投資家の目線

投資家の目線955(悲惨な米日の荒廃ぶり)

 サンフランシスコでのAPECが閉幕した。米国政府は中華人民共和国の習近平国家主席をイエレン財務長官やニューサム加州知事が出迎えて歓待する姿勢を示し(『習氏、米サンフランシスコに到着 イエレン氏らが出迎え』 2023/11/15 日本経済新聞電子版)、ウクライナ支援で疲弊した国力を立て直すための時間を稼ごうとした。しかし、会談直後にバイデン大統領が習主席を独裁者と発言し(『バイデン大統領「習近平氏は独裁者」 米中首脳会談直後に明言』 2023/11/16 日本経済新聞電子版)、せっかくの機会を台無しにしてしまった。

 

 ウォールストリート・ジャーナルは、「ロシアの敗北についての魔法の思考に終止符を打つ時が来た」(” It’s Time to End Magical Thinking About Russia’s Defeat” 2023/11/16)と、とうとうウクライナ敗北を認めるような記事を掲載した。これまでの偏向報道を人々から忘れてもらうため、これからウクライナ寄りの報道はなくなっていくのではないだろうか?

 

 イスラエル問題では、ハマスの攻撃に無力だったことやそれに対する報復攻撃への批判から、ワシントンDCはネタニヤフ政権が倒れることに期待したが(Politico: в Вашингтоне ожидают скорую отставку Нетаньяху(ポリティコ:ワシントンはネタニヤフの差し迫った辞任を期待している) 2023/11/2 RTVI)、イスラエル政府から欧米の一部のマスメディアはハマスの襲撃を知っていた可能性があると反撃を受けた(『「ハマス奇襲を事前に把握」 イスラエルが一部欧米メディアを非難』 2023/11/15 毎日新聞)。対ロシアや対中国といい、ワシントンDCのやることなすこと、何もうまくいっていない。

 

 APECが開催されたサンフランシスコ市の荒廃ぶりは日本経済新聞でもようやく報じられた(『略奪でくすむ「黄金の街」 荒廃するサンフランシスコ』 2023/11/12 日本経済新聞電子版)。フェンタニルなどによる薬物中毒も現在の米国の問題点だ(「米国、メキシコ首脳会談 フェンタニル規制で結束強調」 2023/11/18 日本経済新聞電子版)。フェンタニルは米軍の下士官クラスも蝕んでいると聞く。米国は他国に関与する前に自国の立て直しが必要な状況だ。

 

 ひどく腐敗した状況は、日本も変わらない。自民党の東京五輪招致推進部長だった馳浩石川県知事が、「13年に開催が決定した東京五輪の招致活動で、開催都市決定の投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員に対し、内閣官房報償費(機密費)を用いて贈答品を渡したと発言した」(「機密費でIOC委員に贈答と発言 五輪誘致で馳浩知事、後に撤回」 2023/11/17 共同通信社)。同記事によれば、『当時の安倍晋三首相から「必ず勝ち取れ」「金はいくらでも出す。官房機密費もあるから」と告げられた』という。その後「私自身の事実誤認だった」(『機密費で贈答品発言、馳氏「私の事実誤認」 五輪招致』 2023/11/18 日本経済新聞電子版)と火消しを図ったものの、言ってはまずいことを事実誤認でごまかしただけのように見える。IOC委員への買収行為は以前から報じられており、やっと証言が出てきただけではないのか?

 

 東京都では、梅毒の感染が過去最多のペースで広まっている(「梅毒感染 最多ペースを更新 不安を感じたら早期の検査、治療受けて 東京都が申し込み方法などWEBで公開」 2023/11/17 東京新聞 TOKYO Web)。日本社会の荒廃がさらに進行している。

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