投資家の目線

投資家の目線700(サンフランシスコ市の民泊規制)

 週刊エコノミスト2018/11/27号に「サンフランシスコ 強まる民泊への規制 背景に家賃高騰」(ジャーナリスト瀧口範子)という記事があった。同記事によれば、賃貸住宅から収益の高い民泊に切り替える動きが起こり、その結果、賃貸住宅が不足して家賃の高騰を招いたことが民泊規制の背景にあるという。

 瀧口氏は東洋経済2018年7月28日号の「富の街サンフランシスコ ホームレスが経済に打撃」でも、家賃高騰によるホームレスの増加、治安の悪化という問題を報じている。ホームレスの増加は、ちょっとしたことで内乱に発展しかねない。1992年にはロサンゼルスで大規模な暴動が起き、警察、州兵だけでなく陸軍や海兵隊まで出動して事態を収拾した。米国は民間にも強力な銃が出回っているし、今年になってアフガニスタンに駐留経験のある元軍人が立てこもり事件や銃乱射事件を起こしている。そのような人物が騒乱に加われば、鎮圧は難しい。貧困問題は国内の安全に結びつく問題であり、軽んじてはいけない。

 日本でも今年6月に民泊に関する法律が施行された。民泊は近隣住民とのトラブルが問題視されているが、民泊への転換による住宅不足、家賃高騰によるホームレスの増加への対応も、今後は考慮する必要も出てくるのではないだろうか?かつて、江戸の街でも「打ちこわし」の中心となったのは貧困層だった。また、富山県で元自衛官が交番を襲撃し、警察官や小学校の警備員を殺害する事件が起こった。米国の現状は、日本にとって他人ごとではない。米国での取り組みは、日本でも参考になると思う。
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