なぜ、彼が「無一文」になったかというと、財産を慈善財団に寄付したからである。しかし、彼はその財団を一定期間後に解散させようとしている。財団が長期にわたって存続すると、財団の「職員や理事たちがその金を自分の所有物だと思ってしまう」(同書)ことを問題視しているためだ。企業に例えると職員や理事は従業員や役員に相当しよう。企業は誰のものかという議論に通じるものがあると思う。彼らは出資者の財産を、自分たちの所有物と思ってないだろうか?
ちなみに、グアムなどの営業権の入札など重要な決定は同社の4人の所有者(株主)によって行われ、成功を収めてきた。会社の所有者である株主が最終的な判断を行い責任を負うため、企業経営が無責任状態にならず、うまくいった例と言えよう。「会社は株主のものという考え方は私にはなじまない」と発言した、どこかの国の大臣にぜひ読んでいただきたい本である。
また、同書において、周りの人々の言葉を借りれば、彼は「誰でも政府よりはお金を有効に使える」と信じていたとされている。
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・堀江氏のブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」を見ていたら、こんな対談があったと書いていた。
講談社MouRa 直言増刊2号 宮崎学×安田好弘×魚住昭「検察国家日本を斬る」
『「額に汗して働かない」司法官僚が主導するこの国を斬る!!』という文言は面白い。
・大日本印刷が主婦の友社に39%出資するという。主婦の友社は上場企業ではないが、1/3以上の株式を取得するのにTOBをしなくともよいのだろうか。非上場企業のTOBとしては、三菱地所が池袋のサンシャインシティを買収した例がある。
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