アンリさんのアンテナショップのディスプレーは業界内でも評判がよかった
荷物整理が終わってから現場に見に行ったんやけど…
もう言葉に表せんぐらい感動してもた。
あたしも あれぐらいのスタイリングとディスプレーがやりたいし出来るように頑張りたい。
てなわけで 日々努力 今日もあたしは真咲先輩の指導の下頑張ってます。
『リサちゃん ちょっと…今いいかな?』
『はいっ』
相沢社長に呼ばれ会議室へ入る。
なんか険しい顏してんのは…あたしなんかやらかしてる?
もしかして勝手にアンリさんの洋服使ってスタイリングしたんバレたかなぁ?
その事で アンリさんからクレーム入ってるとか?
他にも思い当る事を考えて おっきい背をちっこく縮めてたら…
『実は…篠崎いやアンリが…』
『(うっ…)』
ひぇーやっぱりアンリさんがらみでなんか怒られるんや。
『リサちゃんの事がぜひ欲しいって言ってきたんだ』
『えっ?欲しいって? 専属スタイリスト…』
『バカ(笑)ひよこのくせに…違うよ。そんな話じゃなくて モデル』
『へっ?』
『アンリは 小泉さんをモデルとして欲しいそうだよ』
『モ…モデルー?』
相沢社長から出てきた言葉に腰を抜かしそうになった。
相沢社長曰くアンリさんは あたしを地下室で見て ビビビっと来た。
だからぜひともモデルを受けてほしいって事らしい。
何をどうしたら そんな話になるん?
『無理です。あたしはそんなん出来ません。』
『そんなのやってみないとわかんないだろ?』
『やらなくてもわかります。無理です 絶対に無理』
相沢社長は両手を上げてオーバーアクション。
お手上げのポーズをして笑っている。
『リサちゃん スーパースタイリストになりたいって言ってたよね。』
『はい。』
『モデルの気持ちもわかるスタイリストって素敵だと思わない?』
『モデルさんの気持ち?』
『彼女達は ただ与えられた洋服を着ているんじゃないよ。プロだから意志がある』
『意志ですか?』
『この際モデルというのはおまけで アンリの所で本場フランスというのを経験して
勉強して技を自分の力にしてやるぐらいの気持で やってみないか?』
『せやけど…あたし』
『リサちゃん チャンスは逃したらダメなんでしょ?』
問題があるとしたら…
1年間は フランスに行くことかな?けれどきっとリサちゃんの力になるよ
相沢社長は あたしの頭をくしゃっと撫でた。
『ご両親と そして彼氏と相談して決めてくれていいよ。
けれど最後は…』リサちゃんが決めることだよってもう一度頭を撫でた。
★★★
『もしもし 大谷。』
『おぅ リサか 今仕事終ったんか?』
『うん。今日はもう帰ってええって…』
『もしかしておまえまた失敗したんか?』
『ちゃうっ』
受話器の向こうから聞こえてくる大谷の声はいつもと同じで優しくて大好きなトーン。
東京と大阪って事忘れてしまえるほど近くて愛しい。
『あんな…大谷。あたし大谷に相談があるねん』
『ん?金ならない(笑)』
『そんなんちゃうわっ もぉー大谷には相談せえへんっ』
『あはははは うそうそ なんや相談って』
『あんな…』
あたしがフランスに1年行くってゆうたらどうする?
5・・・・・
4・・・・
3・・・
2・・
1・
0
沈黙の後
『なんや その4月1日みたいなギャグ『ちゃうもん。』』
『リサ?』
あたしはアンリとの出会い
そして相沢社長から提示された話を大谷にした。
『そんでおまえはどうなんや?やりたいんか?やりたないんか?』
『んー正直。モデルなんてできひんと思う。けど』
勉強になるんならなんでも挑戦したいと思う。
思っている事を正直に吐露した。
『ほな 行って来い。』
『えっ?』
『行って勉強して ビックになって帰って来い(笑)』
『ええん?東京と大阪みたいに日帰りとかできひんで・・・。』
大谷に逢いたくなっても3時間30分では帰って来られん距離
『そんなんわかっとるわ。けどおまえにモデルなんかできるんか?あの時も…』
大谷は高校の時を思い出したんか ケラケラと笑う。
『あ…あの時とは ちゃうもん。』
『とにかく せっかくの話。チャンス逃したらあかんぞ』
チャンスは逃したらあかんぞって
あの時と同じように大谷の言葉は 背中を押してくれる。
『大谷。あたしフランスに行ってきます。』
荷物整理が終わってから現場に見に行ったんやけど…
もう言葉に表せんぐらい感動してもた。
あたしも あれぐらいのスタイリングとディスプレーがやりたいし出来るように頑張りたい。
てなわけで 日々努力 今日もあたしは真咲先輩の指導の下頑張ってます。
『リサちゃん ちょっと…今いいかな?』
『はいっ』
相沢社長に呼ばれ会議室へ入る。
なんか険しい顏してんのは…あたしなんかやらかしてる?
もしかして勝手にアンリさんの洋服使ってスタイリングしたんバレたかなぁ?
その事で アンリさんからクレーム入ってるとか?
他にも思い当る事を考えて おっきい背をちっこく縮めてたら…
『実は…篠崎いやアンリが…』
『(うっ…)』
ひぇーやっぱりアンリさんがらみでなんか怒られるんや。
『リサちゃんの事がぜひ欲しいって言ってきたんだ』
『えっ?欲しいって? 専属スタイリスト…』
『バカ(笑)ひよこのくせに…違うよ。そんな話じゃなくて モデル』
『へっ?』
『アンリは 小泉さんをモデルとして欲しいそうだよ』
『モ…モデルー?』
相沢社長から出てきた言葉に腰を抜かしそうになった。
相沢社長曰くアンリさんは あたしを地下室で見て ビビビっと来た。
だからぜひともモデルを受けてほしいって事らしい。
何をどうしたら そんな話になるん?
『無理です。あたしはそんなん出来ません。』
『そんなのやってみないとわかんないだろ?』
『やらなくてもわかります。無理です 絶対に無理』
相沢社長は両手を上げてオーバーアクション。
お手上げのポーズをして笑っている。
『リサちゃん スーパースタイリストになりたいって言ってたよね。』
『はい。』
『モデルの気持ちもわかるスタイリストって素敵だと思わない?』
『モデルさんの気持ち?』
『彼女達は ただ与えられた洋服を着ているんじゃないよ。プロだから意志がある』
『意志ですか?』
『この際モデルというのはおまけで アンリの所で本場フランスというのを経験して
勉強して技を自分の力にしてやるぐらいの気持で やってみないか?』
『せやけど…あたし』
『リサちゃん チャンスは逃したらダメなんでしょ?』
問題があるとしたら…
1年間は フランスに行くことかな?けれどきっとリサちゃんの力になるよ
相沢社長は あたしの頭をくしゃっと撫でた。
『ご両親と そして彼氏と相談して決めてくれていいよ。
けれど最後は…』リサちゃんが決めることだよってもう一度頭を撫でた。
★★★
『もしもし 大谷。』
『おぅ リサか 今仕事終ったんか?』
『うん。今日はもう帰ってええって…』
『もしかしておまえまた失敗したんか?』
『ちゃうっ』
受話器の向こうから聞こえてくる大谷の声はいつもと同じで優しくて大好きなトーン。
東京と大阪って事忘れてしまえるほど近くて愛しい。
『あんな…大谷。あたし大谷に相談があるねん』
『ん?金ならない(笑)』
『そんなんちゃうわっ もぉー大谷には相談せえへんっ』
『あはははは うそうそ なんや相談って』
『あんな…』
あたしがフランスに1年行くってゆうたらどうする?
5・・・・・
4・・・・
3・・・
2・・
1・
0
沈黙の後
『なんや その4月1日みたいなギャグ『ちゃうもん。』』
『リサ?』
あたしはアンリとの出会い
そして相沢社長から提示された話を大谷にした。
『そんでおまえはどうなんや?やりたいんか?やりたないんか?』
『んー正直。モデルなんてできひんと思う。けど』
勉強になるんならなんでも挑戦したいと思う。
思っている事を正直に吐露した。
『ほな 行って来い。』
『えっ?』
『行って勉強して ビックになって帰って来い(笑)』
『ええん?東京と大阪みたいに日帰りとかできひんで・・・。』
大谷に逢いたくなっても3時間30分では帰って来られん距離
『そんなんわかっとるわ。けどおまえにモデルなんかできるんか?あの時も…』
大谷は高校の時を思い出したんか ケラケラと笑う。
『あ…あの時とは ちゃうもん。』
『とにかく せっかくの話。チャンス逃したらあかんぞ』
チャンスは逃したらあかんぞって
あの時と同じように大谷の言葉は 背中を押してくれる。
『大谷。あたしフランスに行ってきます。』