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日本歴史紀行

歴史めぐり 街物語 9 ‐ 1 静岡県 袋井市

袋井宿と袋井駅











袋井宿場公園
静岡県袋井市袋井


静岡県中西部の袋井市は、江戸時代初期、幕府を開いた徳川家康の命により東海道の街道整備が本格的に始められ、やがて東海道沿いの宿場町として発展しました。


江戸、日本橋から27番目、京の三条大橋からも27番目と、東西からの中心の宿場町として栄え、大小50軒の旅籠屋が街道沿いに軒を並べ、東西どちらからの旅人も、袋井宿を出立すると折り返し後半の旅路の無事を思い歩き始めました。







時代が明治になると、東海道に沿う形で鉄道が敷設され、やがて駅舎が設けられ、宿場町はその役割を徐々に減らさせる格好となります。


明治22年、東海道本線の静岡区間が開通し、袋井駅が敷設されて間もない12月25日、この路線の汽車に俳人として名声を高めつつあった正岡子規が乗り合わせました。




正岡子規 句碑
JR袋井駅前




この半年前に東京で喀血(かっけつ)した子規は、故郷の松山へ療養のために帰郷する際の午後6時7分、汽車は夕闇に包まれた袋井駅に停車します。


汽車の車窓から見た袋井市街は、旧宿場から約1キロ離れていたこともあり、それは寂しいものでした。

【 冬枯れの中に家居や村一つ 】


寂しい家々のぼんやり光る灯りを句に認(したた)め、その情景が目に浮かびます。












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