投資家の目線

投資家の目線942(悪化する米国の生活状況)

 インフレの影響で米国民が食費を切り詰める中、スーパーマーケットが総菜に力を入れ、レストランに競争を挑んでいる。『食料品店チェーンの米セーブマート・スーパーマーケットでマーチャンダイジング部門を統括するマーク・バン・ブスカーク氏は、「これまでレストランで支払っていた価格に対し、消費者が抵抗を見せている」と言及。(中略)7月の食料品価格は前年同月比で3.6%上昇したのに対し、レストランでの価格は7.1%上昇している。』(「食費切り詰める米国民、レストランとスーパーが激しい争い」 2023/8/14 ダウ・ジョーンズ配信)。インフレの影響は食生活にまで及んでいる。店舗の規模の割に接客スタッフの多いレストランが閉店すれば、失業者数も増加するだろう。新型コロナウィルスの症状には、味覚障害もある。最近のレストラン離れには、味覚障害の影響もあるのかもしれないが…。

 

 7月の米小売売上高は市場予想を上回ったが、秋にかけて小売売上高の落ち込みを予想する機関もある。理由としては、「新型コロナウイルス流行中に2兆3000億ドル(約330兆円)とピークに達した超過貯蓄が現在は7300億ドルに減少して」(「【市場の声】米小売売上高、貯蓄減少で落ち込む可能性」 2023/8/16 ダウ・ジョーンズ配信)いることがあげられている。米国の実質賃金は5月以降プラスで推移しており消費にはプラスだが、貯蓄の取り崩しが進めば消費は抑えられるのは当然だろう。

 

 米国ではホームレスの増加も懸念材料だ。ホームレス増加の「最大の要因は住宅費の高止まりだ」(「米でホームレス急増、過去最大の伸び=WSJ調査」 2023/8/15 ダウ・ジョーンズ配信)。家賃が払えない人が増加し、空室率が増加すれば商業用不動産のオーナーの収入にも飛び火する。米国経済は軟着陸することができるのだろうか?

 

 中国恒大集団の米連邦破産法15条の適用申請など、日本では中国の経済不振に関する話題が大きく報じられる。中国のことだけでなく、米国の経済状況も伝える必要があるのではないだろうか?

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