Catch the words

from Shizuoka/name is "slide"

土曜日

2007-09-15 | Weblog
晴れ。土曜日。
青い屋根には、朝の名残。緑の葉には、一日の予感。

窓には、名前の知らない虫がへばりついている。
一休みの場所に選んだその窓は、ここから見える
唯一の外の景色を映す。

唯一のもの。
唯、ただ。

そんなものに出会えたのなら、そんなに幸せなことはない。
今のこの生は一回だけ。
あとにも先にも、この一回。
失敗ばかりのこんな一回でも、たった一度の小さな世界だ。

唯一手にした、この体とこの宇宙を
どうしたら、唯一のものに出来るのか。

唯一同士が出会って生まれる
唯一の気持ち。
行きかう、生と生だ。

土曜日。晴れ。
たった一つの、その愛おしいものを
手に入れられたのなら
そんなに幸せなことはない。

今 目の前にある当たり前の唯一を
はなさぬように


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2007-09-15 | Weblog
静かな夜に 静かな波長
波長の隙間に ざわつく気配

何も喋りたくはない
何も語りたくはない

黙って現実を 見つめていたい
静かな波間に 身を置いてただ

受けとめる
起こること
起こったこと
全てを
受けとめなければ

何も語らずに 見つめていたい
語る必要など あるわけもなく
ただそれについて
がんじがらめに 受けとめよう

  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

願い

2007-09-14 | Weblog
きっと今、彼方の君は
辛い思いで いっぱいなんだろう。
それを思えば、僕の痛みなんて なんと小さな
ものかと、想像するんだ。
君のことが、心配でならない。
届く筈もないのに、ここで心配することしか出来ずに
僕は、手を貸すことも出来ずに
こんな朝を迎えている。
朝日が当たってはいるけれど、僕には只の光にしか見えない。
君に、本当の穏やかな光が当たっていると思えなければ
朝日も夕日も、さほど変わらない。
どうか、哀しまないで。
届く筈もないけどな。
ただ、僕は窓からの朝の光を見つめながら
いつもの朝の風景に身を置きながら
君のことを思う。
少しでも苦しみと哀しみが、君からなくなるように
僕が背負ってもいいから
なくなるようにと、
届く筈もない願いを、朝日に託すんだ。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一つや二つ

2007-09-13 | Weblog
秘密なことの一つや二つ、あるもんだ。
もし秘密が、秘密でなくなったら……
あまり考えたくないが、致し方ない。
だからといって、何がどうなる?
僕は僕のまま。
裸にされたって、僕のまま。

脳天気で神経質
複雑で単純
我が儘で厚顔無恥
ユーモアとエレガンスは忘却の彼方

もう時すでに遅し。
秘密はもう、秘密である必要はなくなった。
秘密のない人間ほど、つまらないものはない。
暗闇でミステリアスに笑う、通りすがりの女性のように
秘密めいた芳香など
僕とはまるで遠いもの。

秘密を後生大事に抱えて歩いていく程
僕は大物ではないのだ。
秘密は秘密でなくなる程に、秘密を隠すのだ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2007-09-13 | Weblog
憎まれ役ならば、憎まれて最後までいるべきだ。
最後だけ善人面は、したくない。
それで すっきりと終われるのならば
僕は、冷血な人間としているべきだろう。

それが、君への心からの贈り物。
それしか出来ない僕を、どうか憎んでくれて
構わない。

そうするべきだと
何かが僕に、合図する。

君に幸せになって貰うには
それも一つの方法ならば。
僕は、そうするべきなんだろう。

僕が君を
好きな程に、憎まれないと
すたるだろ?



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする