29.Un anniversaire to.Risa

『あかん　しぬー　疲れたぁ…』

今日もめっさしごかれた。
本番と同じステージ使ってのレッスン
魂が抜けるぐらいのしんどさやってん…。

この後の仕事は休みの予定やから帰ろうとした時

『リサちゃん誕生日おめでとう。』ってＭＩＯの声の次に
『リサBon Anniversaire』

アンリが薔薇の花束持って舞台袖から現れた。
あたしの回りは　スタッフとかモデル仲間さんが集まってて
『♪ハッピーバースディ』の大合唱が始った。

『あ…ありがとうございます。みなさん…。』
『今日はリサの誕生日でしょ？コレＭＩＯ特製ケーキだよ。』

そっか今日って8月3日
あたしの誕生日やったんや…忘れてた。（笑）
これで忘れるん何回目なんやろ…

ＭＩＯが♪ぱちんっと指を鳴らすとマネージャーさん達が
テーブルと数本のろうそくがたった真四角のいちごケーキを運んできた。

『さっ　リサ　早くろうそくを吹き消して』

ＭＩＯに催促され　ふぅーっと炎を吹き消した。

周りから歓声と大きな拍手がしてなんかテレくさい。

『お誕生日おめでとう♪』

みんなに御祝いしてもらって　うれしい。
けど…

★★★

『どかーん　はっぴばーすでぃ　リサ。』

のぶちゃんからお誕生日おめでとうの電話がかかってきたのは
夜の11時頃で　丁度パーティが終って部屋に帰ってきた時やった

『あ゛ーありがとうっ　ちゅうかあたしまた自分の誕生日忘れてた』
『えー。もぉあんたはボケてんの（笑）』

『で…大谷くんは?』
『…大谷な…。大谷…』

パソコンを立ち上げても大谷からのメールはないし…
エアメールなんてゆうんも来てない。
電話…もない。

『まさか今年も忘れられてんの？』
『…多分　忘れてるってレベルやなくって採用試験で忙しいんやと思う。』

『だからて…電話やメールでおめでとうっていえんのあのちびすけ』
『ええねん。試験頑張って欲しいもん。』

のぶちゃんの言う通りメールぐらいくれてもバチあたらんのにと思う
メールは24時間営業ってゆうたんは大谷やのに…

高価なプレゼントよりも大谷
そっちのんが嬉しい。

けど今　大谷は人生の勝負の時　先生になる為に頑張ってる
あたしの事なんて二の次でええ。

『まぁ　あんたら２人の事やし…』
『のぶちゃんから電話来てめっちゃうれしいもん♪それより中尾っちと…』