投資家の目線

投資家の目線13(TBSの増資問題)

 TBSが第三者割当増資で約280億円を調達した。イー・モバイルに100億円投資し、その他の資金も近々必要となる資金とのことである。それにしても在京キーテレビ局はなぜこんなに現金同等物が多いのだろう。2005年3月期の現金同等物は、テレビ東京以外はすべて500億円以上で、TBSも526億円あり、投資資金の全額を増資でまかなわなければならなかったかには疑問が残る。同社の新規事業である赤坂再開発は本業の放送事業とは関係がなく、それをSPCなり何なりに売却して資金調達することを考えてもよかったのではないだろうか。いずれにしても増資した資金が不要となった場合、自社株買いなり何なりで資金を投資家に返却する必要があるだろう。そうしなければ、今回の増資は経営陣の自己保身のためと見られても仕方がないであろう。
 なお、TBSの諸井虔取締役は、西武グループの経営改革委員長であった。今回のTBSの件に村上世彰氏が絡んでいるのであれば、諸井氏対村上氏の第2ラウンドであろうか?

P.S.
 9月10日の朝日新聞朝刊に東証2部上場の葛飾区の下水道工事会社の子会社に関する情報が親会社の株価操作に使われていたのではないかという疑惑が掲載されている。カネボウ事件では会計士の関与も報道されているが、今週はこの株価操作事件についても注目である。
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