投資家の目線

投資家の目線946(UAEの国営企業が独企業を買収か?)

 アラブ首長国連邦のアブダビ国営石油会社が、ドイツの化学大手コベストロと買収の協議に入った(「独化学大手コベストロ、アブダビ国営石油による買収で協議中」 2023/9/11 ダウ・ジョーンズ配信)。コベストロは化学大手のバイエルの素材部門が独立した会社で、ポリウレタン原料やポリカーボネートが主力製品である。先進国企業の買収により、先端技術を手に入れることができる。ロシアからエネルギーを安く調達することができなくなったドイツは、2023年の実質成長率がマイナス0.4%とユーロ圏主要国の中で唯一マイナスが予想されており(「欧州経済、23年0.8%成長に下方修正 独はマイナス予測」 2023/9/11 日本経済新聞電子版)、ドイツ企業はお買い得になっていると思われる。天然ガスの調達先を広く求めることは調達のリスク分散になるが、調達コストは上がり、ドイツはここまで工業製品の競争力を持つことはできなかったであろう。地下資源の乏しい日本も他人事ではないだろう。

 

 7月21日、CIAのバーンズ長官が閣僚に昇格した(「米CIA長官が閣僚に昇格、ロシアや中国巡る対応をバイデン氏評価」 2023/7/24 Bloomberg)。バーンズ長官は国務省出身で外交は専門分野。一方、ブリンケン国務長官は、サウジアラビアとイスラエルの関係正常化は依然として難しいと語るなど(“Saudi-Israel Normalization Remains ‘Difficult,’ Blinken Says” 2023/9/16 Bloomberg)、まったく機能していない。ブリンケンが使い物にならないので、外交はバーンズ長官が仕切ることになるのではあるまいか?キャンベル国家安全保障会議インド太平洋調整官が米国務副長官の最有力候補になっているとも報じられている(「米政権アジア政策担当キャンベル氏、国務副長官の最有力候補-関係者」 2023/9/7 Bloomberg)。現在副長官代行を務めているビクトリア・ヌーランド(配偶者はネオコンのロバート・ケーガンで、関係者にはシンクタンク?「戦争研究所」所長のキンバリー・ケーガンがいる)よりもマシな人物を外交の責任者につけたいのだろう。アルジェリアをはじめアフリカ諸国が中ロを頼りにするのは、現在の米国連邦政府がその任に堪えない人物を外交の責任者にしなければならないほど人材が払底しているか、バイデン政権内に人を見る目がないか、その両方かのためだろう。そして、そんな今の米国について行こうとする国々の指導層も大概である。

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