英国の原子力潜水艦建造施設で、大規模火災が起こった(『原潜建造施設で大規模火災、「核の危険なし」と警察 英イングランド北西部』 2024/10/30 CNN)。バンガードの後継艦は建造できるのだろうか?英国の空母クイーン・エリザベスは、プロペラシャフトの不具合でNATOの合同演習を欠席した(『「演習に出られません」英空母「クイーン・エリザベス」出航前日に故障発覚! 代役は?』 2024/2/7 乗りものニュース)。英国の兵器製造能力は低下しているようだ。日英伊で次期戦闘機を共同開発というが、実現させるにしても予算の問題からもそう簡単ではなさそうだ(『日英伊の「次期戦闘機」実はかなり“追い込まれている?” 切迫するカネと時間の問題 余裕は全然無い!?』 2024/11/8 (乗りものニュース)。前政権のキャメロン英外相が日英は「1902年以来の緊密な関係だ」と述べても(『英外相、日英関係「1902年以来の緊密さ」 同盟締結時』 2024/2/28 日本経済新聞電子版)、経済が衰退する英国に(『英高官「経済衰退に危機感」 変革めざし増税で公共投資』 2024/10/31 日本経済新聞電子版)、財政余力は乏しい(「英国の財政余力、当初想定より少ない見込み-予算責任局が誤り」 2024/11/2 Bloomberg)。今年4月、英国の軍艦が横須賀を訪れたが、近海警備などを担当する哨戒艦だった(「英海軍の哨戒艦スペイ、横須賀基地に寄港 円滑化協定後で初、進む防衛協力」 動画 |2024/4/15 カナロコ by 神奈川新聞)。現在の英国の財政能力ではアジア・太平洋地域に艦隊を派遣するなど無理なのだろう。
英国では深刻な水質汚染の問題がある。ニューレイバーが「新自由主義」に毒されているせいもあるが水道事業を公営化に戻す動きはないのは(「英 深刻な水質汚染に怒り/130団体超共催 過去最大デモ/ロンドン」 2024/11/5 しんぶん赤旗)、財源の問題もあるのではないか?汚染された水を飲むことは兵士を含めた人民の健康にかかわる問題ではないのか?健康を損ねた人間ばかりでは戦うことなどできない。
日英同盟は英国がボーア戦争で疲弊している頃に結ばれた。英連邦内部では奴隷貿易に対する賠償問題が協議される方向だが(「イギリス連邦、奴隷貿易賠償を協議へ 消極的な英国押し切る」 2024/10/29 日本経済新聞電子版)、現在の英国に賠償金を支払える能力があるとはだれも思ってはいないだろう。カネの切れ目が英連邦の切れ目になりそうだ。
追記:
英米を後ろ盾に中露と戦おうとするなぞ、歴史の教科書に出てくる日露戦争の時のポンチ絵のようだ。
今月1日、日本とEUは安全保障・防衛パートナーシップを結んだ(Sputnik 日本 on X: "【視点】日・EU安全保障・防衛パートナーシップはどんな点で「時宜を得ている」のか? 🤝 日本とEUは11月1日、インド太平洋地域で初の安全保障・防衛パートナーシップを結んだ。双方は、アジアと欧州の安全保障が「不可分」と定義し、 )。しかし、EUの大国ドイツがロシアからの安いエネルギーを失い経済が衰退しているなかで、このパートナーシップにどれだけの効果があるのだろう?
日本政府もトランプ氏の再選で、米国との経済交渉や対米インフラ投資など故安倍晋三氏が途中で投げ出した政策の尻拭いで忙しいだろうに…。
追記:
2024/11/21
↓あと10年もつと考えられていた揚陸艦2隻まで退役させるなんて、英国の財政状況はよほどひどいのだろう。これらの船を中古軍艦として外国に売却して財政の足しにでもするつもりなのだろうか?