Catch the words

from Shizuoka/name is "slide"

水玉

2007-09-08 | Weblog
出来る限り、嘘はつきたくないので
ここで僕を解放する

出来る限り、君には背中を向けたくないので
ここで僕は息をする

八百万の物語が充満するこの国で
張り巡る細い細い 運命の糸は
どこまで絡まって雲の上まで繋がっているのか

出来る限り、糸が切れてしまわないように
出来る限り、思いは思いと分かち合えるように

ここで僕は、望遠鏡で君に 電報を打つ
ここで僕は、顕微鏡で君の 真実を待つ

ジャケットの水玉模様に永遠を感じた、昔の僕を
胸元で こそばゆく感じながら

今日は、運命と闘っていたのさ
笑うだろ?

嘘は、つきたくないからさ

君に

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ミルク

2007-09-07 | Weblog
静かな森のように 固まった夕暮れ
潮の香りが 鼻先で僕に落胆する
 
エンドロールが始まりそうだから
僕は、鼻先に漂う潮の香りに
手を差し出して
許しを請うてみるのさ

彼女なのか彼だか知らないけど
あいつは、僕の鼻先で舌を出す

『頑張ってみるよ』
言ったところで 真実味は何処へ逃げまどう?

僕は、手を差し出すのさ
許してくれるまで
あいつに何言われても
君には 繋がらなくても

それしか、誠実ってものの示し方が
バカな僕には
分からないんだ

潮の香りは
あまりに真実味があって
僕は、尻込みしてしまうときがある

許しを請うって
果たしてそれは、何の意味があるのだろう

海の底には きっと
世界中の嘘や真が
渦巻いて眠っているのだ

静かな森の麓で
そんなことを思う

夕暮れは 固まったまま
夜へと
溶けていく

珈琲に垂らした
ミルクのように




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Portrait

2007-09-07 | Weblog
誰にも言わず、誰にも悟られず。
多分、段々と歳をとり、老いて旅立つまで
僕は、僕の世界を 黙って
抱いていくのだ。

誰にも言う必要はない。
誰にも言うつもりはない。
僕だけが抱えていればいい。
僕だけが知っていればいい。

言ったところで何にもならないし
言ったところで僕の世界が
スッと 海の泡のように
消えてしまうのだろう。

抱えて苦しいことは、しょっちゅうだが
誰にも言えず、ただ 夜空を見ている。

人間、そんなこともあるんだろう。

こう言ってると、
ものすごい秘密を持っているようだが
生憎、そういうことでもない。

どっちかといやぁ、サムライ気取りに他ならない。
でかい声で言う程のことでも、
そんな大仰しいことでも、全くない。

っていうか、サムライ気取りになってなきゃあ
やってられんのさ。

僕だけの世界で悩むことは、果てしなく広く薄暗く感じる。
そこに一筋でも 光が射すのかさえ分からない。
でも、薄暗いということは、どこかに灯りがあるはずなのだ。
何処にあるのか?

ないかもしれないが
あるのかもしれないという、形のない希望だけが
無重力の僕の中で、一筋の光の代わりに
頼りなくぶらさがっている。

僕は、矢張り 僕の中にしか居ない。
世界に一人の僕に
今日も幻滅しながら、一筋の光を探しているんだ。

これからも、苦しいだろうが
探すしかないのだ。

僕のポートレイトは
まだ 色のないカメラの中に。

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エンドロール

2007-09-07 | Weblog
今日のプロローグは、台風一過
テーブルの上には、安物の腕時計

今日のエピローグは、どんな景色?
窓の外は、何色だろう?

未来はいつも、無色透明
どんな人にも、まだ何もない
まっさらな未来

今日のエンドロールは
どんな映像?

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2007-09-06 | Weblog
風まかせ
神のみぞ知る

神のまにまに
風のまにまに

回る季節のうえで
僕らの今が
ひっそりと 息づいている

吐息のまにまに
溜息のまにまに

僕らは少しずつ
風のなかへ
哀しくても
嬉しくても

全ては僕らの知らない処で
神の意志が
吹き付ける

全てのまにまに

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