「高齢ドライバーいじめ」の日本の報道… 事故を起こすのは10代が圧倒的に多い!
最近ニュースでは、高齢ドライバーによる事故が連日のように報道され、高齢者が車を運転する事の危険性が、テレビのニュースやワイドショーなどで頻繁に取り上げられている。
このため、高齢ドライバーに対する世間の風当たりは日増しに強まって「高齢者の免許更新の際には、より厳格な認知機能検査や運動能力検査を課すべきだ」「更新の期間も1年~半年に短縮すべきだ」的な議論まで起こっている。
また、高齢者ドライバー自身やその家族にも「事故を起こす前に運転免許を返納する・させること」へのプレッシャーが、圧し掛かっていて、免許返納による事故リスクの回避と、返納後、何年続くか分からないさまざまな生活上の不便・不利益との間の葛藤は、想像するだに心苦しい。
ところで、高齢者ドライバーはどれだけ危険なのかについては、発生した事故の報道だけで議論されていて、「客観的なデータは?」の疑問がわいたので、調べてみたら唖然(あぜん)とした。
警察庁のサイトには、年次・月次のさまざまな交通事故統計が表示されている。日本では、平成30年(2018)度に1日当たり、交通事故が1180件発生、負傷者が1438人、死亡者が約9・7人。事故の第1当事者(=最も過失責任が重い者)の年齢別・免許保有者10万人当たりの統計を見ると、10代が圧倒的に高く、次いで20代、80代以上の順で、30~70代は、ほぼ差がない。
日々膨大に発生する事故の中から、定義の曖昧な「高齢ドライバー」事故だけを抽出し、大々的に伝える報道姿勢こそが問題ではないか?
■阿部亮 北海道札幌西高等学校卒業。19歳で陸路を世界一周。ニッポン放送「阿部亮のNGO世界一周!」のメインパーソナリティ。ミャンマー、ネパール、カンボジア、ブルキナファソ(西アフリカ)に12校の学校を建設している。
日本はマスコミに限らず政治そのもの、いや国民性に、「客観性」「科学性」等と言うモノがとても希薄だ。だからだけでも無いのだろうが、株も為替も世界からオモチャにされる。