投資家の目線

投資家の目線14(売買執行コスト問題)

 2005/9/15日本経済新聞朝刊によると、米国のIEG証券が日本に進出することになった。この証券会社は私設取引システム(PTS)も提供するが、取引前予測や取引後分析システムを提供することに特徴がある。
 最近の資産運用では、売買執行コストが問題となっている。この取引後分析システムは取引コストを委託手数料や税金の問題だけでなく、自分の注文の大きさに影響されるマーケット・インパクトやうべからざる利益である機会コストも含めて考える、インプリメーテンション・ショートフォール法に基づいて執行結果を評価するものと思われる。個人投資家にはあまりなじみのないことであるが、機関投資家にとっては大量の売買執行を行うときには無視できない問題である。機関投資家の売買執行部門や、その相手となる証券会社にとっては、売買執行の優劣を評価するこの会社は鬱陶しい存在であろう。
 売買執行コストは絶対水準としてはそれほど大きくはないが、大きなリターンの獲得が難しい機関投資家にとって、この問題は今後大きな問題となっていくであろう。運用側としては世知辛い世の中になったといえるだろうが、運用の精緻化に貢献していくものともいえる。
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