17音の記録 やぶにらみ

気が向いた時の記録

 俳句・無季の句 川柳と 関連記事

彼岸寺

2023-03-21 07:20:58 | 日記
地震後の墓石と語る彼岸寺

季語 彼岸 春分と秋岸をそれぞれ中日としてその前後三日ずつ、計七日間をいう。仏教語の「至彼岸」から来ていて、凡俗の生死流転の世界(彼岸)から悟りの境地(涅槃)に至るの意。ただの「彼岸」は春の彼岸を言い、秋は「秋彼岸」「秋の彼岸」と言う。寺院や墓所に参り法会をおこなう。「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、このころから本格的な春を迎えるが、土地によって年によっては、寒さの残ることもある。近年は特に、仏事より行楽の気分が強い。
歳時記抜粋。

例句 毎年よ彼岸の人に寒いのは 正岡子規



いぬふぐり

2023-03-20 07:43:27 | 日記
幼児の公園デビューいぬふぐり

季語 いぬふぐり 野山に春の到来を告げる花。早春の日溜りに青空からこぼれたような瑠璃色の小花を見つけると、春の訪れを実感して嬉しくなる。一般に「いぬふぐり」と呼ぶこの花は正確にはオオイヌフグリでヨーロッパ原産の帰化植物。茎は根元で枝分かれして横に広がり、葉は卵円形。イヌフグリは淡黄色で日本の自生種だが、近年あまり見られなくなった。どちらもゴマノハグサ科の越年草。果実の形が犬の睾丸に似てることからこの名がある。歳時記抜粋。

例句  犬ふぐり色なき畔と思ひしに  及川 貞


涅槃西風(ねはんにし)

2023-03-18 08:28:11 | 日記
涅槃西風妻は余裕のチャッカマン

季語 涅槃西風 春の彼岸の頃に吹く西風。地方によっては西風であったり北風であるが、冬の終わりと春の始まりを告げて吹く風という思いがこめられている。涅槃という言葉が西方浄土を連想させ、その浄土から彼岸に吹いてくる風であるとの思考もあるのだろう。同義の季語として彼岸西風があるが、涅槃西風の方が寒気が弱く優しい風というイメージがある。実作の上では、こういう微妙な差異を認識したい。 歳時記抜粋。

掲句 墓前での焼香の景

例句 涅槃西風今日も銀座に人溢れ  松村多美 


クロッカス

2023-03-18 08:28:11 | 日記
水槽に浮き輪を並べクロッカス

季語 クロッカス アヤメ科の多年草。地中海地方原産。高さは10cmほど。早春二月頃から松の葉のような細い葉の芯に花茎を出し、直径3cm程の香り高い六弁の花をつける。淡い紫のほか白、黄、斑入りなどもがある。公園の花壇、鉢植え、水栽培などに愛らしい愛らしい姿が広く親しまれている。園芸では観賞用の春咲きのものをクロッカス、秋咲きのものをサフランと呼ぶ。歳時記抜粋。

例句 クロッカスに始まる庭の花暦  山本美紗

鳥交る(とりさかる)

2023-03-17 08:21:57 | 日記
鳥交る地蔵は何も知らぬげに

季語 鳥交る 春から初夏にかけて鳥たちは繫殖期を迎える。雄鳥は踊るような動作をしたり、羽搏いて音をたてたり、また美しい声で囀ったりと様々な求愛行動をし、雌鳥を誘って交尾する。鶴の舞とよばれる優美なしぐさも求愛行動の一つとされる。それらの一連の行動を「鳥交る」、また「鳥の恋」などと言う。
歳時記抜粋。

例句 恋鳥や十日も空の一輪挿し  平塚美佐