風薫る5月12日、花野会句会は吟行を実施しました。「青葡萄句会」と「木の実句会」からも5名の参加があり総勢13名で青葉若葉の中を歩きました。
薬師池公園は昨年6月の吟行とはまた違った薄暑の陽気、新緑の池周辺、薬師堂の護摩法要、七国峠の鶯、桐の花と多くの句に出会い、吟行の素晴らしさを実感した一日でした。
(花野会幹事:二村結季)
桐の花あまりしづかに落ちにけり 昌子
蛇を見てその血らしきを見て過ぐる 昌子
(桐の花)
草深昌子主宰選
秀逸 樟若葉蔦の緑を垂らしをり 草蛙
(薬師池)
特選 (以下清記番号順)
湧き水や毛虫の泳ぎゐたりけり 昌緒
着水の息のぴつたり夏の鴨 みわ
梅の実のまだ小さくて釣瓶井戸 翠
青蛙応へる如く浮き上がり 波
太鼓橋渡つて蜻蛉行きにけり 昌緒
老鶯の声とぶ先の電波塔 波
蓮池の水の淀みや蛙鳴く 昌緒
水馬の光まみれになつてゐる 金太郎
夏の蝶白爪草に紛れけり みわ
水漬かる蓮の巻葉の細きこと 昌緒
道真中蛇のとぐろやぬらぬらと 昌緒
蓮池に立つ細波や夏初め 小径
入選 (以下清記番号順)
奉納ののぼりの赤や竹落葉 小径
水音の坂を下るや若楓 結季
楠若葉程良い風に光りけり みわ
桐の花ここは七国峠なり 昌緒
若竹の皮一枚を残し伸び 金太郎
橋桁の陰や蜘蛛の囲光りけり 昌緒
大賀蓮の巻葉のいまだほぐれざる 小径
一行の古道行くなり花うつぎ 金太郎
何鳥か知らぬ囀り夏の森 草蛙
峠道登りつめたる桐の花 小径
峠道はじまりはここ山帽子 園子
桜の実踏みてぷちぷち土染むる 波
緑陰に白象おいて護摩祈祷 翠
木道を蛇の急いで渡りけり 翠
蓮の茎伸びて葉並のなびくなり 雪乃
蓮池の藻の多く浮き蛙鳴く 雪乃
以上
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