17音の記録 やぶにらみ

気が向いた時の記録

 俳句・無季の句 川柳と 関連記事

朝寝

2023-03-26 11:33:57 | 日記
三食を二食に減らす朝寝かな

季語 朝寝 朝の寝心地の中でも一番に挙げたいのが明け方のそれであろう。
充分な時間、熟睡していてもまだ眠たさが心地よく寝どころから離れにくい。孟浩然の「処々啼鳥を聴く」以来、わが国では鳥が朝寝を妨げるとされているのが面白い。三千世界の鳥を殺し主と朝寝がしてみたい。という都々逸もある。

例句  帰国して畳の朝寝ほしいまま 岡安仁義」

土筆

2023-03-25 08:26:44 | 日記
置土の土手ながながと土筆生ゆ

季語 土筆 トクサ科トクサ属のスギナの胞子茎である。堤や畔、野原などに群がって生える・筆のような姿が可愛らしく、蓬,蕨などと共に春の摘み草には人気がある。淡褐色の茎には節があり、節ごとに袴とよばれる輪生葉をつける。成長につれて節の間隔がのび頭部の胞子農がひとつずつ離れると緑色の胞子を飛散させる。胞子を出しきると直ぐに枯れる。摘み取ったものは袴をとって和え物煮物など食用にされて、その野趣が喜ばれる。歳時記抜粋。

例句  つくづくし筆一本の遅筆の父  中村草田男

春の闇

2023-03-24 07:51:28 | 日記
雨だれの忍がごとく春の闇

季語 月のない夜の闇や、月の出る前の暗さを言う。屋内にも屋外にもつかう。他の季節については秋の闇や冬の闇とは言わないところをみると、春と言う語のもたらす初々しさ柔らかさ、香しさをこそ闇に重ね、奥行きをもたらせた言葉と言えよう。闇の奥に咲く花の色や香り、芽吹こうとする木々の息吹、闇の奥ににうごめく生き物たち、それらの生命力を秘めた闇でもある。歳時記抜粋。 今日は旧暦で三日。十日前なので、上弦の月。したがって月の入りも早い。雨でも降れば闇夜になる。音もなく降る雨の中 恋猫の悩ましそうな声もある。 

例句 裏山の大きくありぬ春の闇  伊藤政美


2023-03-23 08:20:59 | 日記

 豆腐屋のラッパひとしお夕霞

春は大気中の水分が増えることによって、空の色・野面・山谷など遠くのものが霞んで見えることがある。横に筋を引いたように棚引く霞を棚霞という。「草霞む」「山霞む」「鐘霞む」などとも用いられる。歳時記

掲句 朧とか霞むと聞くと春たけなわの感じがして心が浮き立つ。四月の唱歌には さくら 朧月夜などがあり、春うららを感じさせる。

 霞みけり山消え失せて塔一つ  正岡子規


陽炎

2023-03-22 07:34:45 | 日記
陽炎や笑ふが如く鬼瓦

季語 陽炎 遠方のものが揺らいで見える現象。科学的に言えば直射日光で地面が熱せられ空気の低層に温度差が生じ、その空気の濃度の差が生じ、その空気の濃度不規則となるため通過する光が不規則に屈折させられる、という現象である。日差しの強い夏の海辺でも見られる現象だが、野原で揺らいで見える情趣が特に麗しい。歳時記抜粋。

例句  陽炎に突込んでくる猫車  佐藤鬼房