投資家の目線

投資家の目線24(既存交通機関の有効活用を)

 8月下旬、つくばエクスプレスが開業した。首都圏では来春ゆりかもめが豊洲延伸、2008年度開業予定の地下鉄13号線や日暮里舎人線、2010年開業目標の北総線から成田へ向かう新線が建設中である。
 しかしそれ以外は既存路線の改良が主である。2009年度には秋葉原・東京駅間が増設され、東海道本線と東北本線や高崎線、常磐線が直通するようになり、東京駅に乗換えがなくなる東北方面とっては朗報である。そして、東京ではもうひとつ期待したいものがある。それは都電荒川線の延伸である。日比谷線と3~4分で乗換えができる三ノ輪橋駅はともかく、早稲田駅は接続が悪い。東西線早稲田駅まで歩いても10分はかかる。これでは乗り継ぎ不可能といえるだろう。早稲田側で接続ができるとすれば高田馬場駅か東西線の早稲田駅、有楽町線の江戸川橋駅が考えられる。東池袋四丁目で有楽町線と接続することもあり、大手町に直通する東西線との接続が望ましいだろう。特に現行停留所全てに恩恵をもたらす東西線早稲田駅への乗換えが望ましいと思われる。
 ただし、この延伸工事には大きな金額がかかる。2004年3月に小台・宮ノ前間約400mで、自動車道と線路を分離するセンターリザベーション化が行われた。記憶が確かならば70億円以上の費用がかかっており、そのほとんどが土地の取得と建物の移転に使われた。荒川区でさえそれだけかかるのだから、山手線内の新宿区などの延伸工事にはさらに大きな金額が必要となるだろう。
 週末に乗車すると、大塚駅から町屋駅までの混雑に比べて末端区間の乗車は少ないように思われる。接続がよくなれば末端区間の乗車率も上がり、沿線の土地利用も高度化するであろう。現に都電沿線でも町屋、東池袋四丁目、学習院下で大規模再開発が進行しつつあり、時間が比較的正確で、ある程度の乗客が運べる鉄道輸送の整備は早晩必要になるだろう。鉄道駅から離れたところに住む人は自転車利用者が多いが、都電延伸で自転車利用者が減り、駅前の放置自転車も減少すればある程度金額がかかっても総合的に見れば割に合うのではないだろうか。もし乗客が増加すれば、東急世田谷線のように連接車を導入することもありうりうる。近年日本でも路面電車のようなLRT(Light Rail Transit)が見直されつつある。既存路線の有効利用で効率的な輸送体系を望みたい。
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