投資家の目線

投資家の目線586(うま味調味料は使わない方向へ)

 最近、日本でもうま味調味料の使用を好まない人が増えているようだ。例えば、『約77%の消費者が購入時にうま味調味料を使わない商品をできる限り選択する(同社調査)ことから、即席みそ汁の「円熟こうじのおみそ汁」シリーズもうま味調味料不使用にリニューアルした。』(「無添加減塩味噌、小容量で手軽に、ひかり味噌。」2016/9/7 日経MJ)や、『漬物製造大手のピックルスコーポレーションはかつお節メーカー、にんべん(東京・中央)と共同開発した白菜漬けなどをリニューアルし販売を始めた。かつおだしを新たに開発して、うま味調味料を減らし、より自然なだしの風味を強調したのが特徴という。』(「だしの風味より自然に ピックルス、白菜漬けなど、にんべんとコラボ商品刷新。」2016/9/3 日本経済新聞 地方経済面 埼玉)という記事が出始めている。

 昨年、インドでネスレのブランド「マギー」の即席めんが回収命令を受けたと報道されたが、もともとは鉛でなく、次のような、うま味調味料の使用に関する問題だった。『地元メディアが最近、当局が同社の一部製品から許容量を超えた水準のうま味成分、グルタミン酸ナトリウム(MSG)を検出したと報道していた。』(「ネスレ・インディア、即席麺20万袋の回収命令受ける(フラッシュ)」 2015/6/1 日経産業新聞)。うま味成分の発見者がいた日本はともかく、それ以外の地域では「うま味調味料」は好まれていないように思う。食品の海外輸出のためには、うま味調味料の使用は控えた方がよいように思う。

 また、『「マーガリン系」商品の人気が振るわない。バター不足で需要が高まるかと思われたが、使われるトランス脂肪酸が健康に悪影響を与えるという懸念や、健康志向でパンにオリーブオイルやハチミツなどを塗る人が増加していることなどから市場は年々縮小している。』(「マーガリン類、復活模索、雪印メグミルクなど、バター風味拡充、新レシピも提案。」2016/9/2 日経MJ)。米国でトランス脂肪酸の使用が禁止されるので、米国への食品輸出を考えれば、マーガリン系商品を控えるのは妥当だと思う。

 長野県のスーパー、ニシザワでは、「顧客の間に添加物をなるべく使わない食品を求める傾向が強まっていることに対応」して、タール色素12種類を添加物として使った食品の販売を中止した(「添加物にタール色素使う食品 ニシザワが販売中止。」2016/9/14 日本経済新聞 地方経済面 長野)。

 日本でも食の安全に対する意識が高まっているようだ。

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