力を使って取り締まる。
自由や人権よりも、国家としての秩序や方針の方が、優先される社会。
それは、中国や、ロシア、北朝鮮などと、どこが違うのでしょう?
「あいつらがやることだから悪で、うちらのお上がやるならば良いのだ」と?
世の中を「いいもん」と「わるいもん」、「敵」と「味方」に分けて、誰が言ったか、誰がやったかで善悪を決める…
そんな、究極の「立場主義」が、実は多くの大衆の中にも、拡がってはいないでしょうか。
そういう人が、梅村議員の発言を聞いたら、むしろ「よく言った!」と思うのでしょうね。
あなたは、どう感じますか?
こういう人たちが、国を動かせる立場になって行くことを、黙って見ていても大丈夫だと思いますか?
もしも大丈夫ではなくなってしまった場合に、あなたは、あなたの子どもや孫たち世代から…
「なぜ防げなかったのか、その間に何をしていたのか」と問われたときに、答える言葉を持っていますか?
では、動画をどうぞ。長いですが、ぜひご覧ください。
お時間がない方は…いつか思い出した時にでもご覧いただくとして…
とりあえず、その後にリンクしておいたMV…YOASOBIの『怪物』をご視聴いただいて、締めとしてください。
【涙・怒・怖】梅村 みずほ 法務委員会 質疑(2023/05/18)