投資家の目線

投資家の目線517(大阪都構想とイオンと中央集権)

 住民投票の結果、大阪都構想は反対票が少し多く廃案となった。大阪副首都構想があることから、大阪都構想とは中央からの自立を目指すものではなく、中央集権の「おこぼれ」を頂戴しようとする考え方なのだろう。「おこぼれ」をもらう大阪はそれでうれしいのかもしれないが、他の地域にとってはどうでもよいことだ。


 次の記事によれば、総合スーパーであるイオンの経営不振の原因は中央集権的な事業スタイルにあると指摘されている。一方、商圏の消費者ニーズに合った品揃えができるよう権限が店長に委譲されているスーパーは業績好調が維持されているというのだ。

イオン沈没 リテール客数減深刻、持ち株会社社員半減で「過去を全否定」改革断行 2015.05.19 Business Journal


 南北に長く、自然環境などが地域によって異なる日本で、消費者ニーズが地域ごとに異なるのは当然だ。この状況をみると、全国的なチェーンストアの時代は終わりをつげ、リテール企業は地域ごとに分裂していくのではないだろうかと思う。


 現在の日本は、中央政府が富の再分配を行うことで日本はそれなりの均質性を保っていたが、財政難から今後はそれができなくなる。リテール企業の好不調を見ていると、中央政府に対して相対的に地方政府の権限を強くし、地域の事情にあった政策がとれるようにする方がよいだろうと確信する。それを考えれば、中央集権の流れを引きずる大阪都構想も潰れて当然だと思う。

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・先週の円安を要因とする値上げ発表等記事
バーガーキング値上げ、ハンバーガーなど43品目。2015/05/19 日本経済新聞 朝刊 (円安の影響などで調達コスト上昇)
円安定着、苦戦組も、原材料高重く。2015/05/23 日本経済新聞 地方経済面 四国
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